老人ホーム選びのポイントはこの4つ!老人ホームの裏事情も暴露します!

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私は、介護・福祉コンサルタントの仕事として、老人ホーム選びのご相談にも乗っています。

そこで今回は、ご病気やケガで介護が必要になり、やむを得ず老人ホームに入所しなければいけなくなった場合の、
老人ホーム選びの4つのポイントと、老人ホームの裏事情も暴露したいと思います。

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老人ホーム選びのポイントはこの4つ!

ご病気やケガで介護が必要になり、老人ホームに入所しよう(してもらおう)と思った際に、施設を探さなければいけない訳ですが、

「いったい、どう選べばいいのか・・・」

と、皆さん悩まれます。

そこで、施設を探し始める前に、下記の4つのポイントをお教えし、老人ホームの選び方を整理していただいています。

希望する条件が全て叶う老人ホームは無い!

老人ホーム探しのご相談を受けると、ご本人やご家族から、

「費用が安くて・・・」
「キレイで・・・」
「サービスが充実していて・・・」
「環境が良くて・・・」

など、多くの希望が出てきます。

お気持ちは十分わかりますが、これらの希望する条件が全て叶う事は非常に稀です。

そこで、老人ホーム選びのポイントをお話して、希望される条件を明確にしていただきます。

ポイント① 費用

インターネットや情報誌などで老人ホームを探す際に大きく掲示されている金額は、
入居してからの月額の基本料金しか示されていない場合がほとんどです。

この月額料金は、家賃・光熱費・管理費などの基本的なものだけで、これ以外にも別途でいろいろな費用がかかります。

●食費

食費(おやつも含む)は基本料金には含まれず、別料金になります。

食費の計算は、一食ごとになりますので、外泊や外出などで召し上がらない場合には、
予め施設に届け出る事で召し上がらなかった分を引いてもらえます。

食費は、施設ごとに料金が違いますので、食事の内容と共に料金も確認しておく必要があります。

また、食事制限があったり、好き嫌いでメニューを変えてもらえる場合にも、別料金にならないかを確認しておいて下さい。

●入居一時金

まず有料老人ホームに入居する場合は、有料老人ホーム特有のシステムとして、”入居一時金”というものが必要になります。

この入居一時金というのは、いわゆる保証金のようなもので、敷金・礼金のように入居する時だけ支払うお金です。

入居一時金は、一般的な金額として50万円未満ほどですが、最低0円~最高3500万円と施設ごとで幅がありますので、
施設を選ぶ際には必ず調べておくようにして下さい。

ちなみに、施設が豪華だったり、他には無いサービスが売りの高級な老人ホームの入居一時金は高額な場合が多いのですが、
施設の豪華さや特別サービスが入居されるご本人に合うとは限りません。

高額 = 高級 = 満足

という方程式が必ずしも成り立つわけではありませんので、ご注意下さい。

●雑費

ほとんどの老人ホームでは、月額の入居費用とは別で雑費が必要になります。

雑費とは、オムツ・パット・ティッシュ・石鹸・歯磨き粉などの生活必需品の事で、月額料金とは別に支払わなければいけません。

これらの生活必需品を、ご家族が用意して施設に持ち込まなければいけないパターンもあれば、施設側がまとめて購入してくれるパターンもありますが、
いずれにせよ月額料金とは別にかかるお金になります。

この他にも、

・定期的な下着・洋服の購入
・レクリエーションの費用(材料費など)
・イベントがあった時にかかる費用
・病院などへの送迎
・外出の付き添い
・買い物代行
・ご本人のお小遣い(嗜好品など)
・携帯電話の料金
・理美容料
・洗濯代

なども別途で必要となりますので、計算に入れておいた方が良いですね。

最近では、オムツ交換の時に施設スタッフが使うゴム手袋も雑費として請求する施設も多くなりましたので、
施設を選ぶ際には確認しておくと良いでしょう。

●介護保険の自己負担金

老人ホームで介護・看護サービス、リハビリなどを受ける場合は介護保険を利用します。

介護保険を利用したら、利用者負担として1割または2割の自己負担金を支払わなければいけません。

この自己負担金も老人ホームの月額料金とは別料金になります。

地域や施設の形態などで介護サービス費の金額が変わりますので、この自己負担金も変わりますが、

例えば・・・東京都23区の一例としての自己負担金は、

・要介護1の方 - 1割負担で17,430円、2割負担で34,860円
・要介護2の方 - 1割負担で19,530円、2割負担で39,060円
・要介護3の方 - 1割負担で21,780円、2割負担で43,560円
・要介護4の方 - 1割負担で23,880円、2割負担で47,760円
・要介護5の方 - 1割負担で26,100円、2割負担で52,200円

となり、これらを別途支払わなければいけません。

さらに、介護保険のサービスでは足りない分は全額実費で払わなければなりませんし、
サポート料と称して上乗せの介護費用を請求してくる施設もあります。

これらの介護保険料は、有料老人ホームなどの施設にとって利益の柱となっていますので、
介護保険の利用限度額を全額使って介護サービスを入れる事が普通になっていますが、
老人ホームでの介護サービスの中で、必要の無いサービスだと思えるものがあれば、ケアマネジャーに相談して削る事ができます。

介護保険の利用料は結構な負担となりますので、遠慮せずケアマネジャーに相談しましょう。

ポイント② 環境

入居する老人ホームは、住み慣れた自宅を離れて、一生住み続ける事になるかもしれない場所ですので、環境は非常に重要な要素です。

●施設周辺(屋外)

街中で生活したいか?自然に囲まれた環境がで生活したいか?など入居される方の好みは様々です。

街中で生活したい方は、なぜ街中が良いのか?
自然に囲まれて生活したい方は、なぜ自然の中が良いのか?

をハッキリさせた上で選ぶ事が大切です。

街中で生活したいという希望を持っていらっしゃる方では「買い物に便利だから」という理由をおっしゃる方が多いのですが、
ご自宅で生活できなくなった方が入居されるような場合、施設側の安全対策として独りでは外出させてもらえない施設が多いですので、
「独りで外出したい」というようなご希望がある方は、施設に確認しておいた方が良いでしょう。

●施設内やお部屋(屋内)

にぎやかな環境が良いのか?
静かに暮らしたいか?

これも入居される方の好みによって、まちまちです。

にぎやかな環境が良い方は、ある程度お元気な入居者が多いところで、
日中はデイサービスがあったり、みんな集まってレクレーションをするような施設が良いでしょう。

お部屋でも話し相手が欲しい方は、2人~4人の大部屋があるような老人ホームでも良いかもしれません。

静かに暮らしたい方は、ある程度ほったらかしでも1人部屋の自分のお部屋で、静かに過ごせる施設が良いでしょう。

お部屋を選ばれる際には、広い部屋を望まれるパターンが多いのですが、
ご自宅で生活できなくなって施設に入居される方の場合では、ご自分でお部屋の中を広く使える事は少ないですし、
お部屋があまりに広いと、歩き回らなければならなくなり、転倒などでケガをされるリスクが高くなります。

余りにも狭い部屋はストレスの元ですが、ご本人のご病気の状態や生活パターン、ご性格などを考えた上で、
料金との兼ね合いをみながら選ばれる事をおすすめします。

ご自分でトイレに行ける方は、部屋にトイレがついているか?というのも大事ですし、
共用の洗面台は使いたくない・・・という方は、自室に洗面台があった方が良いですね。

お湯を沸かしたり、ちょっとした調理がしたい方は、お部屋にキッチンが付いている老人ホームもありますし、
皆で使うお風呂が苦手な方や、シャワーだけなら自分で入れるような方は、お部屋にお風呂やシャワーが付いている施設もあります。

認知症の方を受け入れている施設では、認知症の方が夜中に叫んだり壁を叩いたりされる事もありますので、
隣の部屋との防音はどうか?という事も確認した上で、静かなお部屋を選べるのか?というのも確認しておいた方が良いでしょう。

老人ホームの造りによっては、北向きのお部屋や南向きのお部屋に別れているところがありますので、

陽当たりは良いか?部屋は選べるのか?

というのも確認しておいた方が良いでしょう。

陽当たりはあまり気にならない方なら、北向きの部屋の方が料金が安くなる施設もありますので、予算に応じてお部屋を決めるのも大事です。

床材が固い素材と柔らかい素材では、転倒などの事故が起こった場合にケガの重さが変わってきますし、
歩くのに不安がある方なら、凸凹していたり滑りやすい床材を使っている施設は避けた方が無難です。

もし、煙草を吸われる方なら、喫煙室の有無も確認しておいた方が良いでしょう。

●ご家族の負担

施設に入居したら、気が向いた時に面会に行ってあげれば良いぐらいに思っていらっしゃるご家族も多いのですが、
ご家族は、意外と頻繁に施設に出向く必要があります。

介護保険を受けると、担当者会議などご家族が参加しなければいけない事が数ヶ月に一回はありますし、
施設によっては1ヶ月に一回は面会に来るように取り決められる所もあります。

また、定期受診や急に病気になった時はご家族が病院に連れて行かなければいけない取り決めの施設もありますし、
何かトラブルが起きれば呼び出されます。

さらに、ティッシュなどの生活必需品はご家族が購入して持って行かなければいけない施設も多いですし、
洗濯をしてくれない施設は、ご家族が洗濯物を持って帰ったり届けに来る必要があります。

入居した方は必ずと言っていいほど、寂しくてご家族の面会を楽しみにしていらっしゃいます。

口ではご家族に気を使って「そんなに頻繁に来なくて良いよ」なんて言われる方も多いのですが、
ご家族が面会に来られた後は、皆さんテンションが上がってニコニコしていらっしゃいます。

このように、ご家族は頻繁に施設に出向く必要がありますので、ご家族の自宅からの距離も出来るだけ近い方が負担が少なくて済むでしょうから、
施設までの所要時間、最寄り駅・バス停からの距離、駐車場の有無、なども大事になってきます。

急な病気やケガ、トラブルなどで急に施設から呼び出される事もありますので、職場から寄りやすいのも大事な要素です。

ポイント③ サービス内容

施設が提供するサービス内容として、

希望のサービスが受けられるか?
追加料金を出せばしてもらえるのか?

という事も確認しておきましょう。

例えば・・・

・入浴は週に何回か?足りなければ増やしてもらえるのか?
・リハビリはしてもらえるのか?
・リハビリは理学療法士などの専門職がしてくれるのか?
・食事の味付けや食材の好みに応じてくれるのか?
・病気で食事制限のある方や食材の形態(きざみ食など)には対応できるか?
・レクレーションなどはやっているのか?
・趣味を続けさせてもらえるか?
・外出はできるのか?
・イベントはどのくらいの頻度でやっているのか?
・買い物支援はあるのか?

などを必要に応じて確認しておくと良いでしょう。

ポイント④ 医療の体制

医療的な処置が必要なご病気やケガをお持ちの方の場合、看護師が常駐している施設の方が安心です。

普段は医療的な処置が必要の無い方でも、急に具合いが悪くなった時は医療的な処置が必要になりますので、

・看護師がいるのか?
・夜中も看護師がいるのか?
・対応できる医療処置はどこまでか?
・提携病院との連携あるのか?
・医者は往診に来てくれるのか?
・緊急時の対応はできるのか?

などを確認しておいた方が良いです。

もしも最後の時を迎える場合を考えると、

・緩和ケアはできるか?
・看取り対応はできるのか?

というのも大事な要素です。

施設によりますが、医療の体制が整っていない施設だと、病気が悪化して様態が悪くなった時は退去させられる事もありますので、
今は医療的な処置が必要なくても、必要になった時の事も考えておくと安心です。

優先順位を決める!

ここまで4つのポイントを挙げましたが、これらのポイントでご希望を明確にして優先順位を決めていただきます。

例えば・・・

・年金額が少なくて費用に不安がある
・ご家族の金銭的援助は期待できない

方などはポイント①の”費用”を優先して、

・少しでも良い環境で生活したい(させてあげたい)
・ご家族が通いやすい方が良い

方などはポイント②の”環境”を優先し、

・リハビリやレクレーションがしたい
・食事の好き嫌いが多い
・風呂が好きで毎日でも入りたい
・たまには外出したい
・お菓子など買い物を頼みたい

方などはポイント③の”サービス内容”を優先し、

・ご病気やケガで治療や管理が必要
・緊急時には医者にみてもらいたい
・急病の時にすぐには家族が来られない

ような方はポイント④の”医療の体制”を優先すると良いでしょう。

また、この4つを優先順に並べて、

・優先順位の高いものから順に合致する老人ホームを探す
・優先順位の低いものから順に消去法で諦める

というのが効率的な老人ホームの選び方です。

老人ホームの裏事情・・・

ここまでで、老人ホームを選ぶ時のポイントはご理解頂けたかと思います。
そこで、ここからは老人ホーム側の裏事情をお話したいと思います。
老人ホームも”会社”ですから、利益を上げなければいけませんし、貴重な介護・看護スタッフの確保も考えなければいけません。

そういった裏事情から老人ホーム側は、
少しでも利益を得たい・・・
手の掛かる方は入れたくない・・・
という事を考えています。
まず、老人ホームの利益の比重として、介護保険からの収入が大きく、介護度が高いほど利益も大きくなります。
利益として、要介護3以上の方じゃないとあまり儲かりませんので、要介護2以下の方はできれば受け入れたくない・・・というのが本音で、
入居待ちが多い老人ホームでは、要介護2以下の方は受け入れてくれないところもあります。
基本的な月額料金が安い老人ホームほど、介護保険からの収入に頼っていますので、
入居の予約をしていても、要介護1や2の介護度が低い方は順番を後に回すような老人ホームもあります。
要介護1や2の方ですら、そんな扱いを受ける事もあるのですから、
要支援でしか認定されていない方が入居できる老人ホームはかなり限られてきます。
あと、難病などの重い病気を抱えている方や、認知症で問題行動がある方、感染症を持っている方などは介護に手間がかかるので、
老人ホーム側も敬遠しますし、中には入居を拒否される事もあります。
糖尿病の方も食事に気を使わなくてはいけなかったり、インスリンを打ってあげなければいけなかったりするので敬遠される傾向にあります。
特に人工透析を受けている方は食事の管理に加えて水分摂取量の管理もしなければいけませんので、受け入れてくれない老人ホームもけっこうあります。
病院の受診はご家族が連れて行かなければいけない老人ホームもけっこうありますし、
生活必需品などもご家族が持って行かなければいけないところも多いですし、
施設内でトラブルがあればすぐに来てもらわないといけないなど、ご家族がしなければいけない事は結構ありますので、
ご家族の協力が得られないような場合は入居拒否される事も珍しくありません。
これらの問題を隠して入居できたとしても、入居後に発覚すれば退去させられる事もありますので、
入居後のトラブルを避けるためにも、これら老人ホーム側の裏事情も頭に置いて探される事が大事です。

まとめ

この記事を読んで下さっているという事は、老人ホームについての情報を集めていらっしゃるのだと思います。

ネットでも老人ホームの広告はたくさんありますが、老人ホームを選ぶための情報は意外と少なく、
初めて探す際には「何をどうすれば分からない・・・」という状態で、皆さん苦労されます。

そこで、今回ご紹介した

・費用
・環境
・サービス内容
・医療の体制

という4つのポイントを頭に置きながら優先順位を決めて、
トラブルを避けるためにも施設側の裏事情を理解していただきながら、
少しでもご希望に合う老人ホームを見付けて下さい。

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