苦しい時に助けられた高齢者の名言!私の人生を変えた高齢者からの言葉を紹介します!

私は仕事がら、高齢者の方とゆっくりお話しする機会がたくさんあります。

本当はいけない事なのですが、自分が悩んでいる時、つい苦しい思いをこぼしてしまう事があります。

そんな時、長い人生を歩んでこられた高齢者だからこその、重みのある言葉をかけて下さいます。

それは、優しい慰めの言葉であったり、弱い心にムチを入れて下さる厳しい言葉であったりしましたが、

それらの言葉で救われながら、ここまで来れました。

そんな、高齢者からかけていただいた珠玉の言葉を、今回は2つだけご紹介したいと思います。

高齢者の方々がかけて下さった珠玉の言葉

私が助けられた、たくさんの高齢者の方々の言葉から思い出深いものを2つだけご紹介します。

 

「他人がしてくれる事で損する事はあっても、自分がする事で損する事は無いんだよ」

これは、私がまだ理学療法士としてまだまだ新米の頃の話で、介護老人保健施設に勤め始めた時の事です。

私が勤め始めた介護老人保健施設では、入所者へのサービスとして毎月イベントが開催されていました。

その中の新年会のイベントで、

「リハ室スタッフで何か出し物をしなさい」

と、事務長から私個人に直接依頼されました。

しかし、もともと気が弱い上に新人であった私は、

「一緒に出演して欲しい」

と、他のリハスタッフに言い出せず、引き受けた責任を果たすため、ひとりで出演しようと決心しました。

そこから落語を自作し、

毎日仕事が終わった後には自家用車の中で数時間の練習、

出囃子の音源も準備し、

着物も購入して、

3ヵ月かけてみっちり準備し、新年会当日を迎えました。

元々、病的なほど人前に立つのが苦手だった私は、ガチガチに緊張し、

「どうにか逃げ出せないか」

と、逃げる口実だけを考えているようなギリギリ状態でした。

そして自分の出番になって幕が上がり、

100人以上の利用者さん達と、そのご家族の注目を一斉に浴びたとたん頭が真っ白になり、

ヘビに睨まれたカエルのごとく、練習の成果の1割も出せず、ボロボロのまま出番が終わってしまいました。

ボロボロで舞台を降りた私に、「しっかりしろよ!」という事務長の罵声、

「何やってんですか(笑)」という若いスタッフからの嘲笑が浴びせられ、

「もうこんな仕事辞めてしまおう」

と、立ち上がれないほど落ち込み座り込んでいました。

そんな中、当時93歳の女性の利用者さんが、痛い足を引きずりながら近づいてこられ、

「他人がしてくれる事で損する事はあっても、自分でする事で損する事は無いんだよ。よくがんばってくれたね。ありがとう。」

と、ひとこと声をかけて去っていかれました。

この言葉は、

「失敗したっていいじゃない!この失敗が自分をまた成長させてくれるんだよ!私達を楽しませてくれようとがんばってくれたのは、ちゃんとみんなに伝わったよ。ありがとう。」

という意味だと解釈しました。

その言葉で、心の底から癒され、涙が止まらなくなり、また立ち上がる元気を出す事ができました。

それからは、自分の成長のためだと奮い立ち、

イベントがあるごとに自分から出演を申し出て、何度もステージに立ち、イベント部の部長も務めるまで成長できました。

数年後、施設を退職する際には事務長から「お前が居なくなったらイベントはどうなるんだ!」と言われるほどになりました。

もしあの時、あの利用者さんからの言葉が無かったら、私は自分の苦手な事から逃げたまま退職し、人前で話す事ができないまま今に至っていたと思います。

今では、学会発表などで数百人の前でも堂々と話せるようになり、人前で話す機会がある度に、あの利用者さんのおかげだと心から感謝しています。

「今で良い」んじゃなくて「今が良い」だよ!

これは、寝たきりの88歳の男性の方からいただいたお言葉です。

この方とはお付き合いも長く、私が新卒ではなく、社会人になってから理学療法士に転向した事をご存知でした。

社会人から理学療法士になると、先輩や上司が年下になり、上下関係がややこしくなってしまうなど、

いろいろ辛い思いをしている事をつい愚痴ってしまった時でした。

私が「人生いろいろありますけど、結局”今で良い”んですよね」なんて、若造がわかったような事を語った時、

「自分の人生を妥協してるのか?”今で良い”んじゃなくて、”今が良い”んだよ!」

「自分が自分の責任で人生を積み重ねてきて、”今がベスト”だと言わないと、奥さんや親や患者にも申し訳ないと思わないか?」

「妥協して理学療法士をやっているような人間にリハビリを受けたくないね」

と、厳しい言葉を頂きました。

元々、後悔ばかりしながら生きていたネガティブ人間の私は、

「あの時〇〇してれば・・・」
「人生間違った・・・」
「自分はダメな人間だ・・・」

なんていうネガティブな考えに陥りがちでしたが、

この言葉を聞いた時から、必ずこの”今が良い”という言葉を思い出し、

「いやいや、自分がやってきた事が間違っていたとしても、それはそれで、その時々にした自分の選択が”ベスト”だったんだ!」

とポジティブ思考ができるようになりました。

さらに、たいした能力も無いくせに

「今の自分は本当の自分じゃない」

と、心のどこかで持っていた”おごり”を自覚する事ができ、

謙虚な気持ちで人生と向き合う事ができるようになりました。

高齢者の方のお言葉は、人生という苦しい戦いを生き抜いてこられただけあって、

本当にすごい重みがあります。

今回はとりあえず2つだけご紹介しましたが、

これ以外にも、学ばせていただいた出来事は数えきれないほどあります。

そんな出来事を、また機会があればご紹介したいと思います。