50歳代の介護 妻を介護しなければいけなくなったら?夫の目線で考える!

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小室哲哉氏の不倫報道の中で、奥様KEIKOさんの介護問題が取り上げられています。

若年性の脳卒中や難病で、介護が必要になる若い世代も多く、他人事では無い問題です。

私共も50歳代で介護されている方々に関わる事が多くあり、高齢者の介護とは違った問題がたくさんあります。

今回は、夫が妻の介護をする時に絞って問題点を取り上げます。

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介護に携わっている人の現状

博報堂が行った調査によると、

64歳以下で介護に携わっている年代は50代が最も多く
男女比としては、女性の割合が高いという結果が出ています。

出展:博報堂

また、介護に負担を感じる部分としては、精神的な負担が最も多いという結果が出ています。

出展:博報堂

この調査は両親などの親族も含めた介護の状況ですので、
配偶者の介護としてのデータは読み取れませんが、

実際の現場では、50歳代で配偶者の介護に携わっている方は珍しくなく、
このデータの中にも配偶者の介護に携わっている方も少なからず含まれていると思います。

50歳代で家族の介護に携わっているのは女性が多いのですが、
配偶者を介護する場合、妻が夫を介護するよりも、夫が妻を介護する時の方が問題が多くなる傾向があります。

夫が妻を介護する時の問題とは?

では、50代で夫が妻を介護する場合の問題点を挙げます。

仕事への影響

50歳代だと家のローンや子供の教育費など、まだまだ多くの出費があり、
介護をするからと言って仕事を辞める訳にはいかないと思います。

介護休暇を実施している企業も多くなりましたが、
実際に介護休暇を取れるかと言うと、

大事な仕事を抱えていて外れられない…
同僚に負担をかけたくない…
出世に影響する…


などの理由で介護休暇なんか取れないというのが現実でしょう。

下手をするとクビになる可能性すらありますから、
上司に相談するのを躊躇する方も少なくないと思います。

小室哲哉氏もインタビューの中で、

仕事として落ち目になっている中、詐欺罪で有罪となり、
その時、助けてくれたエイベックスの社長と副社長への恩返しと謝金返済、
そして、もう一度、第一線に返り咲きたいという気持ちで
追い込まれるように仕事をしている中で

妻の介護との両立は本当に辛かったと語っていました。

子供の世話

50代なら子供も大きく、幼子の育児をするような事は無いでしょうが、

中学生ぐらいでも、毎日の弁当や食事の準備などの家事をこなす必要があります。

妻と家事を分担していたような優しい夫なら、過剰な負担は無いでしょうが、
仕事人間で、家事は一切せず、家庭を顧みなかったような生活を送ってきた方が、
突然、家事をしなければならなくなったら、パニックに陥ると思います。

私が担当していたケースでは、
高校生の息子さんが介護にも家事にも積極的に協力してくれて、

「本当に助かっています」
と、お父さんはいつも喜んでいらっしゃいましたが、

受験の時期となり、さすがに介護や家事の負担を負わせる訳にもいかず、
それからが大変だった…

という事がありました。

介護の費用

介護費用の負担は、介護保険を受ければかなり軽減できるのですが、
64歳以下で介護保険を受けるには、特定疾病という枠に入る病気でなければいけません。


医療保険としての補助や自治体の助成金もありますが、

介護全般に渡ってカバーしてくれる訳ではありませんので、

夫が介護をしなければ、10万単位の出費を覚悟しなければなりません。

愛情の変化

若い世代で妻を介護している方がよくおっしゃるのが、
「もう女としては見れないね」
という言葉です。

これは、小室哲哉氏も記者会見で同じ事を言っていましたが、
違う愛の形として、一緒に生きてきた妻というより、

全面的に守ってあげなければいけない存在として、
自分の子供や親に向ける愛情のような感情になるそうです。

自宅での介護に行き詰っても、
「最後まで一緒に居てあげたい」という想いや、
「他人に委ねたくない」という気持ちが大きく、
施設へ預ける決断ができない方が多いです。

妻の尊厳

高齢者でも、入浴やオムツを替える介助を異性から受けるのを嫌がられます。

特に女性の方は、男性職員に介助を受ける事を拒否される方まで居らっしゃいます。

50代でまだ若い妻が、他人から入浴介助で裸を見られたり、オムツ替えで排泄物を処理される事を喜ぶはずはなく

妻の気持ちを考えたら、たとえ在宅介護でも他人が入る事を躊躇されたり、
施設へ預けなければならない状況になっても、

「嫌な事をされたらかわいそう」

という気持ちで、施設サービスを使いたくないとおっしゃいます。

自分の感情

頼りにしていた存在が頼りにできなくなって、精神的な支えを無くしてしまうようです。

これは、小室哲哉氏がインタビューでKEIKOさんの事を、
「他人を信じられず孤独な中、唯一自分を理解してくれた存在」
だと語っていましたが、

会社などの社会生活の中で抱えているストレスを癒してくれたり、
勇気が出ない時に後ろから押してくれる頼れる存在は、
妻だけだという方も
たくさんいらっしゃると思います。

ただ、マイナスの感情として、
「必死でやっているからこそ、ちょっとした言動に腹が立つ」
「病気がさせていると頭では理解していても、怒りの感情が抑えられない」
などという

“他人なら許せても、妻だからこそ許せない”

という感情で苦しむ方も多いようです。

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限界を感じたら…

まず、考え方として
「自分が嫌だから…」
という思考を切り替える事です。

「自分が辛いかよりも、本人が辛くないか?心地よくなるのか?」
を考えてあげて下さい。

介護される側は、愛する家族に迷惑をかける事が一番辛い事なんです。

家族が自分の事を想ってしてくれる事でも、無理をしている姿が見えたら本当に辛いそうです。

介護する側も、介護される側も、無理をするから問題が生じます。

まずは、お住まいの地域の役所や地域包括支援センター・保健所などに行って相談してみて下さい。

金銭的な問題も助成金や補助金を使えるだけ使い、

介護もプロに任せられるだけ任せて、

デイサービスやショートステイなどを利用して

少しでも、負担を軽くして下さい。

そして、負担が軽くなった分、仕事に力を入れて、
たまには介護を離れて息抜きをする事が重要です。

50歳代の介護 妻を介護しなければいけなくなったら? まとめ

まとめ

1 介護に携わっている人の現状
64歳以下で介護に携わっている年代は50代が最も多く、男女比としては、女性の割合が高いという結果が出ている。
介護に負担を感じる部分としては、精神的な負担が最も多い。

2 夫が妻を介護する時の問題とは?

・仕事への影響
介護休暇なんか取れないというのが現実。

・子供の世話
突然、家事をしなければならなくなったら、パニックに陥る。

・介護の費用
夫が介護をしなければ、10万単位の出費を覚悟。

・愛情の変化
自分の子供や親に向ける愛情のような感情になる。

・妻の尊厳
妻が、他人から入浴介助で裸を見られたり、オムツ替えで排泄物を処理される事を喜ぶはずはない。

・自分の感情
頼りにしていた存在が頼りにできなくなって、精神的な支えを無くしてしまう。

3 限界を感じたら…
「自分が辛いかよりも、本人が辛くないか?心地よくなるのか?」を考えて。

たまには介護を離れて息抜きをする事が重要。

仕事柄、

「自分が介護を受けなければいけなくなったら…」

というのはよく考えますが、

「妻の介護をしなければいけなくなったら…」

という事を考えるのは少ないです。

私こそ、家の事は妻に任せっぱなしで

頼れる存在を失い、どう生きていけば良いかすら分からないような状態になりそうです(泣)

介護に疲れたら、必ず誰かに相談して下さい。

ひとりで考えたら、感情に押しつぶされるだけです。

ニュースで流れる介護に関わる事件は、

「かわいそう…」という愛のプラス感情も、
「こんな奴…」という憎悪のマイナス感情も、

“介護疲れ”

というスイッチが入った時に事件が起こるのではないかと思います。

過度なプラス感情や、マイナス感情に繋がる事は、他人に任せて、

愛情だけを注いであげて下さい。

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