高齢者の低栄養でタンパク質不足が急増!?元気でいるための改善策とは?

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我々が仕事でお伺いする独り暮らしの高齢者の方々は、食事に興味が無い方が非常に多いです。

独り暮らしだと、

「料理を作るのが面倒くさい」

「さっさと軽くすませたい」

「独りで食べる食事は美味しくない」

 

と、いうのがほとんどの方がおっしゃる理由です。

そんな独り暮らしの高齢者で問題になっているのが「栄養失調」で、

医学的な言葉で言うと「低栄養」と呼びます。

この飽食の時代に、なぜ低栄養になるのでしょうか?

何の栄養が不足しているのでしょうか?

予防はできないのでしょうか?

低栄養とは?

低栄養とは、体を動かすために必要なエネルギーやタンパク質、健康維持に必要なビタミン、ミネラルなどの栄養素が不足した状態を言います。


出展:福山言語・摂食・嚥下相談室

戦後には栄養失調は珍しくありませんでしたが、現代では、「飽食の時代」と言われる世の中になりました。

しかし、70歳以上の3~4人に1人程度に低栄養の危険があると言われています。

低栄養の危険性

東北大学などの調査では、ちゃんと栄養が摂れている人と、栄養が低い人を比較すると、要介護になったり命に関わる可能性が2.3倍も高くなるという報告があります。

低栄養になると、

・体重が落ちる(痩せる)
・動けなくなる(筋力の低下)
・風邪や肺炎などにかかりやすい(免疫力の低下)
・傷が治りにくい(細胞の再生が遅い)
・骨折しやすい(骨が弱くなる)
・元気が出ない(全身の体力が落ちる)
・意識障害が出る(低血糖になる)

などの症状が出ます。

低栄養の症状として、筋肉量の減少(筋力低下)により、体全体の機能が低下する、サルコペニア(筋肉量減弱症)というものがあります。

このサルコペニアのチェック方法として、指輪っかテストというものがあります。


出展:kiwpie

これは、低栄養のひとつの目安にしか過ぎませんが、

「最近、何か疲れやすいな・・・」
「動くのが辛いな・・・」

なんて事が気になっていたら、一度試してみて下さい。

更に、このサルコペニアは、動かない事で食欲が落ちて、もっと動けなくなるという悪循環にも陥りやすいです。


出展:kiwpie

高齢者になると、ただでさえ体力や免疫力が落ちるのに、

低栄養で体力や免疫力が落ちれば、動けなくなるリスクは数十倍にも高まります。

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低栄養で一番足りないのはタンパク質

上記で挙げた

・体重が落ちる(痩せる)
・動けなくなる(筋力の低下)
・風邪や肺炎などにかかりやすい(免疫力の低下)
・傷が治りにくい(細胞の再生が遅い)
・骨折しやすい(骨が弱くなる)
・元気が出ない(全身の体力が落ちる)

は、意識障害が出る(低血糖になる)以外、全てタンパク質が不足している時に出る症状です。

高齢者で低栄養の方がよく言われるのは、

「私はよく食べているのに何で栄養失調になるの?」

という言葉です。

食事の量も普通でキチンと3食とも食べていても、

高齢者の場合、どうしてもタンパク質が不足してしまうのです。

なぜ、高齢者はタンパク質が不足してしまうのでしょうか?

タンパク質が不足する原因

タンパク質が不足する原因は、高齢者の食生活にあります。

タンパク質を含む食品は、

肉類・魚介類・卵類・大豆製品・乳製品

が挙げられます。

この中で最もタンパク質を摂れるのは肉類ですが、

高齢者は歯や胃腸が弱っている事で肉類を好まなくなります。

肉の次にタンパク質を摂れる魚介類も、一日のうち一食ほどしか食べないのが普通です。

特に、独り暮らしになると、

「料理を作るのが面倒くさい・・・」
「独りで食べる食事は美味しくない・・・」

という理由で、

食事そのものが簡素になりますので、肉類や魚介類をあまり食べなくなりますし、

食べる量も減りますので、必要な栄養を確保する事が難しくなります。

タンパク質の役割

肉や魚などのタンパク質を食べると、胃と十二指腸で消化されてアミノ酸に分解されます。

分解されたアミノ酸は小腸で吸収されて、血液に乗って肝臓へ送られ、肝臓で身体に必要な形のタンパク質に組み立て直して、全身に送られます。

タンパク質は50万種類以上あり人間の身体でも3万~10万種類のたんぱく質が働いています。

人間の身体の中でのタンパク質の働きは、

・筋肉を動かす
・栄養や酸素を運ぶ
・細胞を正常に保つ
・ウイルスなどから身体を守る
・成長を促す
・ホルモンを調整する
・血管や内臓の構造を維持する
・酵素を作る
・光・匂い・味などを感じる

など、生命活動を維持するために、たくさんの働きをしていますので、低栄養でタンパク質が不足すると、身体に様々な弊害が出てしまうのです。

アルブミンの値に注意

では、タンパク質が不足しているかどうかをどうやって知れば良いかといいますと、

病院で検査をするか、健康診断の血液検査の結果を見るしかありません。

血液検査項目の中にある「アルブミン」でタンパク質が不足しているかどうかがわかります。

正常なアルブミン値は、4.0g/dlで、3.5g/dl以下になると栄養障害が疑われます。

アルブミンとは血液中のタンパク質で、アルブミンの量は高齢者の健康に深く関わっています。

アメリカでの調査として、4000人以上を調べたところ、

アルブミンが低い人は、高い人に比べて心臓病の危険度が男性1.2~女性2.5倍になることが報告されています。

また、肺炎のかかりやすさも、65歳以上の高齢者の160人で調べたところ、アルブミンが少ない人は、高い人に比べて9倍も肺炎になりやすいという調査結果も出ています。

タンパク質不足の予防

タンパク質が不足しないように食事に気を付ける事が大事なのですが、

高齢者が栄養素まで考えて食事を管理する事はなかなか難しいです。

そこで、東京都健康医療長寿センターが推奨して各地で結果を出している方法として、

「10食品群チェックシート」

を使った方法が効果を上げています。

北九州市では、市が65歳以上の高齢者の方々に、この10食品群チェックシートを配ったところ、

たんぱく質の摂取量が増加して低栄養の恐れがあった人が、

2012年32.3% → 2013年21.8% → 2014年19.4%


と、大きく減った実績を残しています。

10食品群チェックシートとは、

肉・卵・牛乳・油・魚・大豆・緑黄色野菜・芋・果物・海藻

という10食品を、食べた量は関係なく、それぞれを食べたかどうか〇をつけて毎日チェックするというものです。


出展:NHK ガッテン!

NHK チェックシートダウンロードページ

1日の食事で、この10食品のうち7食品を食べられるように意識しながら食べるとタンパク質が不足せずに済むというものです。

この10食品チェックシートの利点としては、

肉・卵・牛乳・魚・大豆の5食品がタンパク質で、

油・緑黄色野菜・芋・果物・海藻はタンパク質を効率的に働かせるための5食品、

チェックシートに〇を付ける事で、

自分が何を食べたか?
何が食べられていないか?

これらの食品を意識できるという事です。

例えば、

朝ご飯で「芋・緑黄色野菜・海藻」を食べて、

昼ごはんで「卵・牛乳・魚」を食べたとしたら、

食べていない食品は「肉・大豆・油・果物」になり、

間食や晩ごはんで肉・大豆・油・果物を選んで食べれば良いので、

バランスよく食べるための食品を選べるわけです。

さらに、このチェックシートを家族やヘルパーさんなど他人の目につくところに貼っておけば、

家族やヘルパーさんがお手伝いしてくれるという事も期待できます。

ただし、タンパク質を食べ過ぎるのも健康に悪い影響がある場合もありますので、お医者さんと相談して量を決めることが必要です。

特に、腎機能が落ちている病気がある方は、タンパク質の摂り過ぎが病気を悪くしてしまいますので、主治医とよく相談して下さい。

高齢者の低栄養でタンパク質不足が急増!?元気でいるための改善策とは? まとめ

まとめ

1 低栄養とは?
体を動かすために必要なエネルギーやタンパク質、健康維持に必要なビタミン、ミネラルなどの栄養素が不足した状態を言います。

2 低栄養の危険性
東北大学などの調査では、ちゃんと栄養が摂れている人と、栄養が低い人を比較すると、要介護になったり命に関わる可能性が2.3倍も高くなるという報告があります。
高齢者になると、ただでさえ体力や免疫力が落ちるのに、低栄養で体力や免疫力が落ちれば、動けなくなるリスクは数十倍にも高まります。

3 低栄養で一番足りないのはタンパク質
食事の量も普通でキチンと3食とも食べていても、高齢者の場合、どうしてもタンパク質が不足してしまうのです。

4 タンパク質が不足する原因
最もタンパク質を摂れるのは肉類ですが、高齢者は歯や胃腸が弱っている事で肉類を好まなくなります。
肉の次にタンパク質を摂れる魚介類も、一日のうち一食ほどしか食べないのが普通です。
特に、独り暮らしになると、「料理を作るのが面倒くさい・・・」「独りで食べる食事は美味しくない・・・」という理由で、食事そのものが簡素になりますので、肉類や魚介類をあまり食べなくなりますし、食べる量も減りますので、必要な栄養を確保する事が難しくなります。

5 タンパク質の役割
生命活動を維持するために、たくさんの働きをしていますので、低栄養でタンパク質が不足すると、身体に様々な弊害が出てしまうのです。

6 アルブミンの値に注意
血液検査項目の中にある「アルブミン」でタンパク質が不足しているかどうかがわかります。
正常なアルブミン値は、4.0g/dlで、3.5g/dl以下になると栄養障害が疑われます。

7 タンパク質不足の予防
「10食品群チェックシート」を使った方法が効果を上げています。
チェックシートに〇を付ける事で、自分が何を食べたか?何が食べられていないか?を意識でき、バランスよく食べるための食品を選べるわけです。

高齢者の低栄養はテレビでも取り上げられるほどの問題となっています。

もし、ご家族にご高齢の方がいらっしゃたら、

タンパク質を積極的に摂るように勧めてあげて下さいね♪

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