汗をかくシーズンになり、体臭が気になる季節になってきました。
特に、中高年から高齢者の方々は「加齢臭」が気になるかと思います。
今回は、「加齢臭」の原因となる成分から、臭いやすい部位、対策も含めて
わかりやすく解説します!
目次
加齢臭とは?
加齢臭とは、主に男性では40歳以降、女性では閉経後に増加するノネナールという成分が基になる、
古本・古い衣服・ろうそく・チーズのような体臭の事です。
ノネナール
ノネナールは、2001年に資生堂リサーチセンターの土師信一郎氏たちの研究によって発表された物質です。
26歳から75歳までの女性が3日間着用したシャツから、体臭成分を分析して、いろいろな体臭成分の中で、中高年になるとノネナールが最も増える事を発見しました。
ノネナールは皮膚表面にある、不飽和脂肪酸の酸化によって生じます。
その他、ペラルゴン酸やジアセチルという物質も加齢臭の原因になっているという研究もありますが、これらは主に30代~40代の男性に限られる体臭です。
ペラルゴン酸
ペラルゴン酸は、2008年にライオン株式会社が発見したもので、「使い古した油」の臭いを放つ、30歳男性特有の臭いです。
これは、加齢臭の原因と言われているノネナールとは異なるもので、
紫外線・ストレス・生活習慣の乱れにより、皮脂が酸化する事で発生します。
ジアセチル
ジアセチルは、2013年に株式会社マンダムが発表した、30代~40代の男性に多くなる体臭です。
これも、加齢臭の原因と言われているノネナールとは異なるもので、
汗の中の「乳酸」と、「ブドウ球菌」という皮膚にいる細菌の反応で生まれ、
主に頭部で多く生成されて、酢の120倍にもなる強い臭いがあります。
加齢臭が臭う部位は?
加齢臭は、皮脂が多い・汗をかきやすいところで、頭・胸・脇・耳・首・背中で臭います。
引用:資生堂
この中で、最も臭いが出やすい場所は「耳のうしろ」で、次に多いのが「頭」です。
よく、体臭の元となるアポクリン腺と混同されますが、アポクリン腺の働きは加齢臭とはあまり関連がありません。
アポクリン腺
人間が汗を出す汗腺には、エクリン腺とアポクリン腺があります。
エクリン腺は身体全身にあり、身体の熱が上がった時に体温を下げるために水分を分泌する役割を持っていますが、
アポクリン腺は、主に脇の下・乳輪・ヘソ・外耳道・陰部・肛門の周囲などに存在して、俗に言う「フェロモン」などの体臭を出す役割があります。
加齢臭を防ぐには?
加齢臭を防ぐには、加齢臭の原因となっている
・ペラルゴン酸
・ジアセチル
を、加齢臭が発生する事が多い
で、出さないようにする事です。
ノネナールの臭いを防ぐ
ノネナールの臭いを防ぐには、こまめにシャワーや入浴して、頭・胸・脇・耳・首・背中を清潔に保つ事です。
ノネナールは水溶性ですので、シャワーだけでも洗い流せますし、
濡れタオルやウェットシートなどで、加齢臭の多い頭・胸・脇・耳・首・背中などを拭く事でノネナールを落とし、一時的に加齢臭を取り除く事ができます。
ただ、ノネナールの基となる不飽和脂肪酸は脂溶性ですので、石鹸などを使わないと洗い流せません。
ノネナールの発生を防ぐには、必ず脂分を落とせるボディーシャンプーや石鹸などを使って洗い流しましょう。
頭も同様で、必ずシャンプーを使って脂分を落として下さい。
消臭スプレーとしては、ノネナールの臭いを97%消してくれる
双美商会の消臭剤「リセッティア」がオススメです。
ペラルゴン酸の臭いを防ぐ
ペラルゴン酸は、皮脂腺から分泌された皮脂が酸化して発生します。
この酸化は、体内のコレステロールや中性脂肪などの皮脂が活性酸素によって酸化される事で起こります。
これを防ぐには、まず皮脂を落とすために、こまめにシャワーや入浴をして、脂分が落とせる石鹸で胸・脇・耳・首・背中を、シャンプーで頭を洗う事です。
皮脂腺が詰まると皮脂を酸化させる活性酸素が発生しやすくなるので、身体を清潔に保つ事は一石二鳥になります。
また、活性酸素を発生させないようにする「抗酸化」のためには生活習慣も大事で、
・規則正しい生活
・バランスの良い食事
・ストレス解消
・紫外線を防ぐ
などが、抗酸化に効果があります。
ペラルゴン酸の臭いを消臭するためには、「メマツヨイグサ」が配合された消臭剤が有効で、
ライオンから、シャンプー・コンディショナー・デオドラントソープ・デオドラントミスト・デオドラントボディーシートなどが発売されています。
ジアセチルの臭いを防ぐ
ジアセチルは、汗の中の「乳酸」と「ブドウ球菌」という皮膚にいる細菌の反応で生まれますので、
まずは汗を残さないようにする事と、皮膚の表面に居る細菌を増やさないようにする事が大事ですので、
シャワーや入浴で、石鹸・シャンプーを使って、頭・胸・脇・耳・首・背中を清潔に保つ事が重要です。
更に、臭いの原料となる乳酸を増やさないためには、有酸素運動が重要ですので、ウォーキング・ジョギング・水泳などの有酸素運動の運動習慣を身に付ける事も大事です。
ジアセチルの消臭には、フラボノイド・ケイヒ・カンゾウなどの植物由来の成分が効果的で、
さらに、白色活性炭も効果があるようで、マンダムからこれらの成分が配合されたデオドラント商品が発売されています。
また、シキボウ株式会社がマンダムと共同開発した消臭加工繊維「スーパーアニエールM」は、ジアセチルに対して消臭率90%以上の効果を発揮するようです。
加齢臭を防ぐ効果的な方法は?加齢臭の予防策をわかりやすく解説します! まとめ
1 加齢臭とは?
加齢臭とは、主に男性では40歳以降、女性では閉経後に増加するノネナールという成分が基になる、古本・古い衣服・ろうそく・チーズのような体臭の事です。
その他、ペラルゴン酸やジアセチルという物質も加齢臭の原因になっているという研究もありますが、これらは主に30代~40代の男性に限られる体臭です。
1.1 ノネナール
ノネナールは皮膚表面に見られる、不飽和脂肪酸の酸化によって生じます。
1.2 ペラルゴン酸
紫外線・ストレス・生活習慣の乱れにより、皮脂が酸化する事で発生します。
1.3 ジアセチル
、汗の中の「乳酸」と「ブドウ球菌」という皮膚にいる細菌の反応で生まれます。
2 加齢臭が臭う部位は?
皮脂が多い・汗をかきやすいところで、頭・胸・脇・耳・首・背中で臭います。
体臭の元となるアポクリン腺と混同されますが、アポクリン腺の働きは加齢臭とはあまり関連がありません。
3 加齢臭を防ぐには?
加齢臭の原因となっているノネナール・ペラルゴン酸・ジアセチルを、加齢臭が発生する事が多い、頭・胸・脇・耳・首・背中で、出さないようにする事です。
3.1 ノネナールの臭いを防ぐ
ノネナールの発生を防ぐには、必ず脂分を落とせるボディーシャンプーや石鹸などを使って洗い流しましょう。
消臭スプレーとしては、ノネナールの臭いを97%消してくれる
双美商会の消臭剤「リセッティア」がオススメです。
3.2 ペラルゴン酸の臭いを防ぐ
こまめにシャワーや入浴をして、脂分が落とせる石鹸で身体を、シャンプーで頭を洗う事です。
皮脂腺が詰まると皮脂を酸化させる活性酸素が発生しやすくなるので、身体を清潔に保つ事は一石二鳥になります。
ペラルゴン酸の臭いを消臭するためには、「メマツヨイグサ」が配合された消臭剤が有効です。
3.3 ジアセチルの臭いを防ぐ
汗を残さないようにする事と、皮膚の表面に居る細菌を増やさないようにする事が大事ですので、シャワーや入浴で石鹸を使って身体の表面を清潔に保つ事が重要です。
臭いの原料となる乳酸を増やさないためには、有酸素運動が重要ですので、ウォーキング・ジョギング・水泳などの有酸素運動の運動習慣を身に付ける事も大事です。
消臭には、フラボノイド・ケイヒ・カンゾウなどの植物由来の成分が効果的で、さらに、白色活性炭も効果があるようで、マンダムからこれらの成分が配合されたデオドラント商品が発売されています。
実は、私がお世話になっている患者さん方は、介護サービスでお風呂に入れるのが、週に2~3回ですので、
皆さん体臭は気にされていますが、加齢臭を気にされる方はあまりいらっしゃいません。
更に、80代以上になると、「加齢臭なんか気にする歳でもない」とも、おっしゃいます。
患者さん方と体臭の話をする度、私自身「加齢臭が気になる」という健康や年齢に余裕がある事に感謝しています!