肩こりや首こりが治らなくて
悩まされている方って多いですね。
特に寒い季節には尚更ひどくなって、
頭痛や吐き気を伴って動けないほど辛い・・・
という患者さんやそのご家族も多いです。
そんな時、治療はどこに行けばいいのか?
病院?針灸?あんま?整骨院?整体?
って、悩みませんか?
仕事柄、知人や患者さんのご家族によく相談されます。
どんな時に、どこへ行けば良いのかを解説します!
目次
肩こり・首こりが治らない・・・どこに行けばいい?
肩こりや首こりというと、
「筋肉のこわばりかな?」
と、考えるかと思います。
確かに、肩こり・首こりの原因のほとんどは
悪い姿勢を長時間とり続ける事によるものが大半ですが、
中には、病気の症状として肩こりや首こりが出る事もあるんです。
姿勢不良の場合は、
ストレッチやマッサージをしたり、暖める事で軽くなりますが、
何をしてもなかなか良くならない場合や、
異常に痛みが強かったり、しびれなどがある場合は、
何か他の原因がある事を疑っても良いと思います。
肩こりや首こり以外の症状を感じたら
まずは、病院を受診してみて下さい。
肩こり・首こりが出る病気とは?
肩こりや首こりが症状として出るのは
・頚椎症
・頚椎症性神経根症
・頸椎椎間板ヘルニア
・頸部脊柱管狭窄症
・頚椎すべり症
・肩関節周囲炎
・胸郭出口症候群
・肩腱板断裂
・顎関節症
・狭心症
・胆嚢結石症(胆石)
・気胸
これらの病気が挙げられます。
これらの病気がある場合は、
ストレッチやマッサージでは治りません。
下手にストレッチやマッサージをすると
痛みが悪化する可能性もあります。
狭心症・胆石・気胸などは悪化すると
命にも関わる怖い病気ですので、
軽視せず受診する事をおススメします。
病院は何科に行けばいいの?
「受診しろと言われたって、何科に行けばいいか分からないよ・・・」
って、なりますよね?
それでは、症状に合わせた診療科目をご説明します。
整形外科の病気
「ストレッチやマッサージをしても楽にならない・・・」
「肩や首を動かした時に強い痛みがある・・・」
「手や指にしびれがある・・・」
肩こりや首こり以外にもこれらの症状がある場合は
これらの病気が疑われます。
・頚椎症
・頚椎症性神経根症
・頸椎椎間板ヘルニア
・頸部脊柱管狭窄症
・頚椎すべり症
・肩関節周囲炎
・胸郭出口症候群
・肩腱板断裂
・顎関節症
これらを判断するポイントは
・“首・肩・腕を動かした時に”強い痛みがある
・手や指にしびれがある
というところです。
ただの筋肉のこわばりなら強い痛みやしびれは出ませんし、
神経症状であるしびれも出ません。
まずは、整形外科を受診してみて下さい。
整形外科以外の病気
・狭心症
・胆嚢結石症(胆石)
・気胸
が挙げられます。
これら病気に疑いがある場合に関しては、結論から先に言います。
まずは“複数の診療科があって、検査設備が整った大きな病院”
を受診して下さい。
クリニックや小さな病院では、専門分野がありますので、
いくら優秀なドクターでも、専門外の病気は見逃す可能性があります。
大きな病院で診察・検査してから担当ドクターの指示に従って下さい。
狭心症の場合
狭心症の症状としては、
運動をした時、急に寒いところに移動した時など、
心臓に負担がかかった時に、突然、胸・背中などが痛くなる。
というものが一般的です。
その他、
・呼吸が苦しい
・冷や汗や脂汗が出る
・吐き気がする
・胃が痛む
などの症状が出る事もあります。
肩こりや首こりは
心臓の痛みが肩や首に間接的に出ている状態です。
私がデイサービスでリハビリをしている時に
いつもはリハビリをしていない女性のお年寄りが来られて
「先生・・・さっきから左肩が痛いんだけど・・・どうすればいい?」
と言われたんです。
そこで血圧を測りながら、顔色や呼吸などもみていると、
「ん?軽くチアノーゼ(唇の色がなくなる事)もあるな・・・呼吸も少し上がっているし、脈拍も弱い・・・」
左肩の痛みも併せて狭心症が疑われたので
施設長のドクターと相談して、すぐに大きな病院へ行ってもらいました。
そうしたら、やはり心筋梗塞ギリギリの狭心症で
その日のうちに手術されました。
私が担当した心筋梗塞の患者さんの中には
「最初は小指が痛かった」
とおっしゃる方もいらっしゃいました。
上記の症状を感じた場合は、
狭心症が疑われますので注意して下さい。
狭心症の場合は、心筋梗塞とは違って
症状が一過性で、
運動を中断するなどして心臓の負担を減らして落ち着くと、
症状は改善します。
休めば落ち着くからといって安心しないで下さい。
狭心症は心筋梗塞の一歩手前の状態ですので、
必ず病院を受診して下さい。
胆嚢結石症(胆石)の場合
胆嚢結石症が原因の肩こりの特徴は
”右側の肩こり”
です。
右の肩だけが集中的にこる場合はこの胆石を疑ってみて下さい。
そのほか、
・右の肋骨の下あたり
・背中
・みぞおち
・へその上あたり
・右の肩甲骨の下
・腰のあたり
にも痛みが出る事があります。
痛みの種類も
・鋭い痛み
・鈍い痛み
・張った感じ
など、いろいろな痛みが出るので自己判断は非常に難しいです。
肩こりと同時に体幹(胴体)のどこかに痛みがある時は
病院を受診した方が良いです。
これこそ、
”体幹(胴体)のどこかに痛みがある”
というのは、他の内科的な病気も疑われますので、
いろいろ検査しないとどんな病気が隠れているかわかりません。
気胸の場合
気胸の主な症状は、
・胸痛
・呼吸困難
・咳
ですが、
胸痛が弱い場合は肩こりとして感じる事もあるようです。
気胸に限らず、呼吸器の病気はどんな病気でも
呼吸困難がありますから、
胸の動きだけでは息が苦しいので、
肩を上げ下げして呼吸を助ける動きがみられます。
俗に「肩で息をする」というやつです。
この肩の動きで肩や首の筋肉を無理に使うので、
肩こりや首こりを訴える方は多いですね。
これも、いろいろな呼吸器の病気が考えられますので、
呼吸器科のある大きな病院で検査して下さい。
針灸・あんま・整骨院や整体は?
肩こりや首こりの場合、
針灸・あんま・整骨院や整体に行かれる方も多いと思います。
確かに上手な先生に施術してもらうと
ウソのように痛みや張りが軽くなりますからね!
私も勉強がてら、あちこちの先生にお世話になっています。
ただ、これらの治療院にかかるのは
病院で診察・検査を受けてからの方が良いです。
その肩こり・首こりは、ただの筋肉の張りではないかもしれません。
もしかしたら大きな病気が隠れている症状かもしれませんので、
異常を感じたらまずは大きな病院で診察・検査してもらって下さい。
針灸・あんま・整骨院・整体でも優秀な先生なら
病気を見抜いてくれるかもしれませんが、
まだ新米の先生や、あまり勉強していらっしゃらない先生では
病気を見抜く事は、かなり難しいと思います。
私が初めての針灸・あんま・整骨院・整体にかかる時は
本当は右肩が痛いのに
「左肩が痛くて・・・」
と、いつも最初にウソをついて先生の技量を試します(笑)
優秀な先生なら
「ん?右肩じゃないですか?」と、見抜かれますが、
私の言葉だけを信じて
一生懸命左肩を施術して下さる先生もいらっしゃいます(笑)
ホント意地悪ですよね(笑)
でも、終わったらちゃんと
「あー肩が軽くなりました!」
って、お礼を言って
先生を傷つけないように気配りしますよ!
まあ、そこには2度と行かないですけど(笑)
話が反れましたが(笑)
もし、診察・検査で大きな病気が見つかったら
治るまで病院でしっかり治療ができます。
大きな病気の治療として、
針灸・あんま・整骨院や整体での、
治療は補助的なものですので、
病気そのものを治す事は難しいです。
病院で診察・検査して、担当のドクターに
「整骨院でもいいですか?」
と、相談してみて
許可がおりたら、どこでもお好きな先生にかかって下さい。
全国の先生方!
営業妨害しているつもりは無いですから許して下さいね(笑)
肩こりや首こりが治らない 治療はどこに行けばいいの? まとめ
1 肩こり・首こりが治らない・・・どこに行けばいい?
肩こり・首こりの原因のほとんどは悪い姿勢を長時間とり続ける事によるものが大半だが、中には、病気の症状として肩こりや首こりが出る事もあるので、まずは大きな病院を受診する。
2 肩こり・首こりが出る病気とは?
首こり・肩こりが症状として出る病気
・頚椎症
・頚椎症性神経根症
・頸椎椎間板ヘルニア
・頸部脊柱管狭窄症
・頚椎すべり症
・肩関節周囲炎
・胸郭出口症候群
・肩腱板断裂
・顎関節症
・狭心症
・胆嚢結石症(胆石)
・気胸
など
これらの病気はストレッチやマッサージじゃ治らない。
3 病院は何科に行けばいいの?
3.1 整形外科の病気
・ストレッチやマッサージをしても楽にならない
・肩や首を動かした時に強い痛みがある
・手や指にしびれがある
3.2 整形外科以外の病気
3.2.1 狭心症の場合
・運動をした時、急に寒いところに移動した時など、
心臓に負担がかかった時に、突然、胸・背中などが痛くなる。
3.2.2 胆嚢結石症(胆石)の場合
・右側の肩こりがある
3.2.3 気胸の場合
・胸痛が弱い場合は肩こりとして感じる事もある。
4 針灸・あんま・整骨院や整体は?
病院で診察・検査を受けてからかかる方が良い。
仕事や家事、趣味などが原因で
日常的に、肩こりや首こりで悩まされている方は多いと思います。
私も事務作業が多い時には首こりがひどく
理学療法士や作業療法士の部下に
「練習させてあげるね!」
と言って施術してもらいます(笑)
わかってます!
間違いなく職権乱用です(笑)
ここまで説明してきましたように、
たかが、肩こりや首こりだと思っていても大きな病気の症状かもしれません。
私達が「首が痛い」という症状で受診された患者さんを
最初に診る時にも、まず問診や姿勢・動作分析をして
他の症状が無いかどうかを判断します。
もちろん、ドクターと連携しながら判断するわけですが、
それでも病気を見逃す事があります。
プロの私達でも見逃すのに、
一般の方が自己判するのは非常に難しいです。
是非とも異常を感じたら
「まずは病院!」
これが一番安全・安心ですからね♪