重度障害者が自宅で接客できるカフェ?AVATAR(分身ロボット)カフェDAWNって知っていますか?

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身体に障害のある肢体不自由障害者は、全国で約275万人にのぼり、

肢体不自由障害者の方々の中でも、難病や大ケガで動けなくなり寝たきりになっている重度障害者の方々は多数いらっしゃいます。

そんな重度障害者が、自宅でベッドに寝たまま接客して働ける、AVATAR(分身ロボット)カフェDAWNが、12日間限定ではありますが東京赤坂でオープンしました。

今回は、障害者就労の目玉である、このAVATAR(分身ロボット)カフェDAWNをご紹介致し、

この技術が今後どんな分野に広げられるかを考えてみます。

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AVATAR(分身ロボット)カフェDAWNとは?

まずは、この動画をご覧ください。

タップ(クリック)で動画が再生されます。

このAVATAR(分身ロボット)カフェDAWNは、

分身ロボットの生みの親である吉藤オリィ氏が代表取締役及び所長を務めるオリィ研究所が中心となって開発し、

出展:note

日本財団とANAホールディングスが連携して支援している、ロボットが働くカフェです。

出展: ロボスタ

今回は12日間の試験運用ですが、東京五輪・パラリンピックが開催される2020年を目標に、

東京都内で分身ロボットカフェの常設店開設を目指しているそうです。

タップ(クリック)で動画が再生されます。

ここで働く分身ロボット「オリヒメ」(OriHime-D))は、AIなどのコンピューターが操作を行うのではなく、

インターネット回線を使った遠隔操作で、人間が操作しています。

人間が操作しているので、AIではまだ解決されていない、

微妙な表情から気持ちを察したり…
命令されていない事に気を利かせたり…
曖昧な命令や質問の答えを推測したり…

といった、人間同士のコミュニケーションとして大事な部分を解決できるという大きな強みがあります。

この強みは、AIがどれだけ人間に近付けるか?という議論の中、

「その手があったか!」

という、『灯台下暗し』的な発想が画期的な部分です。

また、この分身ロボットを操作している人達が、病気やケガで動けない『重度身体障害者』で、

今まで頭脳労働しかできなかった重度身体障害者が、ロボットを介して肉体労働で働けるという、

重度障害者の社会参加を促しつつ、 人手不足に陥っている業界へ人的資源として活かす事ができるのも非常に画期的です。

さらに、このロボットはインターネット回線を使って距離に関係なく操作ができるので、

全国どこからでもリアルタイムでロボットを動かし、外出困難な重度障害者でも自宅からロボットを操作する事ができます。

操作の方法も、パソコンのキーボードやタブレットを使っての操作もできますが、

出展:Twitter

頚椎損傷・ALS(筋萎縮性側索硬化症)・SMA(脊髄性筋萎縮症)などのように全く体が動かない患者さんでも、

視線を動かして目だけで操作できる「OriHime-eye」というソフトウェアで、分身ロボットを動かす事ができます。

出展: ダブル技研

そして、『分身ロボット』というだけあって、

ロボットに内蔵されたカメラを使って、ロボットの目線でリアルタイムに動画がモニター上に映し出され、マイクやスピーカーで相手と会話もできるので、

目の前で応対している感覚に陥るようなコミュニケーションが可能となっており、

出展:Twitter

病気やケガで動けなくなり寝たきりになって、ベッドから離れられない方達が、

就労という意味だけではなく、人生として社会復帰できるチャンスを与えてくれるものなのです。

今回のAVATAR(分身ロボット)カフェDAWNの 試験オープンでは、パイロット(ロボット「OriHime-D」を操作する人)として、

ALSやSMAや頸椎損傷など、10代が10名・20〜40代 が5名の障害者が雇用されて時給1,000円が支給され、

実際に遠隔操作している地域も、東京・埼玉・愛知・岐阜・三重・島根と多岐に渡っていました。

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AVATAR(分身ロボット)活躍の可能性は広い!

今回のカフェの試験オープンでは、この分身ロボット「OriHime-D」 が移動・接客・運搬・配膳の作業をこなしていましたが、

これらの作業は、まだまだ基本的な機能でしかなく、これからの開発でもっといろんな作業を行う事が可能だそうです。

もっといろんな作業ができるようになるのなら、今回のカフェに限らず様々な業種の接客業はもちろん、

営業職や学校の先生など、コミュニケーションを必要とする職種でも応用が可能です。

また、建設業などの力仕事ではロボットのパワーを利用して、生身の人間よりも効率的に働く事ができるでしょうし、

自動運転のテクノロジーも合わせれば、運送業などにも就ける可能性も出てきます。

専門職の資格を持っていたり、特定の職種のスキルや知識や経験を持っていながら、

病気やケガで働く事を諦めていた方が、分身ロボットを介して職場復帰できるようになる事はもちろん、

生まれつき身体の障害を持っていて、肉体労働を諦めていた障害者の方々にとっても、広く大きな可能性を持たせてくれるものです。

まとめ

私が普段関わらせてもらっている障害者の方々も、知的障害や身体障害で出来る事が限られ、

「仕事に就きたくても、出来る仕事が無い…」

という方がたくさんいらしゃいます。

しかし、ITの進歩は、着実に頭脳や身体の能力差を無くしてくれています。

それは、知的障害や身体障害を持ち、社会参加が難しかった方々の壁を取り去ってくれるもので、

今まで『弱者』の立場を強いられてきた障害者の方々にとって、立場を逆転できるチャンスが現実に来るという事です。

それも遠い未来の夢物語ではなく、数年後の近い将来現実として確実に起こる事です。

私達も、障害者の方々がその日に備えられるよう、これからも最大のサポートをしていきます!

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