ダイエットで運動したいけど続かない?運動を続けるポイントは、たった2つだけ?

我々はリハビリとして、患者さんに運動をご指導するのですが、

「病気を治したい!」

という気持ちで、皆さん快く運動を始めて下さいます。

でも、難しいのは、

「運動を始める」

より

「運動を続ける」

事なんです。

運動を始めてもらうより、運動をどう続けてもらうか?

を考える事の方が、大事な仕事だと言っても過言ではありません。

これは、ダイエットでも同じで、

「よし!痩せるぞ!」

と、誰もが意気込んで運動を始めますが、

だんだん面倒くさくなってきて、

結局、目標を達成できないまま、やめてしまう・・・

なんていう経験をした事がある方は多いと思います。

では、なぜ運動を続ける事ができないのでしょうか?

運動を続けるには、どうすればいいんでしょうか?

運動が続かないのは?

「痩せたいけど…運動が面倒くさい…」

一度でもダイエットを志した方なら、誰もが苦しんだ心理でしょうが、

これを行動科学や心理学では「exercise paradox(運動の逆説)と言います。

実は、人類というものは、

「痩せたい」と思いながらも、「ダラダラ怠ける」ことが好きで、

運動して努力するのが嫌いなように、身体が作られているのです。

人類は運動が嫌いなように作られている?

この不思議な人類の身体の答えを、
Harvard大学の生物学教授、Daniell Liebermanが論文として発表していますので、わかりやすく説明致します。

人類は、旧石器時代から狩猟によって生き延びてきました。

狩猟の獲物となる動物たちに運動能力で劣る人類は、
道具や戦略を使う頭脳と共に、体力を効率的に使う身体の仕組みを進化させてきました。

その進化とは、狩猟という生きる為に必須な活動以外は休息を取り、
休息で体力を回復させるという身体の仕組みです。

筋肉の基となるたんぱく質は、24時間休まず分解と合成を繰り返しています。


栄養を摂らなかったり、激しい運動を続けると、生命活動に必要なたんぱく質が不足しますが、

この不足分は、自分の筋肉を分解する事で補います。

これは、獲物が獲れず必要な栄養が不足している時でも、

”自分の筋肉のたんぱく質を分解して、生命を守るために必要な栄養を自ら補給できる”

というように、身体が作られている事を意味しています。

ただ、筋肉のたんぱく質分解は緊急時にする事であって、できれば筋肉のたんぱく質は分解せず残しておきたいのです。

だからこそ人類は、生命を維持する以外の無駄な運動をしたくないわけで、

この身体の仕組みは、進化の過程で人類の身体(脳)に組み込まれているものですから、現代人の身体にもこの仕組みが働き、

運動をしようとすると

「無駄な栄養の消費は止めなさい」

と、脳から指令されるのです。

また、心理学としては、「ピグマリオン効果」というものがあります。

ピグマリオン効果というのは、

「他人から期待されたら、結果が出しやすくなる」

という心理作用です。

ダイエットというのは、だいたい他人に知られないように「こっそり」とするものですよね?

こっそりするという事は、他人に知られず、期待される事も無いわけです。

他人に期待されないという事は、ピグマリオン効果の

「他人から期待されたら結果が出しやすい」

という効果が発揮できず、結果を出すのが難しくなり、結果が出るまでに努力を止めてしまいます。

この身体(脳)と心の働きが、運動をしたくても続けられない理由なのです。

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運動を続けるにはどうすればいい?

まず、たんぱく質を残そうとする身体の仕組みに対しては、運動の仕方で解決します。

運動で栄養が消費されるのは、

ジョギングなどの有酸素運動では、

血中の糖 → 肝臓に蓄えられたグリコーゲン → 筋肉に蓄えられたグリコーゲン

の順番です。

キツイ筋トレなどの無酸素運動では、

筋肉に蓄えられたグリコーゲン

だけが、ほぼ100%に近い割合で消費されます。

キツイ筋トレや100mダッシュなどの無酸素運動を繰り返せば筋肉を分解しなければいけなくなって、

身体(脳)が「無駄に筋肉を分解するのを止めなさい」と運動を止めようとしますが、

ゆったりとした有酸素運動であれば、筋肉の分解にはなかなか至りませんので、

身体(脳)が運動を止めようとする事はありません。

ゆったりした軽い運動より、キツイ運動の方が続かないのは、こんな身体の仕組みがあるからです。

ですので、運動としてゆったりした有酸素運動を選べば、たんぱく質の分解を止めようとする身体(脳)の仕組みを回避できるというわけです。

ダイエットや病気のための運動でも、中程度の有酸素運動の方が効果がありますので、

激しい運動より、ゆったりした有酸素運動をオススメします。

また、「他人から期待されたら結果が出しやすい」ピグマリオン効果が期待できない事への対策は、

ダイエットしている事を、他人に公表する事で解決します。

ダイエットを公表し、ある程度続けて効果が表れた時に、

「がんばれよ!」

「おっ!効果が出てきたね」

なんて、声を掛けられたら、ピグマリオン効果で「また頑張ろう!」という意欲が出て来ます。

私がダイエットした時には、職場の全員にダイエットをする事を宣言して

体重のグラフを事務所に貼って記録していました。

ダイエットは真面目に続けていれば、僅かずつでも必ず効果が出ますから、

上司からは

「落ちてきたなー!」

同僚からは

「すげー!ちゃんと続けてるのが尊敬!」

と、声を掛けられて、やる気の維持につながり、成功へ結び付きました。

ただ、ここで気を付けなければいけないのが、心理学でいうところの

「ゴーレム効果」

と言われるものです。

このゴーレム効果は、

「否定される事で、達成できなくなる」

という心理です。

ダイエットを公表する時は、あなたが「信用できて否定しない」ような人間を選んで、その人達にだけ公表する事をお勧めします。

ダイエットを成功させる運動を始めましょう!

では、早速ダイエットを成功させるための運動を始めましょう。

心理学を使って準備する

運動を始める前の準備は、

①周りの人達から助けてもらう「ピグマリオン効果」
②使う道具に助けてもらう「コンコルド効果」

の心理学の効果を使います。

①周りの人達に公表する(ピグマリオン効果)

まず、期待される事で成果が出やすい「ピグマリオン効果」を利用するため、周りの人達に公表しましょう。

注意点は、否定される事で、達成できなくなる「ゴーレム効果」を回避するために、

あなたを否定しない、信用できる人だけに公表しましょう。

公表する内容は、

・始める日時(〇月〇日から始めます!)
・運動の内容(種目・実行する時間など、できるだけ具体的に)
・目標(目標体重、運動する期間など)

を最低限、公表します。

②運動で使う道具を揃える(コンコルド効果)

更に、もったいない・損をしたくないという心理効果の

「コンコルド効果」

を使います。

具体的には、運動で使う道具を新しく買って揃えます。

ジョギングをしようと思っているのなら、ジョギングシューズ。

テニスをしようと思っているのなら、ウェア・ラケット・シューズですね。

この道具は、ケチらず少しでも高額な道具を購入して下さい。

高い物を購入すると

「せっかく高いものを買ったんだから…」

「使わなくなったら、もったいない」

というコンコルド効果が働きますので、
ちょっとぐらい面倒くさくなっても運動を続けるモチベーションになります。

続けられる運動を始める

続けられる運動は、筋肉の分解を進めない中強度の有酸素運動です。

中強度の有酸素運動

有酸素運動は、

・ウォーキング
・ジョギング
・ランニング
・サイクリング
・水泳
・なわとび

などが代表的ですが、

息を止めるようなキツイ運動ではなく、しっかり呼吸ができて、ゆったりとでも長い時間続けられる運動であれば何でも良いです。

中強度の運動とは、一般的に

(目標心拍数=(予測最大心拍数-安静時心拍数)×運動強度+安静時心拍数)

という「カルボーネン法」を使えと、解説されている事が多いですが、

カルボーネン法は、安静時と運動時の脈拍を取らなければならず、

それを基に計算するため、一般の方には少し敷居が高いです。

そこで、個人差や日々の体調に合わせられる「Borgスケール」という指標を使って運動強度を決めます。

Borgスケール
指数 主観的な感想
6  
7 非常に楽である
8  
9 かなり楽である
10  
11 楽である
12  
13 ややきつい
14  
15 きつい
16  
17 かなりきつい
18  
19 非常にきつい
20  
※指数×10が脈拍のおおよその目安

このBorgスケールで、中強度の運動は、11~13ぐらいで、

わかりやすい目安としては、

「息は弾んでいるけど、話は何とかできる」

程度の運動です。

運動を習慣化する事が目的ですので、最初は5分でも10分でも構いません。

とにかく、高いお金を出して買ったウェアやシューズを身に付けて、
ちょっとでもいいので運動をして下さい。

そうやって、カッコだけでも3か月は続けて下さい。

3か月間、真面目に続ければ運動習慣は必ず身に付きます。

3か月以上経って、運動習慣として身に付いたら、徐々に運動の時間を増やして下さい。

最終的に、中強度の運動を、少なくとも週5日、1回1時間以上は実行して下さい。

これが続けられれば、ダイエット効果は確実に出ます。

ダイエットで運動したいけど続かない?運動を続けるポイントは、たった2つだけ? まとめ

まとめ

1 運動が続かないのは?
人類は、「痩せたい」と思いながらも、「ダラダラ怠ける」ことが好きで、運動して努力する事が嫌いなように、身体が作られている。

2 人類は運動が嫌いなように作られている?
無駄にたんぱく質を消費したくないという身体(脳)の作りと、こっそり行うダイエットでは「他人から期待されたら、結果が出しやすくなる」というピグマリオン効果が発揮しにくい。

3 運動を続けるにはどうすればいい?
運動としてゆったりした有酸素運動を選べば、たんぱく質の分解を止めようとする身体(脳)の仕組みを回避できる。
ピグマリオン効果への対策は、ダイエットしている事を他人に公表する事。

4 ダイエットを成功させる運動を始めましょう!

心理学で準備する
運動を始める前の準備は、周りの人達に公表する(ピグマリオン効果)と、運動で使う道具を揃える(コンコルド効果)の心理学を使う。

続けられる運動を始める
「息は弾んでいるけど、話は何とかできる」運動を、高いお金を出して買ったウェアやシューズを身に付けて、3ヵ月は続ける。

ダイエットでも、筋トレでも、リハビリでも、努力を続けないと絶対に結果は出ませんが、

逆に、正しい努力を続ければ、絶対に結果が付いてきます。

「努力はウソをつかない」

というやつですね!

ダイエットでも、筋トレでも、リハビリでも、努力は自分との闘いです。

「楽しもう」とか「楽に結果を出したい」などと思わない事です。

100円のパンを手に入れたければ

100円という対価を支払わなければいけないように、

「痩せてキレイな自分になる」
「筋肉つけてカッコよくなる」
「リハビリで元気になる」

というものを手に入れたかったら、

それに見合った「努力」という対価を支払わなければいけません。

ただし、効率よく効果的に手に入れられる方法は、たくさんあります。

専門である運動学・解剖学・生理学などの医学や、心理学・物理学など様々な知識を利用して、

経験の中で練り上げ、現場で使ってきた、効果的な方法をこれからもどんどん記事にしていきます!

努力という対価を、運動法や心理学で効率よく実践して、

理想の自分を是非手に入れて下さい♪