花粉症の治療は薬やうがいだけじゃない 運動で花粉症を改善する?

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我々がお付き合いをしている患者さんも花粉症に悩まされている方がたくさんいらっしゃり、サポートの一部として、花粉症予防のアドバイスにも力を入れています。

花粉症の治療といえば、服薬やうがい、鼻うがいや洗眼などが思い浮かぶと思いますが、
運動で改善する方法もあります。

今回は、ご自宅でできる、花粉症を改善する為のかんたんな運動をご紹介いたします!

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運動で花粉症を改善?

花粉症は、自分の身体を守るためにある”IgE抗体”が異常反応を起こして発症する
アレルギー反応です。

なぜ、このアレルギー反応が出る人出ない人、軽い人重い人に分かれるかといいますと、

遺伝的に持っている先天的な抗体の型や反応の出方はありますが、

アレルギーが出る時の自律神経の乱れや、体力の低下も関わっています。

この自律神経の乱れや体力の低下は運動によって改善できますので、

花粉症も改善できるという事です。

自律神経って何?


出展:札幌あゆみ整骨院

自律神経とは心臓や肺、胃腸などの内臓や、血管・リンパ腺など
自分の意思とは関係無く働いている身体の部位を調整している神経系のことです。

体温・血圧・脈拍・発汗・呼吸・消化・内分泌・生殖機能など、

自分の意思ではコントロールできないところを調整して生命活動を維持しています。

この自律神経は、交感神経と副交感神経に分かれていて、

・交感神経は活動する時
・副交感神経は休息する時

に働く神経で、

この二つがバランス良く働いてくれていれば体も調子が良いのですが、

この二つのバランスが崩れると様々な変調が身体に現れます。


出展:介護ポストセブン

このバランスが著しく崩れた状態が「自律神経失調症」と呼ばれるもので、

倦怠感や不眠、動悸や頭痛、不整脈、食欲低下といった、さまざまな身体の不調だけではなく、鬱などの精神的な症状が出る事もあります。

自律神経を整えるにはどうすればいい?

自律神経を整えるには、日頃から

・ストレスを溜めない
・疲労を溜めない
・規則正しい生活

などを心がけることが大切ですが、分かっていても社会生活を送っていれば、これらを守る事は、なかなか難しいですよね。

そこで、生活習慣で乱れた自律神経を整えるために大事なのが、

リラックスする事です。

リラックスするためには、

・よく眠る
・休息を十分に取る
・ゆっくり入浴する
・趣味を楽しむ
・友達とおしゃべりをする

など、いろいろな方法がありますが、

運動でリラックスして、自律神経を整えるために大事なのは、

・姿勢
・呼吸

です。

姿勢を整えると、幸せホルモンとも呼ばれる「テストステロン」が増加して、ストレスを緩和し幸せな気分をもたらすと同時に、ストレスホルモンである「コルチゾール」を減少させるという研究結果を、社会心理学者エイミー・カディ教授が発表しています。

また呼吸は、普段は無意識に行っている呼吸を、意識的にコントロールする事で、自律神経の交感神経と副交感神経のバランスをとることが可能となります。

呼吸にも、胸式呼吸と腹式呼吸があり、

胸式呼吸は浅く短い呼吸で交感神経を優位にして緊張状態を生みますが、

深く長い腹式呼吸を意識する事で、副交感神経を優位にしてリラックスした状態を作れるわけです。

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自律神経を整える”リラックス体操”

では、実際に姿勢と呼吸を意識して自律神経を整える”リラックス体操”を2つご紹介致します。

このリラックス体操を行う際の注意点として、

①正しい姿勢を意識する。
正しい姿勢とは、
背筋を伸ばし胸を張った状態であごを引いた姿勢です。

の姿勢を取ると、肩と肩の間に頭がしっかり乗り、力を入れなくても頭が安定している事を感じます。

②呼吸は腹式呼吸を意識する。
息を吸う時はおなかを膨らませ、息を吐く時はおなかをへこませて、
「おなかで呼吸している」という事を意識しながら呼吸して下さい。

呼吸法は、ハーバード大学出身で健康医学研究者のアンドルー・ワイル氏が考案した478呼吸法を用います。

478呼吸法とは、4カウントで鼻から息を吸い、7カウント息を止めて、8カウントで口から吐き出すという呼吸法です。


今回は、リラックスを目的として行いますので、カウント=秒である必要はありません。

苦しくならないように自分の感覚でカウントして大丈夫です。

③動きにメリハリをつける。
身体をリラックスさせるためには、基本的にゆっくりした動きが大事ですが、

今回ご紹介する2つの運動のうちのひとつは、

「目いっぱい力を入れた後、急に力を抜く事で和らぐという」

神経の特性を利用した運動ですので、ゆっくりした動きと速い動きのメリハリが大事になります。

以上を意識しながら運動を実行して下さい。

リラックス体操で自律神経を整える

体幹をリラックスさせる体操

①まず、注意点①の正しい姿勢で椅子に腰かけます。

②次に、4カウントで鼻から息を吸いながら、頭の上に手を伸ばして、気持ちの良いところまで背伸びをします。

③背伸びした状態のまま、7カウント息を止めます。

④7カウント数え終わったら、8カウントで口から息を吐きながら身体を前に伸ばします。

①~⑤を4回繰り返して下さい。

4回繰り返す頃には、リラックスしている事が感じられるはずです。

4回よりも少ない回数でリラックスできたのを感じられたらそこで終了しても構いません。

4回以上やると疲労を感じて逆効果となりますから4回以上はやらないようにして下さい。

ここまで終えたら1分以上休憩をとって、次の肩の運動に移って下さい。

肩と首をリラックスさせる体操

①まず、注意点①の正しい姿勢で椅子に腰かけます。

②次に、鼻から4カウントで息を吸いながら、肩を目一杯上に持ち上げます。

③肩を目一杯持ち上げたまま、息を7カウント止めます。

④7カウント数え終わったら、一気に力を抜いて肩を落とします。
 力を下に入れて落とすのでではなく、
一気に力を抜いて腕と肩の重さでストンと下に落とす感じです。

⑤肩を落としたら、そのまま全身の力を抜き、8カウントかけてゆっくり口から息を吐きます。

①~⑤を8回繰り返して下さい。

8回繰り返す頃には、リラックスしている事が感じられるはずです。

8回よりも少ない回数でリラックスできたのを感じられたらそこで終了しても構いません。

8回以上やると疲労を感じて逆効果となりますから8回以上はやらないようにして下さい。

有酸素運動

自律神経を整えるためには、有酸素運動も効果的です。

ご紹介した2つの体操は、呼吸法を取り入れているため、有酸素運動の効果もあります。

実際にやってみると分かりますが、全て終わった時には軽く息が弾んでいるはずです。

実際の有酸素運動は、気分転換という心理的な意味も含めて、屋外でのウォーキングや軽いジョギングが望ましいですが、
屋外に出ると花粉を吸い込みに行くようなものですから、本末転倒となります。


もし、この運動以外にも有酸素運動がしたければ、縄跳びでも、スクワットでも、階段の昇り降りでも何でも構いません。


運動の量は、脈拍で測る(220-年齢×0.6~0.7)という測り方が一般的に語られていますが、
これはあくまでも一般的な定義で、実際には個人差がかなりあります。

心臓の悪い方などがこの定義通りに運動すると、心臓に負担をかける危険性もありますので、ご注意下さい。

そもそも、一般の方は脈を正確に取る事も難しいですし、脈拍を測る機器も持っていらっしゃらないでしょうから、他の方法で判断する方が良いと思います。

一般の方が、一番簡単に運動量を判断できるのは、

「呼吸の状態」

です。

”運動中、呼吸が軽く弾んでいる時に、おしゃべりが楽に出来るか?どうか?”

で判断します。

有酸素運動で、息が弾んできた時におしゃべりをして、

息が弾みながらも、苦しく無い程度になんとかおしゃべりができれば、丁度良い運動負荷です。

息も弾んでおらず、普通におしゃべりができれば、まだ運動負荷が足りませんので、少しペースを上げましょう。

逆に、息が弾み過ぎておしゃべりもできない状態でしたら、運動負荷が強すぎますので、少しペースを落としましょう。

有酸素運動の時間も20分以上と謳っている事が多いですが、これもあくまでも一般的な定義ですので、個人差がかなりあります。

我々プロが運動負荷を決める時には、個人々で安静時の血圧・脈拍・呼吸数・体温を測り、
運動中に定時間で測り直して、病気ごと、個人差ごとに運動負荷を決めてプログラムを組みますが、


今回の場合は、リラックスする事が目的ですから、そんなややこしい事をする必要は全くありませんし、運動負荷や時間なども気にする必要はありません。

運動して「気持ちいい!」と思うところまでで、終了して下さい。

ちょっと物足りないぐらいがちょうど良いです。

疲れるまで運動してしまったら交感神経が優位になり逆効果ですし、次に運動するのが嫌になります。

この「気持ちいい!」というところで止める事で、副交感神経が優位になり、幸せホルモンなどの分泌も促されて

「運動すると気持ちいい!また運動するのが楽しみ!」

となるわけです。

ご病気をお持ちの方はもちろんですが、健康な方も運動負荷には十分注意して下さい。

花粉症の治療は薬やうがいだけじゃない 運動で花粉症を改善する? まとめ

まとめ

1 運動で花粉症を改善?
花粉症は、アレルギー。
アレルギーは、自律神経の乱れや体力の低下は運動によって改善できる。

2 自律神経って何?
心臓や肺、胃腸などの内臓や、血管・リンパ腺など自分の意思とは関係無く働いている身体の部位を調整している神経系のこと。
交感神経と副交感神経に分かれていて、交感神経は活動する時、副交感神経は休息する時に働く神経で、この二つがバランス良く働いてくれていれば体も調子が良いが、この二つのバランスが崩れると様々な変調が身体に現れる。

3 自律神経を整えるにはどうすればいい?
身体を動かしてリラックスする事で、自律神経を整えるために大事なのは、姿勢と呼吸。

4 自律神経を整える”リラックス体操”
注意点として、①正しい姿勢を意識する。②呼吸は腹式呼吸を意識する。③動きにメリハリをつける。を意識する事が大事。

5 リラックス体操で自律神経を整える
・体幹をリラックスさせる体操
・肩をリラックスさせる体操
・有酸素運動

※本文中の説明をご参照下さい。

自律神経が乱れるといろいろな身体の変調が現れるとお話ししましたが、

このリラックス体操は花粉症だけではなく、自律神経の乱れで起こっている他の症状にも効果があります。

医学的に言っても、

「体操をした!」

という達成感だけでも、ドーパミンの分泌を促してストレスの解消に繋がりますので、

ぜひ実行してみられる事をオススメします♪

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