精神の病気を持っている方にメリットがある 精神障害者保健福祉手帳とは?

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我々は、精神疾患の方への支援を行っていますが、

精神疾患で社会生活に支障をきたしている方はたくさんいらっしゃいます。

精神疾患で何が一番困るかというと、とにかく周囲の理解を得られにくいという部分です。

身体の障害や知的な障害のように、他人からみて解る障害ではなく、

下手をすると、奇異な目で差別を受ける方も多く、

この周囲の理解の無さが、精神疾患を病気として治す障害にもなっています。

そこで、精神障害者保健福祉手帳を持っていれば精神疾患として法的に認められますので、

精神疾患として理解を得たい場合には、精神障害者保健福祉手帳を提示すれば理解されますし、

様々なメリットを利用する事で、物質的な支援も受けられます。

では、この精神障害者保健福祉手帳とは何でしょうか?

どんなメリットがあるのでしょうか?

精神障害者保健福祉手帳とは?

精神障害者保健福祉手帳とは、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律により、
精神の障害があることを認定するものです。

精神の障害のある方が自立して社会に参加ができるように、様々な制度やサービスの利用をしやすくすることを目的にしています。

要するに、精神状態に問題があって、いろいろ困っている方に、法律的に支援する手帳です。

この精神障害者保健福祉手帳は、各都道府県と政令指定都市によって発行されます。

どんな障害で受けられる?

精神障害者保健福祉手帳は、精神疾患が原因となっている障害で受けられます。

年齢や入院・在宅かなどの条件は問われません。

対象となる疾患や等級の区分としては、お住まいの地域で変わりますので、

ここでは東京都を例に取ってご説明致します。

精神障害者保健福祉手帳が受けられる疾患

・統合失調症
・躁鬱病
・非定型精神病
・てんかん
・中毒精神病(有機溶剤などの産業化合物、アルコールなどの嗜好品、麻薬、覚醒剤、コカイン、向精神薬などの医薬品)
・器質精神病
・神経症性障害
・ストレス関連障害
・成人の人格および行動の障害
・食行動異常や睡眠障害を含む生理的障害および身体的要因に関連した行動症候群
・心理的発達の障害
・小児(児童)期および青年期に生じる行動および情緒の障害

などの診断を受けている方が受けられます。

ただし、発達障害を含み、精神遅滞を伴うものは除かれます。

等級としては、以下の基準が当てられます。

障害等級 障害の状態
精神疾患(機能障害)の状態 能力障害(活動制限)の状態
1級

(精神障害であって、日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの)

1 統合失調症によるものにあっては、高度の残遺状態又は高度の病状があるため、高度の人格変化、思考障害、その他妄想・幻覚等の異常体験があるもの

2 気分(感情)障害によるものにあっては、高度の気分、意欲・行動及び思考の障害の病相期があり、かつ、これらが持続したり、ひんぱんに繰り返したりするもの

3 非定型精神病によるものにあっては、残遺状態又は病状が前記1、2に準ずるもの

4 てんかんによるものにあっては、ひんぱんに繰り返す発作又は知能障害その他の精神神経症状が高度であるもの

5 中毒精神病によるものにあっては、認知症その他の精神神経症状が高度のもの

6 器質性精神障害によるものにあっては、記憶障害、遂行機能障害、注意障害、社会的行動障害のいずれかがあり、そのうちひとつ以上が高度のもの

7 発達障害によるものにあっては、その主症状とその他の精神神経症状が高度のもの

8 その他の精神疾患によるものにあっては、上記の1~7に準ずるもの

1 調和のとれた適切な食事摂取ができない。

2 洗面、入浴、更衣、清掃等の身辺の清潔保持ができない。

3 金銭管理能力がなく、計画的で適切な買物ができない。

4 通院・服薬を必要とするが、規則的に行うことができない。

5 家族や知人・近隣等と適切な意思伝達ができない。協調的な対人 関係を作れない。

6 身辺の安全を保持したり、危機
的状況に適切に対応できない。

7 社会的手続をしたり、一般の公
共施設を利用することができな
い。

8 社会情勢や趣味・娯楽に関心が
なく、文化的社会的活動に参加で
きない。

(上記1~8のうちいくつかに該当
するもの)

2級

(精神障害であって、日常生活が著しい制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの)

1 統合失調症によるものにあっては、残遺状態又は病状があるため、人格変化、思考障害、その他の妄想幻覚等の異常体験があるもの

2 気分(感情)障害によるものにあっては、気分、意欲・行動及び思考の障害の病相期があり、かつ、これらが持続したり、ひんぱんに繰り返したりするもの

3 非定型精神病によるものにあっては、残遺状態又は病状が前記1、2に準ずるもの

4 てんかんによるものにあっては、ひんぱんに繰り返す発作又は知能障害その他の精神神経症状があるもの

5 中毒精神病によるものにあっては、認知症その他の精神神経症状があるもの

6 器質性精神障害によるものにあっては、記憶障害、遂行機能障害、注意障害、社会的行動障害のいずれかがあり、そのうちひとつ以上が中等度のもの

7 発達障害によるものにあっては、その主症状が高度であり、その他の精神神経症状があるもの

8 その他の精神疾患によるものにあっては、上記の1~7に準ずるもの

1 調和のとれた適切な食事摂取は援助なしにはできない。

2 洗面、入浴、更衣、清掃等の身辺の清潔保持は援助なしにはできない。

3 金銭管理や計画的で適切な買物は援助なしにはできない。

4 通院・服薬を必要とし、規則的に行うことは援助なしにはできない。

5 家族や知人・近隣等と適切な意思伝達や協調的な対人関係づくりは援助なしにはできない。

6 身辺の安全保持や危機的状況での適切な対応は援助なしにはできない。

7 社会的手続や一般の公共施設の利用は援助なしにはできない。

8 社会情勢や趣味・娯楽に関心が薄く、文化的社会的活動への参加は援助なしにはできない。

(上記1~8のうちいくつかに該当 するもの)

3級

(精神障害であって、日常生活若しくは社会生活が制限を受けるか、又は日常生活若しくは社会生活に制限を加えることを必要とする程度のもの)

1 統合失調症によるものにあっては、残遺状態又は病状があり、人格変化の程度は著しくはないが、思考障害、その他の妄想・幻覚等の異常体験があるもの

2 気分(感情)障害によるものにあっては、気分、意欲・行動及び思考の障害の病相期があり、その症状は著しくはないが、これを持続したり、ひんぱんに繰り返すもの

3 非定型精神病によるものにあっては、残遺状態又は病状が前記1、2に準ずるもの

4 てんかんによるものにあっては、発作又は知能障害その他の精神神経症状があるもの

5 中毒精神病によるものにあっては、認知症は著しくはないが、その他の精神神経症状があるもの

6 器質性精神障害によるものにあっては、記憶障害、遂行機能障害、注意障害、社会的行動障害のいずれかがあり、いずれも軽度のもの

7 発達障害によるものにあっては、その主症状とその他の精神神経症状があるもの

8 その他の精神疾患によるものにあっては、上記の1~7に準ずるもの

1 調和のとれた適切な食事摂取は自発的に行うことができるがなお援助を必要とする。

2 洗面、入浴、更衣、清掃等の身辺の清潔保持は自発的に行うことができるがなお援助を必要とする。

3 金銭管理や計画的で適切な買物はおおむねできるがなお援助を必要とする。

4 規則的な通院・服薬はおおむねできるがなお援助を必要とする。

5 家族や知人・近隣等と適切な意思伝達や協調的な対人関係づくりはなお十分とはいえず不安定である。

6 身辺の安全保持や危機的状況での対応はおおむね適切であるが、なお援助を必要とする。

7 社会的手続や一般の公共施設の利用はおおむねできるが、なお援助を必要とする。

8 社会情勢や趣味・娯楽に関心はあり、文化的社会的活動にも参加するが、なお十分とはいえず援助を必要とする。

(上記1~8のうちいくつかに該当するもの)

出展:東京都福祉保険局

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どんなメリットがあるの?

精神障害者保健福祉手帳は、税金の控除や減免、公共交通機関や施設の割引などが受けられます。

精神障害者保健福祉手帳で受けられる優遇サービス

①所得税の控除
②住民税の控除
③相続税の控除
④贈与税の控除
⑤利子等の非課税
⑥自動車税・軽自動車税・自動車取得税の控除
⑦個人事業税の減免
⑧東京都精神障害者都営交通乗車証の交付
⑨路線バスの運賃半額割引
⑩生活保護の障害者加算
⑪都営住宅の優先入居、使用承継制度及び特別減額
⑫都立公園・都立施設の入場料免除
⑬都立公園付設有料駐車場の利用料金免除
⑭東京都障害者休養ホーム事業
⑮NTT電話番号案内の無料利用
⑯携帯電話料金の割引
⑰生活福祉資金貸付制度
⑱駐車禁止規制からの除外措置
⑲NHKの受信料免除

などがあります。

では、これらをひとつずつ説明します。

①所得税の控除

納税者自身又は控除対象配偶者や扶養親族が手帳をお持ちの場合、所得金額から、級に応じた額が控除されます。
また、1級の方と同居している場合、上記のほか、配偶者控除・扶養控除に加算があります。

②住民税の控除

納税者自身又は控除対象配偶者や扶養親族が手帳をお持ちの場合、所得金額から、級に応じた額が控除されます。
また、1級の方と同居している場合、上記のほか、配偶者控除・扶養控除に加算があります。

③相続税の控除

障害者が相続した場合、税額から、年齢及び級に応じた額が控除されます。

④贈与税の控除

障害者への贈与に当たり、信託銀行との間で、「特定障害者扶養信託契約」を結ぶと、1級の方は贈与額のうち6,000万円まで、2級又は3級の方は3,000万円まで非課税となります。

⑤利子等の非課税

少額預金の利子所得等の非課税制度(マル優)及び少額公債の利子の非課税制度(特別マル優)を利用できます。

⑥自動車税・軽自動車税・自動車取得税の控除

自動車税・自動車取得税については、
・障害者の方が所有又は取得し、日常生活のために使用する。
・障害者の方が所有又は取得し、生計を同一とする方が専ら障害者の通院・通学等のために使用する。
・生計を同一とする方が所有又は取得し、障害者の方が専ら通院・通学等のために使用する。
・生計を同一とする方が所有又は取得し、生計を同一とする方が専ら障害者の通院・通学等のために使用する。
という条件に当てはまる方は控除が受けられます。
対象者は、1級の方で、自立支援医療(精神通院医療)の支給認定を受けていることが必要です。

⑦個人事業税の減免

本人又は障害者を扶養している方のうち、前年度の総所得額(事業所得以外の所得があるときは合算額)が370万円以下の方は、減免されます。

⑧東京都精神障害者都営交通乗車証の交付

都内在住の手帳の所持者を対象に東京都精神障害者都営交通乗車証を発行しています。

⑨路線バスの運賃半額割引

高速バス、空港連絡バス、深夜急行バス等は除いた、東京都内を運行する一般路線バスの都内区間の運賃が半額になります。(定期券の割引は、バス事業者によって異なる)

⑩生活保護の障害者加算

生活保護を既に受給している方のうち、障害の原因となった疾病について、初めて医師の診療を受けてから1年6か月を経過している方で、1級又は2級の手帳をお持ちの方は、障害者加算がつくことがあります。

⑪都営住宅の優先入居、使用承継制度及び特別減額

都営住宅に、優先的に入居できたり、使用を配偶者や子供に引き継ぐ事ができます。
また、既に入居している1級又は2級の方で、所得が一定額以下の場合は、使用料の特別減額が受けられます。

⑫都立公園・都立施設の入場料免除

都立の公園や施設の入場料が、手帳を提示すれば無料で利用できます。

⑬都立公園付設有料駐車場の利用料金免除

都立の公園や施設の駐車場の使用料が、手帳を提示すれば無料で利用できます。

⑭東京都障害者休養ホーム事業

障害者の保養等を目的として、全国にある宿泊施設の利用料金を一部助成します。
都内に住んでいて、手帳の交付を受けている方とその付添者(障害者1人につき付添者1人)が対象です。
年間2泊まで、1泊につき本人は6,490円を限度、付添者は3,250円を限度として助成が受けられます。

⑮NTT電話番号案内の無料利用

事前の申込みにより、NTTの電話番号案内(104)が無料で利用できます。

⑯携帯電話料金の割引

基本使用料、通話料が割引されます。

⑰生活福祉資金貸付制度

障害者のいる世帯に対し、資金の貸付けと必要な援助指導をしてくれます。
原則として、同一区市町村に住む連帯保証人が必要で、関係民生委員の援助指導が行われることとなります。
貸付金の種類は、障害者更生資金、障害者自動車購入資金等の6種類となっています。

⑱駐車禁止規制からの除外措置

等級が1級の方で、自立支援医療(精神通院医療)の支給認定を受けている方は、都内の駐車禁止が免除されます。

⑲NHKの受信料免除

NHKの受信料が全額或いは半額の割引が受けられます。
全額免除:手帳をお持ちの方がいる世帯で、かつ世帯全員が区市町村民税非課税。
半額免除:1級の手帳をお持ちの方が、世帯主でかつ受信契約者の場合。

どうやって申請する?

精神障害者保健福祉手帳の申請は、

お住まいの市区町村の障害福祉課が担当していますので、

書類をもらうのも、提出するのも市区町村の障害福祉課になります。

では、療養手帳を申請する手順を説明します。

1、必要な書類を揃える

①精神障害者保健福祉手帳 申請書
お住まいの市区町村の障害福祉担当窓口でもらえます。

②精神障害者保健福祉手帳用の診断書用紙
障害福祉担当窓口で「診断書(精神障害者保健福祉手帳用)」の用紙をもらえます。

③障害年金証書の写し
障害年金証書を持っていれば、②の診断書が必要ない場合もありますので、
お住まいの市区町村の障害福祉担当窓口でお尋ねください。

④証明写真(タテ4センチ×横3センチ程度)
写真館や証明写真ボックスで撮影したものが良いです。

⑤マイナンバーがわかるもの

マイナンバー個人番号カードを持っていない時は、通知の時に送られてきた「通知カード」でOKです。

⑥印鑑
申請書をご本人が書いた場合は不要の場合もありますが、申請はご家族がするでしょうから、持って行って下さい。

もし、代理人が申請する場合は、

⑦代理権の確認書類
 委任状や申請者本人の健康保険証など

⑧代理人の身元確認書類
個人番号カードや運転免許証など

などが必要になることがあります。

詳細はお住まいの市区町村役場で確認をしてください。

2、精神疾患の診察をしている主治医・専門医に、診断書を記入してもらう

市区町村の障害福祉担当窓口でもらった診断書を主治医のところに持って行き、
必要事項を記入してもらって下さい。

ご注意して頂きたいのは、「初診」から6ヶ月経過しないと診断書が作れないので、
この期間を過ぎてから診断書を作ってもらうようにして下さい。

3、揃えた書類を持っていき申請する。

上記で揃えた書類を、お住まいの市区町村の障害福祉担当窓口に持っていき、申請の手続きを取って下さい。

4、審査の上、等級が決定。

申請時の書類を元に審査され、等級が確定します。

5、手帳を受け取る

早くても1ヶ月、遅くても4ヶ月ほどでお知らせが届きますので、
市区町村の障害福祉担当窓口に手帳を受け取りに行きます。

6、手帳を受け取ってから

2年ごとに更新があります。
更新時はお知らせが届きますので、有効期限の3か月前から更新申請ができます。

精神の病気を持っている方が持っているとメリットがある 精神障害者保健福祉手帳とは? まとめ

まとめ

1 精神障害者保健福祉手帳とは?
精神状態に問題があって、いろいろ困っている方に、法律的に支援する手帳。

2 どんな障害で受けられる?
精神障害者保健福祉手帳は、精神疾患が原因となっている障害で受けられる。
疾患や等級の細かい区分は、本文を参照。

3 どんなメリットがあるの?
①所得税の控除
②住民税の控除
③相続税の控除
④贈与税の控除
⑤利子等の非課税
⑥自動車税・軽自動車税・自動車取得税の控除
⑦個人事業税の減免
⑧東京都精神障害者都営交通乗車証の交付
⑨路線バスの運賃半額割引
⑩生活保護の障害者加算
⑪都営住宅の優先入居、使用承継制度及び特別減額
⑫都立公園・都立施設の入場料免除
⑬都立公園付設有料駐車場の利用料金免除
⑭東京都障害者休養ホーム事業
⑮NTT電話番号案内の無料利用
⑯携帯電話料金の割引
⑰生活福祉資金貸付制度
⑱駐車禁止規制からの除外措置
⑲NHKの受信料免除
などが受けられる。

詳しい説明は本文を参照。

4 どうやって申請する?
精神障害者保健福祉手帳の申請は、お住まいの市区町村の障害福祉課が担当しているので書類をもらうのも、提出するのも市区町村の障害福祉課になる。
手続きは
1、必要な書類を揃える
2、精神疾患の診察をしている主治医・専門医に、診断書を記入してもらう
3、揃えた書類を持っていき申請する。
4、審査の上、等級が決定。
5、手帳を受け取る
6、手帳を受け取ってから
となる。

精神障害者保健福祉手帳は、

「持っていても使いようが無い」
「精神疾患である事を知られたくない」

という理由で、持たれない方が多いです。

でも、

外側から見えない…
自分しか理解できない…

精神疾患を証明する事ほど大変な事はありません。

精神障害者保健福祉手帳はそれを証明してくれるものです。

精神障害者保健福祉手帳を持っていても、身内や友人・会社などに知れる事は絶対にありませんし、自分から公表する義務も必要もありませんので、

とりあえず持っておいて、必要な時に使い分ける方が賢い使い方だと思います。

私達がお付き合いしている患者さんは、

地元では誰に知れるか分からないので使わないが、

誰も知り合いの居ない旅行先では、存分に活用しているという方も多いです。

「割引きで浮いた分で美味しいものも食べられる!」

とおっしゃっています。

病気で苦しんでいる引き換えとして、行政の恩恵を受けても良いと思いますよ♪

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