日々の障害者の方々との関わりの中で、
障害者の方々への偏見や差別を
周囲から感じる事は珍しくありません。
内閣府が公表した「障害者に関する世論調査」によると、
障害を理由とした差別や偏見が「ある」と思う人は83.9%に上ります。
何気ない差別的な言葉や態度で、
眠れないほど傷つく障害者の方もいらっしゃいます。
公共設備や就職などに関しても、まだまだバリアフリーだとは言えません。
今回は、そんな現状を完全に私的な想いで語りたいと思います。
目次
障害者の差別を解消する法律って?
障害者の差別を解消する法律として、
「障害者差別解消法」
という法律があります。
障害者差別解消法とは?
内閣府のリーフレットでは、
「障害者差別解消法は、全ての国民が、障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に向け、障害を理由とする差別の解消を推進することを目的として、制定されました。」
と、あります。
障害者差別解消法リーフレット – 内閣府
www8.cao.go.jp/shougai/suishin/sabekai_leaflet.html
「障害者差別解消法が制定されました(わかりやすい版)」リーフレット内閣府 http://www8.cao.go.jp/shougai/suishin/pdf/sabekai_wakariyasui_p.pdf
この「障害者差別解消法」は、平成25年6月に制定され、平成28年4月より施行された法律ですが、
障害者に関わる仕事をしている私達ですら、馴染みの無い法律です。
この法律は、
「障害による差別を解消し、誰もが分け隔てなく共生する社会を実現すること」
を目的として制定された法律ですが、
これだけ浸透していないと、
「何の役に立つ法律なんだろう?」
と、思ってしまいます。
差別ってどんな差別?
障害者差別解消法に書かれている「差別」とは、2つの意味があります。
1つは
「不当な差別的取扱い」という意味の差別。
もう1つは、
「合理的配慮の不提供」という差別です。
内閣府のリーフレットでは、
「不当な差別的取扱い」とは、障害があるというだけで
・スポーツクラブに入れないこと。
・アパートを貸してもらえないこと。
・車椅子だからと言ってお店に入れないこと。
などが挙げられています。
「合理的配慮の不提供」とは、合理的な配慮をしない事という事で、
合理的配慮をしないこととは
・聴覚障害のある人に声だけで話す。
・視覚障害のある人に書類を渡すだけで読み上げない。
・知的障害のある人にわかりやすく説明しない。
などが挙げられています。
「障害者差別解消法が制定されました(わかりやすい版)」リーフレット内閣府 http://www8.cao.go.jp/shougai/suishin/pdf/sabekai_wakariyasui_p.pdf
これって差別ですか?
障害者差別解消法で何をしようとしているのかは解っていただけたかと思いますが、
これって、法律で定めるような差別とかのレベルではなく、
当たり前の事なんじゃないですか?
不当な差別的取扱いにしても、
もし、
・脚が短いからスポーツクラブに入れない。
・薄毛だからアパートを貸してもらえない。
・太っているからお店に入れない。
なんて言われたら普通に怒りますよね?
私はこれに全て当てはまりますが、
私なら怒るどころか、落ち込んで寝込みます(泣)
合理的配慮をしないことという事にしても、
・聴覚障害のある人に声だけで話す。
・視覚障害のある人に書類を渡すだけで読み上げない。
・知的障害のある人にわかりやすく説明しない。
これって、ただのイジワルですよね?
こんな普通の事を
法律という形で定めないといけない事こそ
どうにかしないといけないと思うのですが…
どう思われます?
じゃ、どうすればいい?
この障害者差別解消法は自治体や企業に対して
「しなきゃいけませんよ!」と言っているものの、
罰則などはありません。
もちろん、障害者の方が役所に報告すれば、
対象になる自治体や企業は注意を受けます。
でも、ただ「注意を受ける」だけです。
もちろん、障害者の方々の方にも
「助けてもらうのが当たり前」
というような依存心がある方もいらっしゃるのは否定しません。
障害者の方々も
“自分で出来る事は自分でやる”
という自立心が欠けていると
自分で出来る事がどんどん弱くなっていき、
いずれは、出来なくなってしまう…という機能や能力としての背景もあるため、
私も日々、障害者の方々に訴えています。
ただ、障害者という括りではなく、
「困っている人が居たら助ける」
だけなんじゃないですか?
「自分の事は自分でしましょう」
「困っている人が居たら助けてあげましょう」
という小学校でも習う事を
お互いに実行すれば良いだけじゃないですか?
「障害者を差別から守る!」という法律が、
「障害者という括りの差別」に見えるのは私だけでしょうか?
困っている事はどんどん助けてあげて欲しいですが、
障害を特別視する事自体が
障害者の方々を傷つける事もあるという事は解っていただきたいと思います。
障害者だからって差別されていませんか 障害者の差別を解消する法律があるんです! まとめ
1 障害者の差別を解消する法律って?
「障害者差別解消法」という法律がある。
2 障害者差別解消法とは?
平成25年6月に制定され、平成28年4月より施行。
「障害による差別を解消し、誰もが分け隔てなく共生する社会を実現すること」を目的として制定された法律だが、障害者に関わる仕事をしている私達ですら、馴染みの無い法律。
3 差別ってどんな差別?
「不当な差別的取扱い」と「合理的配慮の不提供」という2つの差別
4 これって差別ですか?
法律で定めるような差別とかのレベルではなく、当たり前の事?
こんな普通の事を法律という形で定めないといけない事をどうにかしないといけないと思う。
5 じゃ、どうすればいい?
障害者という括りではなく、「困っている人が居たら助ける」というだけ。
「障害者を差別から守る!」という法律が、
「障害者という括りの差別」に見えるのは私だけ?
障害を特別視する事自体が障害者の方々を傷つける事もある。
急激に進歩しているロボット工学や再生医療やAI。
これらのテクノロジーの進歩が、現代の社会的弱者の概念を変えるはずです。
今、弱者に対して思いやりを持てない人達が、
自分が弱者になった時にどうするか?
この障害者差別解消法という法律は、
この法律を通して、
「みんなで考える機会になる」
という点で素晴らしい法律だと思います。
政府の方々も、もっともっと宣伝して下さい!
1日でも早く、
「普通の事を普通にできる」
世の中になると良いですよね♪