インフルエンザは空気感染じゃうつらない?4つの条件を整えろ!

スポンサーリンク

患者さんのご自宅に伺うと、

風邪の症状が出ているご家族がいらっしゃる事があります。

インフルエンザの感染する条件として、

飛沫感染と接触感染の2つがよく挙げられます。

その中で、

「空気感染ではうつらない」

という情報もありますが、

本当にうつらないのでしょうか?

インフルエンザは、空気感染でも条件が揃えば感染します。

では、その条件とは、どんな条件でしょうか?

予防はできるのでしょうか?

スポンサーリンク

空気感染とは?

インフルエンザウイルスは、

咳やくしゃみで空気中に飛び出し(飛沫)ますが、

飛び出した時にウイルスをまとめていた水分が乾燥して

ウイルスだけになった状態で、空気中を漂います。

これで感染するのが空気感染といわれるものです。

ただし、インフルエンザウイルスの感染力は、

ウイルスが少ない数では人の免疫力には勝てないので、

鼻や口の中にくっ付いても免疫がやっつけてくれて

発症には至らないので、そんなに注意する必要は無いのです。

という情報が、ネットなどでもよくみられますが、

いくつかの条件が揃うと感染する恐れがあります。

米Maryland大学の研究者たちが行った研究でも、

インフルエンザの感染者が咳やくしゃみをしていなくても、

その患者の吐く息を吸い込んだだけで「空気感染」が起こる可能性が指摘されました。

感染する恐れがある条件とは以下の4つです。

空気感染しやすい環境条件

①狭い部屋の中

②換気が悪い

③室温が低い

④湿度が低い

①狭い部屋の中・②換気が悪い

狭い部屋の中で換気が悪いと、

インフルエンザウイルスが濃縮されやすくなり、

空気中のウイルスの密度が高くなります。

密度が高くなると、人体に入るウイルスの数も増えるので、

体の免疫力よりウイルスの増殖の方が勝ち

発症するリスクが高くなります。

③室温が低い・④湿度が低い

室温が低くなると、必然的に湿度も低くなります。

湿度は低くなるとウイルスが元気になり、活発に活動できるので

感染するリスクが高くなります。

また、室温の低さも、湿度が低いという環境も、

人の体の免疫力が落ちるため、

インフルエンザウイルスの増殖力に免疫力が負けてしまい

インフルエンザが発症してしまうという事になります。

空気感染を防ぐには?

空気感染を防ぐには、これらの悪条件にならないように

環境を整えれば良いという事です。

①狭い部屋に閉じこもらない

部屋が狭いのは、建て替える訳にはいきませんので

どうしようもありません(笑)

ですから、不特定多数の人間が、狭い部屋に閉じこもらないようにする

環境を作るしかありません。

仕事などでは、時々休憩を取り部屋の外に出る。

通勤では、少し早めに出て、満員電車を避ける。

などの配慮をする必要があります。

②換気を良くする。

部屋は時々、窓を開けるなどして換気を良くする必要があります。

ただし、窓を開けて換気をする場合は、

部屋の中に一緒に居る人達にも了解を取らないと、

「この寒い中、いきなり窓を開ける」

ただのサイコパスと思われかねませんので、ご注意下さい(笑)

換気扇があれば換気扇を常に回しておくのも良いですね。

エアコンは意外に換気の効果は弱いので、

エアコンをつけているからといって

換気ができているとは思わない方が良いでしょう。

③室温を上げる

暖房器具を有効に使い、室温を下げないようにする事で免疫力が下がる事を防ぎます。

また、室温を下げない事で、湿度が低くならずに済みます。

④湿度を上げる

室温を下げないようにするのと同時に加湿器などで湿度を上げておけば、

インフルエンザウイルスが元気になる条件を阻止できると同時に、

体の免疫力が落ちない条件も作れます。

具体的には、

・室温20度以上に保つ

・湿度20%以上に保つ

・換気をする

という条件を守って、環境を整えれば空気感染は防げます。

スポンサーリンク



二酸化塩素の効果は??

インフルエンザの空気感染予防として、

二酸化塩素系のウイルス除去用芳香剤が

薬局やドラッグストアに売っていますが、

薬事法では、医薬品や医薬部外品としてウイルスや細菌に効果があるとは

認められていません。

医薬品や医薬部外品として認められていないという事は、

人体に対する安全が保証されているわけでは無いので、

あまりおすすめできません。

この時期によく大流行する”ノロウイルス”の対策として、

小さなクリニックや高齢者施設では二酸化塩素を使っていますが、

実は、ちゃんとした大きな病院ではあまり使っていません。

ノロウイルスの除去にはアルコール消毒では効果がなく、

塩素系で消毒するしかないので二酸化塩素を使っているわけですが、

二酸化塩素は濃度が高いと人体に害を及ぼす物質です。

ウイルス除去に対して、

マイナスでなければ効果がゼロでも

イチかバチかで使う事は良いのかもしれませんが、

病院の患者さんや施設の利用者さんの体に

悪影響がゼロだとは言えないものを使うのは

あまり良い事ではないと思っています。

皆さんも二酸化塩素系のウイルス除去を使う際には

よく調べてから使われる事をおススメします。

私は二酸化塩素系の芳香剤に

感染予防と防臭効果があると聞いたので、

洋服と一緒に袋に入れておいたところ・・・

脱色して、まだら模様で白くなってしまった経験があります(泣)

二酸化炭素は塩素系漂白剤に入っている成分だと知ったのは、

この後でした(笑)

部屋に置いておいても、

何となく塩素のニオイがしますし・・・

何かノドが痛くなるような気がしますし・・・

個人的にあまり体には良くないようには思います。

ちなみに、

インフルエンザの予防接種を受けてもインフルエンザにはかかります。

予防接種の効果は、

インフルエンザウイルスにかかっても症状が軽くて済むだけ

だという事は頭に置いておいて下さい。

まとめ インフルエンザに負けない為には?

まとめ

1 空気感染とは?
水分が乾燥してウイルスだけになった状態で、空気中を漂う。これで感染するのが空気感染。
 ①狭い部屋の中
 ②換気が悪い
 ③室温が低い
 ④湿度が低い
という条件が揃うと感染しやすくなる。

 ①狭い部屋の中
 ②換気が悪い
 狭い部屋の中で換気が悪いと、インフルエンザウイルスが濃縮されやすくなる。
 密度が高くなると、人体に入るウイルスの数も増えるので発症するリスクが高くなる。

 ③室温が低い
 ④湿度が低い
 湿度が低くなるとウイルスが活発に活動できる。
 室温の低さ、湿度が低いという環境もは、人の体の免疫力が落ちるため、インフルエンザウイルスの増殖力に免疫力が負けてしまう。

2 空気感染を防ぐには?
 ①狭い部屋に閉じこもらない
  仕事などでは、時々休憩を取り部屋の外に出る。
  通勤では、少し早めに出て、満員電車を避ける。

 ②換気を良くする
  窓を開けるなどして換気を良くする

 ③室温を上げる
  暖房器具を有効に使い、室温を下げないようにする

 ④湿度を上げる
  加湿器などで湿度を上げる。

具体的には以下の条件を守る。
 ・室温20度以上に保つ
 ・湿度20%以上に保つ
 ・換気をする

3 二酸化塩素の効果は??
薬事法ではウイルスや細菌に効果があるとは認められていない。
悪影響がゼロだとは言えないものを使うのはあまり良い事ではないと思っている。

インフルエンザにかからない為には、

徹底的な予防の意識を持って実際に実行するしかありません。

神経質になりすぎるのも良くありませんが、

予防策を頑張って実践される事をおすすめします。

特に、高齢者や糖尿病などの内科疾患として

免疫力が落ちている方は甘く考えてはいけません。

インフルエンザのみならず、普通の風邪からでも

悪化して肺炎になり、

そのままお別れする・・・

という経験を何度もしてきました。

たかがインフルエンザ・・・と、なめないで、

しっかり予防して下さいね!

関連記事

スポンサーリンク

フォローする