ストレスは自分で作っている?網様体賦活系の機能を理解してストレスから脱出する!

生活環境が変わる季節になると、新しい人間関係などで大きなストレスを受けます。

ストレスの元になっている相手には、もちろん大きな責任がありますが、

脳の機能として、自分でストレスを作っている部分もあるのです。

自分でストレスを作る「網様体賦活系」とはいったい何でしょう?

網様体賦活系を理解すれば、ストレスから脱出できるのでしょうか?

ストレスとは?

ストレスとは、一般的には他人から受ける圧力や、仕事などのプレッシャーの事を指します。

職場や家庭での不安・緊張・恐怖・怒りなど心理的・社会的なものなどの事です。

アドラー心理学では、「人間関係」こそが社会生活として、唯一の苦しみだと語られています。

確かに、私が仕事でお世話になっている患者さん達は、加齢や重い病気で苦しんでいらっしゃいますし、そのために貧困を強いられている方も多いのですが、

不思議とネガティブな事を言われる方は少なく、加齢や病気に立ち向かう前向きな気持ちでいたり、障害をしっかり受け入れて静かな気持ちで過ごしていらっしゃる方が多いです。

もちろん、人間関係だけではなく、病気や貧困で大きなストレスを感じている方もいらっしゃいます。

ストレスは自分で作っている?

同じ現象が起こっても、ストレスを感じる人と感じない人が居る事は、誰でもが思っている事だと思います。

ストレスを感じている人と感じていない人の差は、

「心が強いからストレスに耐え切れるんでしょ?自分は弱いから・・・」
「神経が鈍いからストレスを感じないんじゃない?自分は繊細だから・・・」


だと、思っているかもしれません。

「守護霊が・・・」とか「カルマが・・・」というようなスピリチュアル的な話や、

「叱ってもらえる事に感謝する・・・」とか「強い気持ちを作る・・・」という、自己啓発的な話ではなく、


人間が元々持っている脳の機能として、個人々でストレスを受ける「差」を作り出しているのです。

ストレスを作り出している脳の機能が

「網様体賦活系」

なんです。

網様体賦活系(もうようたいふかつけい)とは?


出展:anatomic-study.tumblr.com

網様体賦活系は、「網様体」を「賦活」させる脳の仕組みの事です。

網様体(もうようたい)

網様体とは、脳の中で生命活動をコントロールしている脳幹(のうかん)という部分をつないでいる神経線維です。

生命活動とは、呼吸や循環(心拍数・血圧)の事で、網様体の働きは人間の命に直結してるという事です。

賦活(ふかつ)

賦活とは、
「物質の機能を活発化」することで、ここでは脳の働きを活性化する事として使われています。

網様体賦活系とは、人間の生命活動をコントロールしている脳幹の機能を網様体というネットワークで活性化する脳の仕組みの事です。

網様体賦活系は、生命活動をコントロールする中で、危険な物や危ない出来事から身を守るために、

物や出来事に注意を向け、ピックアップする機能にも関わっています。

例えば、

「赤い服」を着た人から怖い思いをさせられた。
とします。

今まで「赤い服」なんて気にも留めなかったのに、怖い思いをしてからは、

「赤い服」を着た人にどうしても目が行ってしまう・・・

というような経験をした事はないですか?

これは、

怖い思いをした時の「赤い服」が記憶に残っていて、
怖い思いを避けるため、無意識に「赤い服」に注意がいってしまう。

というのが、網様体賦活系の働きが起こす現象で、この働きがストレスに結び付いてしまうのです。

違う例を挙げますと、

例えば、

いつも「嫌な事」ばかり言う友人と一緒に居る

と、します。

「嫌な事」はストレスとして、生命活動に悪影響を及ぼす可能性がありますので、網様体賦活系が働きます。

その友人が話す時に、

「こいつの話はいつも嫌な話題だよな・・・」

と、思いながら聞いていると、網様体賦活系が生命活動を守るために「嫌な話題」に注意を向けます。

すると、網様体賦活系は、

その友人の話の中から、あなたが「嫌だ」と思う部分

を情報として注目し、ピックアップしていきます。

その友人の話は、9割が「嫌な話」では無かったとしても、網様体賦活系が「嫌な話」だけをピックアップするので、話が終わった後には「嫌な話」しか記憶に残らず、

結局は、

「やっぱりあいつは嫌な話ばかりする奴だ」

という認識のままで終わり、

この友人と話をする度に網様体賦活系が働き、「嫌な話」としてストレスを受け続けます。

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網様体賦活系を働かせないようにする?

ここまでで、網様体賦活系の働きはご理解いただけたかと思います。

人間の脳は、無駄な記憶を残したく無いので、重要な記憶しか残さない特性がありますが、

脳にとって最も重要な記憶とは、「生命活動に支障をきたす」記憶なのです。

その「生命活動に支障をきたす」記憶に合致する出来事にピックアップするのが、

網様体賦活系の働きで、その働きが起こるたびにストレスを感じるわけです。

ストレスから脱出するためには、網様体賦活系の物や出来事を「ピックアップ」するという特性を働かせないようにすれば良いのです。

上記で挙げた例で網様体賦活系を働かせないようにするには、

意識的に「嫌な事」を思い浮かべないようにして、網様体賦活系との関連を絶ってあげれば良いという事です。

上記の例でいくと、

いつも嫌な事ばかり言う友人と一緒に居る

と、します。

嫌な事はストレスとして、生命活動に悪影響を及ぼす可能性がありますので、網様体賦活系が働きます。

その友人が話す時に、

「こいつの話いは、あまり意味が無いから聞かないようにしよう・・・」

と、意識的に考え、話を聞かないように努めれば、網様体賦活系は「嫌な話題」に注意を向けなくなります。

すると、

その友人の話の中から、あなたが「嫌だ」と思う部分

を情報として注目しなくなるので、

その友人の話の中で、嫌な話が出てきていたとしても、注目していないので記憶に残らず

「あいつは何の話をしたんだっけ?」

という認識で終わり、次にその友人が話し始めても、網様体賦活系は働かず、「嫌な話」としてストレスを受ける事は無くなります。

要は、嫌な事に注目するからこそストレスを感じるわけですから、意識して注目しないように勤めれば良いのです。

網様体賦活系を働かせないようにして、ストレスから脱出する!

強いストレスを感じている方は、ストレスに過敏になり過ぎて、常に「ストレスの基」を意識している傾向があります。

これは、何かを思い出す時も同じで、「嫌な事」を意識していると、

「嫌な事」に関連した出来事(匂い・音楽・風景などもある)に遭遇すると、

網様体賦活系が嫌な記憶を掘り出してきて、思い出させてしまうのです。

数年前に放送されたテレビ番組でこんな出来事がありました。

アニメ映画の主題歌で有名なある歌手が、テレビ番組で故郷に帰りました。

この歌手は、生まれつき身体に障害があり、幼少期にイジメられた記憶が強く、故郷に向かう車の中でも

「あっ!ここでイジメられた」
「私をイジメた人の顔は一生忘れない」


と、イジメられた辛い思い出ばかり語っていました。

車が母校に着くと、さらにイジメられた記憶が蘇り、校舎の裏にある大きな木の下で、

「ここの木の下で枯葉に埋められて”死体の役”をさせられた・・・」


と涙ながらに語っていました。

そこに、同級生が登場したのですが、その同級生こそが”死体の役”をさせた張本人だったのです。

その歌手は、勇気を絞って

「あなたよね?!ここの枯葉に私を埋めて死体の役をさせたのは!」

と、同級生にくってかかると、

その同級生から出たのは、

「そうよ!あなたが”死体ごっこ”をしよう!って言いだして、自分も埋まるからって、嫌がる私達まで枯葉に埋めたじゃない!」

という言葉でした。

更に、車の中で”一番イジメられた”と語っていた相手は、その歌手の一番の親友として登場し、

話をしている間に、その歌手はいろいろと思い出して、

最後には、

「ケンカもしたけど、私を一番理解してくれてたのはアンタだった」


と抱き合って泣いていました。

結局は、その歌手は「イジメられた嫌な記憶」のある故郷に帰るという時点で、

「イジメられた」という過去に過敏になり意識し過ぎたために、

「良い記憶」でさえも「悪い記憶」として思い出していただけでした。

このように、記憶はその時の意識の仕方で大きく変化してしまうのです。

ストレスから脱出するために、「嫌な出来事を良い出来事に変える」
マイナスをプラスに変えるポジティブシンキングは、不可能とも言えるほどかなり難しいですが、

「嫌な出来事」を無視して意識しないようする、マイナスをゼロにするは、トレーニング次第で出来るようになります。

ストレスは自分で作っている?網様体賦活系の機能を理解してストレスから脱出する! まとめ

まとめ

1 ストレスとは?
ストレスとは、一般的には他人から受ける圧力や、仕事などのプレッシャーの事を指します。
職場や家庭での不安・緊張・恐怖・怒りなど心理的・社会的なものなどの事です。

2 ストレスは自分で作っている?
人間が元々持っている脳の機能として、個人々でストレスを受ける「差」を作り出している脳の機能が「網様体賦活系」なんです。

3 網様体賦活系(もうようたいふかつけい)とは?
網様体賦活系は、「網様体」を「賦活」させる脳の仕組みの事で、人間の生命活動をコントロールしている脳幹の機能を網様体というネットワークで活性化する脳の仕組みの事です。

4 網様体賦活系を働かせないようにする?
ストレスから脱出するためには、網様体賦活系の物や出来事を「ピックアップ」するという特性を働かせないようにすれば良いのです。
意識的に「嫌な事」を思い浮かべないようにして、網様体賦活系との関連を絶ってあげれば良いという事です。

5 網様体賦活系を働かせないようにして、ストレスから脱出する!
「嫌な事」を意識していると、「嫌な事」に関連した出来事(匂い・音楽・風景などもある)に遭遇すると、網様体賦活系が嫌な記憶を掘り出してきて、思い出させてしまうのです。
「嫌な出来事」を無視して意識しないようする、マイナスをゼロにする事は、訓練次第で出来るようになります。

人間としての脳が作られ始めた原始人にとって、

「猛獣が襲ってくるかもしれない」

という環境で受けるストレスは、命を守るために大事なものでした。

しかし、ストレスが命に直結していない現代では、命を守ろうとする脳の働きは、「大きなお世話」的な働きをする事が多々あります。

そんな脳に振り回されないように、「意識」で「無意識」をコントロールする事が非常に大事になっています。

私も、90歳の患者さんから教えてもらった

「他人は変えられないけど、自分は変えられる」

という言葉を大事にしながら、日々ストレスと戦っています!