春から熱中症が急増!?春から熱中症を防ぐ7つの対策とは?

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私は仕事で、スポーツ大会などのトレーナーや救護もやっています。

熱中症は、梅雨時期以降の夏場はもちろんですが、暖かくなり始めた今こそ注意が必要です。

熱中症とは、どんなものでしょう?

なぜ暑くもない今の季節に熱中症になるのでしょうか?

対策はどうすれば良いのでしょうか?

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熱中症とは?

熱中症とは、体内に熱がこもって体温が急激に上昇したり脱水になる事で、いろいろな症状が出る状態です。

症状は重症度によってⅠ度~Ⅲ度の3つに分けられています。

I度(軽症)

眼の前が暗くなる・こむら返り・四肢や腹筋の痙攣・筋肉痛・筋肉の硬直・血圧低下、・皮膚の蒼白など

II度(中等症)

強い疲労感・めまい・頭痛・吐き気・嘔吐・下痢・体温の上昇・大量の発汗・脈拍が早くなるなど

III度(重症)

深部体温の上昇(39度以上)と

脳機能障害(意識の混濁・錯覚・幻覚・意識喪失)
肝機能の障害・腎機能の障害
血液凝固障害

のいずれか

新潟大学保健管理センター:熱中症の重症度分類より引用

私達が熱中症の対応をする時は、

Ⅰ度で、アイシングや水分補給の処置をして様子をみて、

Ⅱ度で、病院受診の手配をして、

Ⅲ度の状態になる可能性があると判断した場合に救急車を要請します。

熱中症になる環境とは?

熱中症は、暑い時だけではなくいろいろな条件下で起こります。

熱中症になる環境の条件

  • 急に気温が上がった
  • 湿度が高い
  • 環境温度の差
  • 服で暑さの調節ができない
  • 運動の開始時

など

これらの条件ひとつずつでも熱中症になりますが、条件が重なると危険性が急激に高まります。

雨が上がった晴れの日の競技場は、気温も湿度も高くなり最悪の条件になりますので、いつでも救護できるように警戒態勢をとっています。

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熱中症になりやすい人は?

熱中症は、誰にでもリスクがありますが、なりやすい年齢や条件があります。

熱中症になりやすい人

  • 幼児(5歳以下)
  • 高齢者(65歳以上)
  • 太っている
  • 下痢をしている
  • 発熱がある
  • 冷え性
  • 睡眠不足

など

これらの人が水分を補給しなかったり、熱中症になりやすい環境の中で無理をすると、

熱中症になるリスクが非常に高くなります。

熱中症で救護した人は、だいたいこの条件が当てはまります。

熱中症になる前のサインは?

熱中症の一番大きな要因は「脱水」です。

脱水の割合によって体にサインが現れます。

脱水のサイン

2%: 喉の渇き

3%: 強い渇き、ぼんやりする、食欲不振、
    疲労困ぱい、尿量減少、濃縮尿

4%: 皮膚の紅潮、イライラ、体温上昇

5%: 頭痛、熱にうだる感じ

8~10%: 身体動揺、痙攣

新潟大学保健管理センター:脱水のサインより引用

これらのサインが現れた時には、速やかに水分を補給するようにして下さい。

救護でも、選手だけではなく、

応援している方がこれらの熱中症のサインを示している時は、

水分補給を強く勧めます。

なぜ春に熱中症になるのか?

熱中症の救護は、梅雨明けから9月上旬頃までが中心ですが、

暖かくなり始めたこの時期も、熱中症で倒れる方が出てきます。

春に熱中症で倒れるのは、

  • 冬の寒さから急に気温が上がる
  • 季節の変わり目で雨が多く湿度が高くなる
  • 日差しが強くなり室内が暑くなる
  • 冬の厚着のままの衣服
  • 急に運動を始める

などの条件があり、

これらの中で複数の条件が重なると熱中症を発症します。

消防庁の発表では、昨年5月の1ヵ月間で3401人が救急車で搬送されていて、

前年度と比較して613人も多くなり急増しています。

私が以前、4月と5月に関わった熱中症で救急搬送したケースでは、

・高齢者(70代)の太った男性が運動会の練習で急に運動をした。
・下痢をしていて睡眠不足だった40代の女性が雨上がりの日にマラソン大会に出場した。

というケースがあり、上記の条件に見事に当てはまっています。

春の熱中症を予防するには?

一般的に熱中症を予防するには、

  • 水分補給
  • 塩分を摂る
  • しっかり眠る
  • バランスの良い食事
  • 気温に注意する
  • 湿度に注意する
  • 熱を発散できる衣服を着る
  • 直射日光を避ける
  • 冷却グッズを使用する
  • 休憩をとる
  • 天候の情報を収集する
  • 急に運動を始めない

という項目が挙げられますが、

春の熱中症を防ぐには、このうち以下の7つが当てはまります。

  • 水分補給
  • 塩分を摂る
  • しっかり眠る
  • 気温・湿度に注意する
  • 熱を発散できる衣服を着る
  • 天候の情報を収集する
  • 急に運動を始めない

これらをひとつずつ説明していきます。

水分補給

熱中症は、脱水を防ぐ事が重要です。

春は、夏に比べて喉が渇きにくいので、水分をあまり摂りません。

脱水を防ぐ為には、飲み物を持ち歩いて、こまめに水分補給をする事が大事です。

塩分を摂る

身体の塩分が少なくなると、身体が塩分と水分の濃度を安定させるため水分を受け付けなくなります。

身体が水分を受け付けなくなると脱水につながり、熱中症になります。

春は、あまり汗をかかない分、身体が塩分を欲しないので、塩分を摂る量が少なくなります。

身体を動かす仕事や運動をする前には、意識的に塩分を摂るようにしましょう。

しっかり眠る

睡眠は成長ホルモンの分泌を促します。

成長ホルモンには、カルシウムなどのミネラルを一定に保つ働きがあります。

身体の中のミネラルが少なくなると、熱中症の原因になります。

季節の変わり目は、気温の変化が大きく、布団や寝る時の服装が合わなくなり睡眠不足の原因になります。

薄手の布団や上着を準備する事で、気温の変化に対応できるようにして眠りましょう。

気温・湿度に注意する

春は、気温がちょうど良いのでエアコンなどを使う事もなく、

気温や湿度を調整する事は少ないですが、

気温や湿度を調整しないからこそ、室内で熱がこもり、熱中症につながる事があります。

体感温度や湿度の不快感に気を付けて、調整できるように注意しましょう。

熱を発散できる衣服を着る

冬のままの服装だと、春の陽気で急に気温が上がった時に身体の熱を発散できず、熱がこもりやすくなります。

熱がこもると熱中症に繋がりますので、上着の中は薄着にするなどの工夫が必要です。

天候の情報を収集する

季節の変わり目は、寒さが続いたり急に暑くなったり、天候の変化が激しくなります。

常に、天気予報などで情報を収集して、天候の変化に対応できるようにしましょう。

急に運動を始めない

暖かくなると、外に出て運動をしたくなります。

運動すると体温が上がり、汗をかいて水分も発散します。

体温や発汗をコントロールしているのは自律神経という身体の仕組みです。

あまり運動をしていない状態から、自律神経が運動に慣れるまで3日ほどかかります。

暖かくなって運動を始める時には、軽い運動から始めて、

4日目頃から体の調子をみながら本格的な運動に繋げる必要があります。

これらの対策に注意する事で、春の熱中症を防ぐ事ができます。

春から熱中症が急増!?春から熱中症を防ぐ7つの対策とは? まとめ

まとめ

1 熱中症とは?
体内に熱がこもって体温が急激に上昇したり脱水になる事で、いろいろな症状が出る状態です。

2 熱中症になる環境とは?
熱中症は、暑い時だけではなくいろいろな条件で起こります。

2.1 熱中症になる環境の条件
・急に気温が上がった
・湿度が高い
・環境温度の差
・服で暑さの調節ができない
・運動の開始時
など

3 熱中症になりやすい人は?
熱中症は、誰にでもリスクがありますが、なりやすい年齢や条件があります。

3.1 熱中症になりやすい人
・幼児(5歳以下)
・高齢者(65歳以上)
・太っている
・下痢をしている
・発熱がある
・冷え性
・睡眠不足
など

4 熱中症になる前のサインは?
熱中症になるのに一番大きな要因は「脱水」です。

脱水の割合によって体にサインが現れます。

4.1 脱水のサイン
2%: 喉の渇き
3%: 強い渇き、ぼんやりする、食欲不振、疲労困ぱい、尿量減少、濃縮尿
4%: 皮膚の紅潮、イライラ、体温上昇
5%: 頭痛、熱にうだる感じ
8~10%: 身体動揺、痙攣

5 なぜ春に熱中症になるのか?
春に熱中症で倒れるのは、

・冬の寒さから急に気温が上がる
・季節の変わり目で雨が多く湿度が高くなる
・日差しが強くなり室内が暑くなる
・冬の厚着のままの衣服
・急に運動を始める
で、これらの中で複数の条件が重なると熱中症を発症します。

6 春の熱中症を予防するには?
春の熱中症を予防するには、
・水分補給
・塩分を摂る
・しっかり眠る
・気温・湿度に注意する
・熱を発散できる衣服を着る
・天候の情報を収集する
・急に運動を始めない
の7つが重要になります。
※それぞれの説明は記事本文をご参照下さい。

春になって暖かくなると、運動会やスポーツのイベントが多くなりますので、私達の仕事も忙しくなります。 

夏は、誰でも熱中症の対策を意識しますが、春は熱中症への意識が低く、意外に倒れる方が多いです。

熱中症で亡くなられる方も少なくありませんので、

熱中症を甘く見ず、しっかり熱中症対策をして運動を楽しんで下さいね♪

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