最近、口の老化にスポットがあたっています。
確かに、口は身体のエネルギーとなる食物を摂取するために大事な器官ですし、
「年齢は口元から」
というフレーズもよく聞きますよね?
口の衰えにスポットを当てた「オーラルフレイル」というものをご存知ですか?
オーラルフレイルとは、どんなのもでしょう?
口の問題は、どんな病気に繋がるのでしょう?
目次
オーラルフレイルとは?
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オーラルフレイルとは、東京大学高齢社会総合研究機構の辻哲夫特任教授・飯島勝矢教授らの調査を基に、
厚生労働科学研究によって示されている口(オーラル)の衰え(フレイル)の事です。
オーラルフレイルは、健康と病気の中間の状態で、口に関する異常を感じたら、その異常に対処する事で病気まで至らないようにできるいうのが最大の特徴です。
口に関する異常とは、
・滑舌が悪くなる
・食べこぼしが多くなる
・ムセが目立つ
・固い食品が噛めなくなる
・口が乾燥する
・味覚障害
等の、誰でもあるような状態ですが、
これらが大きな病気に繋がる可能性があるのです。
滑舌が悪くなる
滑舌が悪くなるのは、脳卒中など脳の病気は有名ですが、口の病気としては文字通り「舌」の病気の可能性があります。
口内炎
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口内炎は、アフタとも呼ばれ、粘膜の炎症や腫瘍、痛みが、頬・唇の内側・舌・歯茎などに出ます。
原因は、はっきり分かっていませんが、ストレスや睡眠不足で免疫力が低下する事やビタミンB2の不足が原因と言われています。
舌癌
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舌癌の原因はまだ明らかになっていませんが、飲酒・喫煙などの化学物質的な刺激や、歯並びの悪さや義歯が合わず、慢性的に機械的な刺激が加わる事が要因なのではないかと考えられています。
粘膜の炎症や腫瘍、痛みもあり症状は口内炎と似ていますが、口内炎のように数日では治らない事や、舌の縁にできる事が多いのが特徴です。
カンジタ症
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カンジタ症は、カンジダ・アルビカンスというカビの菌によって起こる病気です。症状としては、舌の表が白くなる舌苔(ぜったい)ができ、舌や口の中の粘膜に強い痛みが生じる事で、舌を動かす事が困難になり滑舌を悪くします。
食べこぼしが多くなる
食べこぼしも一番最初に疑われるのは脳の病気ですが、唇の病気でも食べこぼしが多くなります。
口角炎
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口角炎は、広角の粘膜や皮膚にただれが生じます。
原因は、睡眠不足やビタミンB2やB6の不足が原因だと言われていますが、粘膜や皮膚が乾燥していると口を開けた時に切れて、それが元になる事もあります。
口唇炎
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口唇炎は、唇に炎症が起こって荒れる症状が出ます。
原因は、リップなどが体質に合っていない事や、唇を舐める事ですが、アトピー性皮膚炎では出やすくなります。
口唇ヘルペス
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口唇ヘルペスは、唇に水膨れができてヒリヒリ痛みが出ます。
ヘルペスウイルスというウイルスが原因ですので、タオルや箸・コップなどで感染します。
ムセが目立つ
脳卒中やパーキンソン病などの難病でも嚥下障害でムセが出ますが、喉の病気の可能性があります。
咽頭ガン・喉頭ガン
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咽頭とは鼻や口の奥にある部分で上咽頭・中咽頭・下咽頭に分かれており、喉頭とは甲状軟骨先端(のどぼとけ)周囲の事で、ここに腫瘍ができるガンです。
腫瘍により、喉と気管を分ける蓋(喉頭蓋)の動きを邪魔するため、食べたものが気管に入りムセに繋がります。
扁桃肥大
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扁桃とは、咽頭にあるリンパ組織で体外から入ってくるウイルスや雑菌などを防ぐ器官です。
扁桃には、咽頭扁桃・耳管扁桃・口蓋扁桃・舌扁桃の4つがありますが、飲み込みに障害を与えるのは口蓋扁桃です。
この口蓋扁桃がウイルスや雑菌で炎症を起こすと腫れて食物を飲み込むと強い痛みで飲み込みを邪魔します。
逆流性食道炎
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逆流性食道炎とは、胃の入り口(噴門:ふんもん)が緩み、胃の中のものが胃液を一緒に食道に逆流する病気です。
逆流した胃液が、喉にまで達する事もあり、強い酸性に胃液が喉を傷つけ炎症を起こす事でムセの原因となります。
固い食品が噛めなくなる
歯周病
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歯周病とは、食べ物のカスなどが歯垢(プラーク)になり、歯垢の中の細菌が繁殖する事で起こる病気です。
歯茎の炎症をひきおおこし歯を支える事ができなくなったり、細菌が歯の根元の骨を溶かして歯が抜ける症状を引き起こします。
顎関節症
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顎関節症は、顎を動かすと耳の下の筋肉が痛む、大きく口を開けられない、口の開け閉めで顎の関節にカックンという音がする症状が出ます。
原因は、よくわかっていませんが、姿勢の悪さで自然に食いしばる事で、顎の関節に負担がかかり続ける事が有力だと言われています。
口が乾燥する
口が乾燥するのは、だ液の量が少なくなっている事が原因です。
だ液が少なくなるのは、加齢・更年期障害・ストレス・薬の副作用・糖尿病・腎不全などの原因が考えられますが、口の病気としては、以下のの病気が挙げられます。
また、口の乾燥は味覚障害にも繋がります。
シェーグレン症候群
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涙を作っている涙腺や、だ液を作っている唾液腺に炎症が起きて、涙やだ液の量が減る自己免疫疾患です。
このシェーグレン症候群は、指定難病として国に認められている病気で、関節リウマチや橋本甲状腺炎など他の自己免疫疾患と併発する場合がありますので注意が必要です。
細菌性・ウイルス性唾液腺炎
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口の中の細菌やウイルスが、耳下腺・顎下腺・舌下腺などの唾液腺の開口部から侵入して痛みや腫れが生じます。
唾液腺が腫れるとだ液の通りが悪くなり、唾液の量が減る事で口が乾きます。
唾石症
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唾液腺の中に石ができることによってだ液の量が少なくなります。
唾石の大きさは、砂粒大の小さなものから数cmの大きさに及ぶものまであります。
唾液腺腫瘍
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唾液腺腫瘍は、唾液腺に腫瘍が生じる事でだ液の量が減ります。
ほとんどの場合は良性ですが、悪性腫瘍の場合もあり、悪性は舌下腺に多くみられるという報告があります。
味覚障害
味覚障害は、味覚がわからなくなるだけではなく、味覚が過敏になってしまう事や、違う味がするなどがあり、味覚が全く感じられなくなる「味盲」という状態も指します。
味覚障害の原因には、加齢・中耳炎・薬の副作用・鉄欠乏性貧血・亜鉛不足・嗅覚の低下・消化器疾患・糖尿病・肝不全・腎不全・甲状腺疾患・顔面神経麻痺・脳梗塞・脳出血・聴神経腫瘍・糖尿病など多岐に渡りますが、口の問題としては、舌の病気が多くの原因となります。
舌痛症
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舌痛症は、舌の表面に痛みを感じる症状が出ますが、原因は不明です。
以前は心因性(ストレスなど)が原因と考えられていましたが、現在ではカンジタ真菌(カビ)が原因ではないかと言われています。
症状としては、口の中のヒリヒリした痛みや、ピリピリした不快な感覚が、1日に2時間以上で3カ月以上にわたって連日繰り返します。
カンジタ症
出展:miyake-naika.or.jp
カンジタ症は、カンジダ・アルビカンスというカビの菌によって起こりますが、舌痛症と同様に強い痛みが主症状ですが、味蕾(舌の味を感じる部分)にも障害を起こすため、味覚障害にも繋がります。
歯周病
出展:健造デンタルクリニック
歯周病になるという事は、口の中の環境が悪くなっている証拠です。
口の中の環境が悪くなると、舌に苔が生える(舌苔:ぜったい)量が増えて、味覚を感じる器官の味蕾を覆ってしまい、味覚障害に結び付きます。
如何でしたか?
普段、身近に起こっている口の問題で、あまり気にも留めないような事でも、
いろいろな病気の前兆かもしれない事が分かって頂けたでしょうか?
「いつもの事だから」
と、軽く考えずに症状が長く続く場合は、
「もしかして…」
と考えてみて下さい。
病気を悪化させるのに、何より怖いのは、
「自己診断」と「放ったらかし」です。
「おかしい…」
と、感じたらぜひ一度は病院を受診してみる事をオススメします。