発達障害の人こそ介護業界への就職を目指せ 障害を長所に転換する! 

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高齢者介護施設の経営者の方から、求人のご相談をいただき、

人手不足の解消や、退職者を減らす方法についていろいろ話し合いました。

そんな中で、発達障害の方々でも有効に働いてもらえるのではないか?

という話題が出てきました。

介護・福祉業界で、仕事として発達障害の方々の特性を活かせるのでしょうか?

自分の障害を長所として活かすには、どんな努力が必要なのでしょうか?

実際の現場からみた観点で語りたいと思います。

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発達障害って特別な病気?

発達障害とは、

発達障害者支援法には「自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するものとして政令で定めるもの」

と、定義されています。

難しくて何を言ってるのかわかりませんので(笑)、簡単に言いますと、

脳の障害として、社会的に問題となるような症状が子供の頃からある事を、医者が認めているものを「発達障害」と呼んでいます。

しかし、近年では発達障害の原因として、

「遺伝的な要素と環境の要因が複雑に影響して発現する」

という考えが主流になっており、

遺伝的な脳の障害だけでは無く、育った環境で、

「症状として出るかどうかはわからない」

という事がわかってきた事と、


軽い症状の方も合わせれば、人数も全人口の1割を超えるほど発達障害の方はいらっしゃり、

「特別な障害ではなく、身近な人や自分も発達障害なのかもしれない…」

という、他人事として無視できない障害なのです。

実際に、働き始めてから人間関係や仕事が上手くいかず、病院を受診してみると

何らかの発達障害だという事が判明するという例も年々増えています。

発達障害は、大きく分けて

・広汎性発達障害

・注意欠陥・多動性障害

・学習障害

の3つに分類されますが、

それこそ、

「もしかしたら…自分も当てはまるのかな?」

「もしかして…あの人ってこれじゃない?」

なんて、思うところがたくさんあります。

気になる方は、

株式会社KaienのWEBページ(http://corp.kaien-lab.com/)で

チェックしてみたら如何でしょうか?

・大人の発達障害 チェックリスト
http://www.kaien-lab.com/aboutdd/check/

・大人のASD(自閉症スペクトラム、アスペルガー症候群)ページ中頃にチェックリストあり
http://www.kaien-lab.com/aboutdd/asd/

・大人のADHD(注意欠如多動性障害)ページ中頃にチェックリストあり
http://www.kaien-lab.com/aboutdd/adhd/

・大人のLD(学習障害)ページ中頃にチェックリストあり
http://www.kaien-lab.com/aboutdd/ld/

自分や周りの人に当てはまる項目が、たくさん見つかるはずです。

これを見ても、発達障害が特別な病気ではない事がご理解いただけるかと思います。

発達障害の短所は長所?それぞれの障害を長所へ!

発達障害の症状は、短所としてしか捉えられていませんが、

それぞれの症状もウラを返せば立派な長所です。

それぞれの長所を生かして、介護や医療の現場で何をすれば良いのかと、

それを実現するためには、何の努力をすべきか?を解説していきます。

広汎性発達障害(ASD(自閉症スペクトラム、アスペルガー症候群))の特徴を長所へ

①社会性の障害:周囲の人との関わりが難しい。

介護や医療の事務では、レセプトなどのデータ管理がすごく重要です。

小さな施設や病院では、受付などで人との関わり合いをしなければいけない場面もありますが、大きな施設や病院ならデータ管理に特化できる仕事もあります。

その中で、同僚とのコミュニケーションという名目の”おしゃべり”が仕事の邪魔をする事が多々見受けられますが、

この障害を持つ方なら、データ管理だけに集中できるはずです。

②コミュニケーションの障害:相手を理解したり、自分の事を相手に伝えるのが難しい。

パソコン相手の仕事であれば、他人を理解する事も自分を理解してもらう必要もありません。

パソコン相手で問題が起こっても、それは必ず自分のミスかスキル不足ですので、
人間相手とは違って「誰が悪いか?」で揉めたりするような事はありません。

この障害を持つ方なら、下手に人間関係で職場の雰囲気を悪くする事はありません。

③想像力の障害:自分が見たり予想していた以外の出来事や成り行きを想像したり納得することが難しい。

パソコンのデータ入力作業は、下手に先を読んだり、臨機応変に対応する事がトラブルに繋がりかねません。

この障害を持つ方なら、目の前のデータを忠実かつ確実に処理できるはずです。

必要な努力

この仕事に就くためには、医療事務や介護事務などの資格はもちろん必須ですが、
パソコンのデータ入力は、エクセルやワードだけではなく、専用のソフトを使っている施設や病院がほとんどですし、
データ管理だけに特化できる仕事を任せてもらう信用も必要になります。

どんなソフトにでも対応できるよう、パソコンのスキルでは誰にも負けないぐらいの能力を身に付ける必要があります。

注意欠陥・多動性障害の特徴を長所へ

①不注意の障害:決められた事を集中してできない。注意が散漫。

介護の現場ではレクレーションをよくやりますが、

決められた事をただ淡々とやるだけで、利用者さんを楽しませようとする目的を忘れている時が多々見られます。

この障害を持つ方は、決められた事だけに集中せず、常に新しい事にチャレンジし、その場で考えて臨機応変に対応できます。

②多動性の障害:じっとしていることが苦手。

介護の現場では、ひとつの作業に集中してじっとしているより、周りの状態をみて、常に動いておかなければいけない事がたくさんあります。

この障害を持つ方は、常に動きまくって、作業をガンガン片づけられます。

③衝動性の障害:考える前に行動してしまう。

利用者さんの事故を防ぐ時には、いちいち考えていたら間に合わない時があります。

この障害を持つ方は、「あぶない!」と思ったら、すぐ走り出すような迅速な行動がとれます。

必要な努力

介護の仕事は、上記に挙げた場面だけではありません。

この障害を持つ方が苦手な、コツコツ集中して同じ事を繰り返すルーティンの仕事もあります。

自分の得意分野が活かされるポジションを掴むには、同僚や上司との円滑な人間関係が必要です。

自分の得意分野を誰もが認めるほどに高めて、

それ以外の欠点を同僚や上司にカバーしてもらえるよう、

人間性として認められる努力が必要です

学習障害の特徴を長所へ

①読字の障害:文章を正確に読んだり理解することが難しい。

病院や介護の現場では、他の職種のように文書でやり取りするより、口頭で伝達する事が多い業界です。

この障害を持つ方は、文書を読むのが苦手な分、

口頭での指示を理解したり、分からないところは口頭で何度も質問すれば、必ず上司から喜ばれます。

②書字表出の障害:文字や文章を書くことが難しい。

介護や医療の現場では、1日の報告書や1ヶ月の計画書などを作成する仕事がありますが、

文書を書くのは得意だが、内容を考える事が苦手というスタッフの方が多いです。

この障害を持つ方は、文書を作る側ではなく、内容を考える側に回る事で、同僚から有難がられる存在になれます。

③算数の障害:数を使った概念の理解や計算が難しい。

介護や医療の仕事では、複雑な計算や数の概念を持つ必要がある場面では、上司の指示が最も重要な判断材料になり、

下手に自分で考えるとミスの元となります。

この障害を持つ方は、自己判断せず、上司の指示に忠実に動く事で、ミスを減らせます。

必要な努力

メモを取ったり、資料を理解する事が苦手な分、上司からの口頭での指示や同僚との打ち合わせを記憶し、誰よりも早く・深く理解するスキルや知識が必要となります。

また、他の人に文書を書いてもらったり、打ってもらったりするためには、誰にも負けない内容を考えるだけのスキルも必要です。

その為には、常に勉強する事が必要ですが、専門書を読んだり理解する事は苦手でしょうから、外部の勉強会に参加する必要があります。

介護・福祉の外部勉強会は、土日に開催される事が普通ですので、連休はもちろん、シフトを交代してもらったりして休みが潰れる覚悟が必要です。

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発達障害の人こそ介護業界への就職を目指せ 障害を長所に転換する! まとめ

まとめ

1 発達障害って特別な病気?
脳の障害として、社会的に問題となるような症状が子供の頃からある事を、医者が認めているものが「発達障害」。
人数も全人口の1割を超えるほどいらっしゃり、他人事として無視できない障害。

2 発達障害の短所は長所?それぞれの障害を長所へ!
発達障害の症状は、短所としてしか捉えられていないが、それぞれの症状もウラを返せば立派な長所。

2.1 広汎性発達障害(ASD(自閉症スペクトラム、アスペルガー症候群))の特徴を長所へ
①社会性の障害:周囲の人との関わりが難しい
 →データ管理だけに集中できる。
②コミュニケーションの障害:相手を理解したり、自分の事を相手に伝えるのが難しい。
 →パソコン作業に特化する事で、人間関係で職場の雰囲気を悪くする事が無い。
③想像力の障害:自分が見たり予想していた以外の出来事や成り行きを想像したり納得することが難しい。
 →下手に先を読まず目の前のデータを忠実かつ確実に処理できる。
必要な努力
 →どんなソフトにでも対応できよう、パソコンのスキルでは誰にも負けないぐらいの能力を身に付ける必要。

2.2 注意欠陥・多動性障害の特徴を長所へ
①不注意の障害:決められた事を集中してできない。注意が散漫。
 →決められた事だけに集中せず、常に新しい事にチャレンジし、その場で考えて臨機応変に対応できる。
②多動性の障害:じっとしていることが苦手。
 →常に動きまくって、作業をガンガン片づけられる。
③衝動性の障害:考える前に行動してしまう。
 →「あぶない!」と思ったら、すぐ走り出すような迅速な行動がとれる。
必要な努力
 →欠点を同僚や上司にカバーしてもらえるよう、人間性として認められ好かれる努力が必要。

2.3 学習障害の特徴を長所へ
①読字の障害:文章を正確に読んだり理解することが難しい。
 →口頭での指示を理解したり、分からないところは口頭で何度も質問すれば、必ず上司から喜ばれる。
②書字表出の障害:文字や文章を書くことが難しい。
 →文書を作る側ではなく、内容を考える側に回る事で、同僚から有難がられる存在になれる。
③算数の障害:数を使った概念の理解や計算が難しい。
 →自己判断せず、上司の指示に忠実に動く事で、ミスを減らせる。
必要な努力
 →スキルや知識を高めるために外部の勉強会に参加する必要があり、休みが潰れる覚悟が必要。

発達障害の方にも努力は必須です!

各項目の「必要な努力」のところをみて、

「そんな事出来るわけねーよ」

なんて思った方は、ここから下を読んで下さい。

確かに、「必要な努力」の部分では少々無理めな事を言っています。

ですが、「そんな事出来るわけねーよ」と思った方は、

もっと軽い努力でも「出来ない」で終わらせるでしょう。

障害があるからといって、誰も仕事を与えてはくれません。

一緒に働く同僚からすれば、障害者だろうと1人分の労力に過ぎません。

無理してまであなたを助けてくれるのは親や身内だけで、

よほどの事が無い限り、他人は自分の身を削ってまで助けてはくれません。

ましてや、軽い発達障害の場合では、療育手帳や精神障害者保健福祉手帳も受けられませんので、国や行政のサポートすら受けられません。

障害を言い訳にして、誰かが与えてくれたり、周りが自分に合わせくれるのを当たり前だと思っていたら、

仕事を手に入れる事はできないのが、残念ではありますが現実です。

自分の障害が短所だなんて思っていないのなら、他人に頼る必要はありませんので、自分らしく自信を持って生きていって下さい。

ただもし、自分の障害が短所だと思っているのなら、

それを誰かにカバーしてもらおうと思う前に、自分で埋めるか長所に変える努力をする必要があります。

その努力をせずに、「障害」という言葉に甘えていたら、

誰も与えてくれないものに期待しながら、不満ばかり言っている厳しい現実が続いていくだけです。

それは、障害者だけではなく、私も含めて全ての人間は同じです。

一緒に頑張っていきましょう!

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