我々が高齢者の方への対応をする時、男性と女性で対応を変えています。
それは、男性と女性では脳の働きが違うため、同じコミュニケーションでも反応が変わるからです。
この男女差を、現場でどう活かしているのか、実際の現場の例を基に解説します!
目次
男性は競争が好き?女性は共感が好き?
デイサービスなど、複数の高齢者が集まる場所でのレクレーションなどでは、どう盛り上って頂けるか?がカギになります。
そんな時、男性には競争させ、女性には共感させる事で盛り上りが変わります。
男性は競争が好き!
男性ホルモンのテストステロンは競争心を高め、周囲に比べて1番になりたいという心情を生み出します。
また、ゲームに負けた相手が悔しがっている姿を見ると、側坐核という脳の一部が刺激され、気持ちよく感じます。
高齢者の男性がレクレーションで盛り上ってもらう為には、これらを利用して順位をつけるゲームの要素を入れます。
在宅など、1人で取り組むものは、
「同じような状況の方は、ここまで良くなっています」
などと、競争心が煽られるような情報を伝えます。
女性は共感が好き!
女性ホルモンのエストロゲンは、協調性を大切にするホルモンで、みんなと一緒であることに安心する傾向が強く出ます。
また、ゲームなどを行うと女性は、前帯状皮質という情感に強く反応する脳の部分が活動し、ゲームに負けた人へ「かわいそう」という感情が強くなります。
これらのため、女性へのレクレーションは他の人と比較せず、順位も付けず、みんなで一緒に盛り上れるようなものを選択します。
在宅などで1人の場合は、
「他の同じ病気の人も、これと同じ事をして頑張っていますよ」
と、共感を得られるような言葉かけをします。
喜びを、男性は自慢したい?女性は皆と分かち合いたい?
レクレーションが終わって次につなげるためには、レクレーションの結果をどう喜んでもらうか?がカギになります。
こんな時も、男性を喜ばせる方法と、女性を喜ばせる方法には違いがあります。
男性は自慢したい!
男性ホルモンとして、テストステロンというものがあります。
このテストステロンは闘争心を駆り立てる作用があり、他人に勝つ事に喜びを感じます。
ですので、ゲームで順位を付け、メダルや賞状などを大々的に授与する事で、やる気が増してきます。
デイサービスなどでメダルや賞状をもらって、自宅に帰って自慢するのはほとんどが男性ですね。
在宅などで1人の場合は、
「こんなに進歩が速い方は初めてです!」
というような、褒め方を心掛けていますし、
良い成果だけを奥様やご家族へ少しオーバー気味に伝えて良い気分になれるようにしています。
女性は皆と分かち合いたい!
女性ホルモンとして、エストロゲンというものがあります。
このエストロゲンは、協調性を大事にするホルモンですので、
女性はゲームなどで自分だけ表彰される事を嫌います。
ですので、レクレーションに参加した高齢者の女性を喜ばせるには、
チームで表彰したり、全体としてのレベルアップを褒めるように心掛けています。
在宅で1人で頑張っていらっしゃるようなケースでは、
「他の方々と同じペースで進んでいますから安心して下さい」
というような伝え方をしています。
ご主人やご家族にも、どれだけ協調しているかを強調して伝えます。
考え方は、男性は楽観的?女性は悲観的?
我々は高齢者の方と今後の話し合いをして、ご本人にも納得して頂いた上で、
頑張って頂かなければならない事がたくさんあります。
病気をお持ちの方は、病気の予後も含めて頑張っていただく事がなおさら大事になりますので、
男性への説明の仕方と女性への説明の仕方を変えています。
男性へはネガティブに伝える!
安心感を得るホルモンとして、オキシトシンというものがあります。
このオキシトシンの分泌は、男性に比べて女性はかなり少ない傾向があります。
今後の事を同じ言葉で伝えても、男性はオキシトシンが多く分泌されるため、楽観的に考える傾向があります。
ですので、男性にはネガティブな情報を選んで伝え
「これを回避するためには頑張らないといけません!」
という伝え方をします。
女性へはポジティブに伝える!
オキシトシンの分泌は、男性に比べて女性はかなり少ない傾向があります。
今後の事を伝えた時、女性はオキシトシンが少なく悲観的に考える傾向があります。
さらに、加齢でオキシトシンの分泌が減るので、高齢者の女性は、なおさら悲観的に考えてしまいます。
そこで、女性にはポジティブな部分の情報を伝えて
「〇〇を頑張れば実現できますから頑張りましょうね!」
という伝え方をするよう心掛けています。
理解してもらうには、男性は理論?女性は感情?
これも、高齢者の方にいろいろな事を説明する時に気を付けている事で、
男性には理論的に説明し、女性には感情に訴える説明の仕方をします。
男性は理論的
脳には右脳と左脳をつないで情報の交換をする「脳梁」というものがあります。
この脳梁が、男性は女性に比べて小さいため、右脳と左脳の情報交換が苦手です。
情報交換が苦手な事で、男性は言語中枢のある左脳だけで会話をしますので、感情が入らない理論的な会話を好みます。
ですので、男性の高齢者には、
「〇〇をすると〇〇になりますので、結果的に〇〇につながります」
というように理論的に話をしています。
女性は感情的
右脳と左脳の情報交換をする役割の脳梁は、男性より女性の方が大きいため、女性は右脳と左脳の情報交換を密にしています。
情報交換を密にしている事で、女性は右脳も左脳も両方使って会話をします。
右脳も左脳も使って会話をする事で、会話に必要な情報だけではなく、感情という他の情報も入ってきますので、
女性は会話に感情が混じり、理論的にまとまった会話が苦手となります。
ですので、女性の高齢者には、
「本当に〇〇って大変ですよね・・・。その辛い〇〇を私と一緒に解決していきましょうね」
というように感情に訴えかけるような伝え方をしています。
これらをまとめますと・・・
男性は、
・良い成果だけを他人にわかるような形で、オーバー気味に披露する。
・ネガティブな情報でレベルアップを促す。
・情報は理論的に説明する。
女性は、
・皆と一緒だという協調性を大事にする。
・情報はポジティブに伝え安心を誘う。
・感情に訴える伝え方をする。
というコミュニケーションが大事になります。
高齢者への対応って男性と女性では違うんです!現場では男女脳の違いを活かしています! まとめ
1 男性は競争が好き?女性は共感が好き?
デイサービスなど、複数の高齢者が集まる場所でのレクレーションなどでは、男性には競争させ、女性には共感させる事で盛り上りが変わります。
1.1 男性は競争が好き!
男性ホルモンのテストステロンは競争心を高め、周囲に比べて1番になりたいという心情を生み出します。また、ゲームに負けた相手が悔しがっている姿を見ると、側坐核という脳の一部が刺激され、気持ちよく感じますので、競争心が煽られるような情報を伝えます。
1.2 女性は共感が好き!
女性ホルモンのエストロゲンは、協調性を大切にするホルモンで、みんなと一緒であることに安心する傾向が強く出ます。また、ゲームなどを行うと女性は、前帯状皮質という情感に強く反応する脳の部分が活動し、ゲームに負けた人へ「かわいそう」という感情が強くなりますので、共感を得られるような言葉かけをします。
2 喜びを、男性は自慢したい?女性は皆と分かち合いたい?
男性を喜ばせる方法と、女性を喜ばせる方法には違いがあります。
2.1 男性は自慢したい!
ストステロンは闘争心を駆り立てる作用があり、他人に勝つ事に喜びを感じますので、良い成果だけを奥様やご家族へ少しオーバー気味に伝えて良い気分になれるようにしています。
2.2 女性は皆と分かち合いたい!
エストロゲンは、協調性を大事にするホルモンですので、女性はゲームなどで自分だけ表彰される事を嫌いますから、ご主人やご家族にも、どれだけ協調しているかを強調して伝えます。
3 考え方は、男性は楽観的?女性は悲観的?
病気をお持ちの方は、病気の予後も含めて頑張っていただく事がなおさら大事になりますので、男性への説明の仕方と女性への説明の仕方を変えています。
3.1 男性へはネガティブに伝える!
男性はオキシトシンが多く分泌されるため、楽観的に考える傾向がありますので、男性にはネガティブな情報を選んで伝え「これを回避するためには頑張らないといけません!」という伝え方をします。
3.2 女性へはポジティブに伝える!
女性はオキシトシンが少なく悲観的に考える傾向がありますので、女性にはポジティブな部分の情報を伝えて「〇〇を頑張れば実現できますから頑張りましょうね!」という伝え方をするよう心掛けています。
4 理解してもらうには、男性は理論?女性は感情?
男性には理論的に説明し、女性には感情に訴える説明の仕方をします。
4.1 男性は理論的
脳梁が、男性は女性に比べて小さいため、言語中枢のある左脳だけで会話をしますので、感情が入らない理論的な会話を好みます。
4.2 女性は感情的
脳梁は、男性より女性の方が大きいため、女性は右脳も左脳も両方使うので、会話に感情が混じり、理論的にまとまった会話が苦手となります。
5 これらをまとめますと・・・
男性は、
・競争心を煽る。
・良い成果だけを他人にわかるような形で、オーバー気味に披露する。
・ネガティブな情報でレベルアップを促す。
・情報は理論的に説明する。
女性は、
・他の人と比較しない。
・皆と一緒だという協調性を大事にする。
・情報はポジティブに伝え安心を誘う。
・感情に訴える伝え方をする。
というコミュニケーションが大事になります。
高齢者の方々や障害者の方々に、少しでも気持ちよく・確実に改善していただきたいので、
脳科学や心理学など様々な理論を応用してコミュニケーションを取らせていただいていますが、
もちろんこれらの理論は一般的なものですので、傾向として参考になる程度の効果しかありません。
コミュニケーションは、人間としての尊厳や個人々の価値観や考え方を、
「どう感じて」
それを大事にしながら
「どう伝えるか」
が、大事だと毎日、気を引き締めながらお付き合いをさせていただいています♪