肩こりは、国民病と呼ばれるほど、老若男女たくさんの人が悩まされています。
肩こりだけで病院を受診される方は少ないですが、脳の誤作動が原因の肩こりもあるんです。
脳の誤作動とは、いったい何でしょう?
脳の誤作動が引き起こす病気は?
治療法はあるんでしょうか?
目次
肩こりの原因は?
一般的に肩こりの原因は、
・姿勢の悪さ
・運動不足
・ストレス
が挙げられます。
姿勢の悪さ
デスクワークや立ち仕事・歩いている時などに、姿勢が悪いと首や肩に負担がかかり、肩こりの原因になります。
運動不足
運動不足は、全身の筋力を落とす事に繋がり、頭を支える筋肉も弱り、首や肩の筋肉に負担がかかります。
また、運動不足で血行も悪くなりますので、首・肩の血行不良も肩こりに繋がります。
ストレス
ストレスを受けると、活動する時に働く「交感神経」が興奮します。
活動する時に働く神経ですので、血管を収縮し(血行不良)筋肉を固く(筋緊張)します。
この血行不良と筋緊張が続けば肩こりに繋がります。
このうち、姿勢が悪くなる原因として、脳の誤作動が肩こりに繋がるケースが増えています。
肩こりは脳の誤作動?
肩こりに繋がる脳の誤作動とは何かというと、身体の傾きを感知する機能の誤動作です。
同じ姿勢が長時間続くと、脳はその姿勢が正常だと認識します。
それが、歪んだ姿勢の場合、歪んだ姿勢を異常な姿勢だと勘違いして、その姿勢を保とうとし、
そのまま、姿勢が歪んだ状態が長期間続くと筋肉が固くなり、肩こりに繋がります。
これが悪化すると、頸部ジストニアという病気になる可能性があります。
頸部ジストニアとは?
頸部ジストニアとは、痙性斜頸とも呼ばれ、無意識に首が不自然に傾き、首に痛みや痺れ、痙攣が出現する疾患ですが、
首や肩の痛みだけのケースもある事から、一部の肩こりは頸部ジストニアの可能性があると言われています。
主な症状として、
・頭部のねじれ
・首が横・前・後に傾く
・顎が前に出る
・肩が挙がる
これらの症状が複数合併します。
原因としては、過労・ストレス・無理な姿勢を長く続ける事で、脳の姿勢プログラム異常で、
胸鎖乳突筋、僧帽筋、板状筋などの筋肉が固くなり、上記の症状が発症し、
ストレスや過度な運動で悪化する事が多いと言われています。
治療としては、ボトックス注射や脳深部刺激療法があり、リハビリとしてはバイオフィードバックが有効とされています。
この頸部ジストニアを自宅で治療する方法として、ハンガー療法があります。
ハンガー療法とは?
ハンガー療法とは、ハンガーで側頭筋を圧迫して、側頭筋が圧迫されたという感覚が大脳皮質に伝わって、圧迫された側の胸鎖乳突筋を緩めるという治療法です。
病院では、ハンガーそのものではなく、装具で実施されていますが、
・順天堂大学医学部付属順天堂病院
・順天堂大学医学部付属浦安病院
・山口大学医学部附属病院
・東京女子医科大学附属病院
などで、実際の治療にも使われている原理です。
一般の家庭にもある、針金ハンガーで簡単にできる治療ですので、ご紹介します。
方法としては、
用意するもの■針金でできたハンガーを用意します■
ハンガーの幅をしっかり締めてください-
注意点-ハンガーの針金がむき出しになっている部分やとがっている部分には、十分に気をつけて行ってください。
やり方1.左に身体が傾いている人は右のこめかみにあたるように、右に身体が傾いている人は左のこめかみにハンガーのまっすぐの部分が当たるようにかぶります。
※こめかみは、眉毛と髪の生え際の間の少しへこんでいるところです。
きちんと当たるように、少しハンガーの先端をずらしてみると良いでしょう。
2.朝、夜と1日2回、1回10分ほどかぶるとよいでしょう。
なぜ肩こりが解消されるの?みなさん、ハンガーをかぶると当てているこめかみと同じ方向に首がまわりませんか?
これはハンガー反射と言って、私たちの首は首の前にある胸鎖乳突筋という筋肉がピンと張って支えています。
ハンガーでこめかみを刺激すると、詳しいメカニズムはわかっていませんが、神経が刺激され、当てた側の胸鎖乳突筋がふわっと緩みます。
その結果、首がハンガーを当てた側に回旋するという現象が起きるのです。
ということで、身体が傾いている方向とは逆方向に誤作動を起こさせて、傾いている側の僧帽筋を伸ばし、徐々に正しい姿勢に戻していくのが狙いです。
結果、肩こりが解消するようになるのです。
川崎市立多摩病院
神経内科 部長
堀内正浩先生 監修
引用:ハンガーで肩こり解消法 – たけしの家庭の医学|朝日放送
肩こりは脳の誤作動?ハンガー療法でしつこい肩こりを治そう! まとめ
1 肩こりの原因は?
一般的に肩こりの原因は、
・姿勢の悪さ
・運動不足
・ストレス
が挙げられます。
このうち、姿勢が悪くなる原因として、脳の誤作動が肩こりに繋がるケースが増えています。
2 肩こりは脳の誤作動?
身体の傾きを感知する機能の誤動作です。
これが悪化すると、頸部ジストニアという病気になる可能性があります。
3 頸部ジストニアとは?
無意識に首が不自然に傾き、首に痛みや痺れ、痙攣が出現する疾患です。
首や肩の痛みだけのケースもある事から、一部の肩こりは頸部ジストニアの可能性があると言われています。
4 ハンガー療法とは?
ハンガーで側頭筋を圧迫して、側頭筋が圧迫されたという感覚が大脳皮質に伝わって、圧迫された側の胸鎖乳突筋を緩めるという治療法です。
※実際の方法は、記事本文をご参照下さい。
今回ご紹介したハンガー療法は、かんたん過ぎて怪しい感じがしますが(笑)
何度もテレビで紹介されていますし、ハンガー療法の原理を使って有名な病院でも治療に取り入れられています。
このハンガー療法の原理を使って、ヘアバンドでの治療法もありますので、
またの機会にご紹介しますね♪