血栓を作らないようにして脳梗塞を防ぐ!寝たきりにならない為の予防策とは?

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脳梗塞は、厚生労働省発表の「人口動態統計の概況」によると

毎年50万人が発症し、平成27年には6万4,523人の方が死亡され、

運よく生き残っても重い後遺症で介護が必要になる事が多くあります。

寝たきりの原因の約30%を締め、年間医療費の1割を占めるなど、医療・福祉の面でも大きな課題となっています。

私達が仕事でお世話になっている患者さんも、脳梗塞の方々が非常に多いですし、

脳梗塞で寝たきりになってしまわれている方もたくさんいらっしゃいます。

脳梗塞とはいったいどんな病気なのでしょう?

脳梗塞の原因は?

改善策はあるのでしょうか?

脳梗塞とは?

脳梗塞とは、
脳に栄養を送る動脈が詰まったり狭くなって、脳への血流が止まり、
脳に必要な酸素や栄養が不足して、脳細胞が壊死する病気
です。

脳細胞が壊死すると、壊死した部分が司っていた機能が使えなくなり、

・片麻痺
・意識障害
・高次脳機能障害

などの症状が出ます。

脳梗塞は、

・心原性脳塞栓
・ラクナ梗塞
・アテローム血栓性脳梗塞
・その他

に分類され、その他を除いて「血栓」が血管を塞ぐ事が原因となります。

血栓とは?

本来、血栓は血管の中の壁が壊れた時に、止血のために作られます。

止血の役目が終わると溶ける性質(線溶作用)を持っていますが、

この作用が働かないと、血栓が血管を塞ぎ、脳梗塞や心筋梗塞などの病気を引き起こします。

血管を塞ぐほどの血栓ができる主な原因としては、

・高血圧
・高血糖
・脂質異常

が挙げられます。


この3つが揃うと「死の三重奏」とも言われ、寿命を縮めるリスクが高い状態になります。

では、原因をひとつずつ説明します。

高血圧

血圧とは、血管の中を血液が流れる時の圧力で、

正常な血圧は、

収縮期血圧:140mmHg未満
拡張期血圧:90mmHg未満

ですが、これを上回ると高血圧となります。

日本では4000万人が高血圧だと言われており、日本人の約3人に1人が高血圧だという事になります。

高血圧は、原因が明確にわかっていない本態性高血圧症が、割合として1番多いのですが、

遺伝的な体質を除いて、

・食生活の乱れ
・運動不足
・喫煙

が原因だと言われています。

高血圧の状態が続くと、血液の圧力に耐えるために血管壁が厚くなる事で、動脈硬化という状態になり、
肥大した血管の内壁が剥がれて血栓ができるという事です。


出展:CTEPH.jp

高血糖

血糖の正常値は、
空腹時で80~110 mg/dLとされていますが、

空腹時で126 mg/dL 以上の血糖値が高血糖となります。

敗血症・脳卒中などの病気や薬剤性でも高血糖になる事がありますが、糖尿病が原因となる事がほとんどです。

高血糖の状態が続くと、糖が血管の内壁に付着して、活性酸素を作り出します。

活性酸素で炎症を起こした血管の内膜に白血球が入り込み、マクロファージとなってコレステロールを引き寄せ、

コレステロールの原料である脂質が、血管の内膜にこびり付き動脈硬化になります。

動脈硬化になると、血管の内壁が分厚くなる事で血栓となり、
分厚くなった血栓がだんだん血管の内径を狭くして、
血が通りにくくなったり、止まってしまったりします。

出展:St. Jude Medical

脂質異常


出展:三島総合病院 

脂質異常というのは、LDLコレステロール(悪玉コレステロール)や中性脂肪が増えすぎていたり、HDLコレステロール(善玉コレステロール)が少なすぎる状態です。

血中にLDLコレステロールや中性脂肪が増えると、血管の内壁にコレステロールが付着して、プラークという状態を作り出します。

このプラークは非常に破れやすく、血流の圧力で剥がれたものが血栓になります。


出展:横山内科

この他、水分不足と、血の流れが滞る事が重なると、

高齢者では「心房細動」

若く健康でも起こるものとして「エコノミークラス症候群」

などが、きっかけとなって血栓ができてしまい、脳梗塞・心筋梗塞・肺塞栓症などの病気に結び付きます。

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血栓ができないようにするには?

血栓ができないようにするためには、主な原因である

・高血圧
・高血糖
・脂質異常

を改善すれば良いわけです。

では、それぞれの防ぎ方を説明します。

高血圧の改善策

高血圧を改善するためには、

・正しい食生活
・適度な運動
・禁煙
・服薬

の4つが大事になります。

正しい食生活

高血圧を改善するための食事で大事なのは、何と言っても減塩です。

本高血圧学会のガイドラインでは、1日当たりの塩分(食塩)摂取量の目標を「6g未満」と設定していますが、少なければ少ないほど良いとされています。

また、高血圧改善に大事な栄養素は「カリウム」です。

カリウムは、野菜や果物に豊富に含まれますが、余分な塩分や水分の排出を促して血圧を下げる効果があります。

適度な運動

高血圧改善のための運動の効果として、

・副交感神経の働きを促して血管を拡張し、血圧を下げる。

・インスリンの効きが良くなり、インスリンの分泌量を少なくする事で、血圧上昇機能の働きが弱くなる。

・発汗や利尿作用により、体液量が低下して、血圧を下げる。


などが期待できます。

これらの効果を出すための運動としては、有酸素運動が最適で、

・ウォーキング
・軽いジョギング
・ゆっくりしたサイクリング
・水中ウォーキング

など、軽い負荷の有酸素運動が挙げられます。

運動の強さと量は、

・軽く息が弾む程度の運動
・1回30分程度
・毎日

の実行が理想です。

激しい運動は、血圧を上げる事に繋がりますので、

無理のない軽い運動を心掛けましょう。

禁煙

タバコに含まれるニコチンは、脳内でアセチルコリンという神経伝達物質の代わりをします。

タバコを吸っていると、脳はニコチンとアセチルコリンを合わせた量が神経伝達物質の通常の量だと思ってしまいます。

そこで、禁煙してニコチンの量が少なくなると、神経伝達物質の量が減ったと、脳は勘違いしてしまいます。

タバコを吸えないとイライラするのはこれが原因で、
ニコチンが入って来ない事に脳が慣れるには、1ヶ月かかると言われています
ので、

1ヶ月は頑張って禁煙をすれば、そのまま禁煙を続けられるという事です。

禁煙する時には、心理的効果も利用して下さい。

方法は、禁煙を友人やご家族に宣言して、大げさに褒めてもらえるように頼んで下さい。

そうすれば、期待される事で成果が出やすい「ピグマリオン効果」と、

褒められた時に脳から出るドーパミンが、禁煙を助ける強い味方になってくれます。

服薬

病院から出される第一選択薬として一般的には、

・カルシウム拮抗薬
・アンジオテンシン変換酵素阻害薬
・アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬
・利尿薬

が出されますが、

血圧の状態や、体質、他に持っている疾患の薬との飲み合わせ等で、いろいろな組み合わせがあります。

ですので、必ず病院を受診して、主治医と話し合いながら服薬して下さい。

高血糖の改善策

高血糖の改善策としては、何と言っても

・食事の摂り方
・運動習慣

の2つが大事です。

食事の摂り方

ダイエット目的ではなく、高血糖対策だけにターゲットを絞った食事は、

ご飯・パン・イモ類などの炭水化物や甘い物を抑える「糖質制限食」で十分効果があります。

糖質制限食ではキツければ、「ロカボ」という緩やかな糖質制限の方法もあります。

「ロカボ」は、ローソン・イオン・すき屋など、ロカボパートナーとして多くの企業が力を入れており、たくさんのロカボ商品を販売しています。

運動習慣

運動としては、

・ジョギング
・ランニング
・サイクリング
・水泳

など、中強度の有酸素運動挙げられます。

運動の強さと量は、

・息が弾むが、話は何とかできる程度の運動
・週3回以上、合計で180分以上

を、実行する事が理想です。

この他の注意点として、

糖尿病などで膵臓の機能が落ちている場合は、リパーゼ(脂肪の消化酵素)の分泌も落ちている可能性がありますので、

脂肪を効率よく消化できない可能性がある事も頭に入れておいて下さい。

脂質異常の改善策

脂質異常の改善には、

・食習慣の改善
・運動
・ダイエット

が大事になります。

食習慣の改善

脂質は身体に必要なもので、

脂質の摂取を抑え過ぎると、体内でのコレステロール生成が高まりますので、少しは脂質を摂取するのが理想です。

1日の脂質摂取量は300mgが目安ですので、食品の成分表をよく見ながら摂取して下さい。

運動

運動としては、

・ジョギング
・ランニング
・サイクリング
・水泳

など、中強度の有酸素運動挙げられます。

運動の量は、
・息は弾んでいるけど、話は何とかできる
・週5日、1回1時間以上

などの有酸素運動が必要ですが、

運動を習慣化して、毎日続ける事が大事ですので、心理的な効果も利用します。

心理的な方法とは、ちょっと高いお金を出してウェアやシューズを買う事です。

運動を続けるために、「高いもの買ったんだから、もったいない」という「コンコルド効果」という心理効果を利用します。

3か月続ければ運動習慣として身に付きますので、3ヵ月は歯を食いしばって頑張って下さい。

ダイエット

肥満がある場合は、脂肪肝で肝機能が落ちている可能性があります。

肝機能が落ちていると、脂質を処理できず、食事や運動で脂質を抑えても、コレステロールが減らない事があります。

上記に挙げた食生活と、運動を続ければダイエット効果も期待できます。

血栓を作らないようにして脳梗塞を防ぐ!寝たきりにならない為の予防策とは? まとめ

まとめ

1 脳梗塞とは?
脳に栄養を送る動脈が詰まったり狭くなって、脳への血流が止まって、脳に必要な酸素や栄養が不足して、脳細胞が壊死する病気。
「血栓」が血管を塞ぐ事が原因。

2 血栓とは?
分かりやすく言うと「血の塊」
血管を塞ぐほどの血栓ができる主な原因としては、高血圧・高血糖・脂質異常が挙げられ、この3つが揃うと「死の三重奏」と言われ、寿命を縮めるリスクが高い状態になる。

2.1 高血圧
高血圧の状態が続くと、血管が血液の圧力に耐えるために血管壁が厚くなり、動脈硬化という状態になり、動脈硬化で肥大した血管の内壁が剥がれて血栓ができる。

2.2 高血糖
動脈硬化になると、血管の内壁が分厚くなり血栓となって、血栓がだんだん血管の内径を狭くして、血が通るのを邪魔する。

2.3 脂質異常
血管の内壁にコレステロールが付着してプラークという状態を作り、血液の圧力で剥げて、剥げたものが血栓になる。

3 血栓ができないようにするには?
血栓ができないようにするためには、主な原因である高血圧・高血糖・脂質異常を防げば良い。

3.1 高血圧の改善策
正しい食生活・適度な運動・禁煙・服薬の4つが大事

3.2 高血糖の改善策
食事の摂り方・運動習慣の2つが大事

3.3 脂質異常の改善策
食習慣の改善・運動・ダイエットが大事

脳梗塞の患者さんは非常に多く、街を歩いていても片麻痺の方をよく見掛けますが、不自由な身体で頑張っていらしゃいます。

ただ、街を歩けるほどの後遺症なら軽い方で、寝たきりで家から出られない方もたくさんいらっしゃり、

私は、仕事上でも脳梗塞の後遺症の大変さは痛いほど感じています。

脳梗塞は、正しい食事、運動習慣、禁煙などの生活習慣を整える事で、かなりの確率で防げる病気です。

私も暴飲暴食に溺れているひとりですから、偉そうな事は言えませんが(笑)

脳梗塞で寝たきりになりたくなければ、頑張るしかありませんね!

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