最近、健康のワードとして「血管」に注目が集まっていますが、
健康維持として語られている記事のほとんどは、「大きな血管」の事です。
もちろん大きな血管も大事ですが、全身の細胞ひとつひとつに関わっている「毛細血管」こそ注目すべきなんです。
この毛細血管に関連した「ゴースト血管」とは何なのでしょうか?
ゴースト血管を防ぐ方法は、どんなものがあるのでしょうか?
目次
ゴースト血管とは?
ゴースト血管とは、末梢循環障害で血液が通っていない毛細血管の事で、血液が通わず消えてしまうように見える事から「ゴースト血管」と呼ばれています。
※1 末梢循環障害
動脈硬化などで末梢の血管(毛細血管)に血が行き届かなくなると、血行不良になり、手足に冷え・しびれ・痛みなどが起こり、悪化すると腫瘍ができたり、壊死したりする事もあります。
※2 毛細血管
太さが0.01mmの動脈と静脈をつなぐ細い血管で、全身の細胞に網の目状に分布して、それぞれの細胞に酸素や栄養を届け、二酸化炭素などの老廃物を回収しています。
その他にも、免疫細胞を身体の隅々に届けたり、ホルモンを全身の細胞に運んで情報を伝達したり、体温を放出して体温を一定に保つ役割も担っています。
身体中の血管の約99%を占め、総延長は10万kmを超えます。
ゴースト血管はどんな病気に繋がる?
血液の通っていないゴースト血管が増えると、全身の細胞に酸素や栄養を届けられなくなるので、全身の細胞自体が弱ります。
病気としても、
・免疫力の低下
・肌荒れ
・認知症
・骨粗鬆症
・内臓疾患
などにつながります。
免疫力の低下
身体の粘膜は、毛細血管が水分を運んできてくれる事によって支えられています。
血液が通っていないゴースト血管が増えると、粘膜の水分が少なくなり乾燥し、粘膜の働きが低下します。
粘膜は、ウイルスや細菌などが身体に侵入するのを防ぐ働きがあり、粘膜の働きが低下すると、免疫力が低下して、風邪などの感染症にかかりやすくなります。
肌荒れ
毛細血管は肌に酸素や栄養を届けています。
ゴースト血管が増えると、表皮細胞の新陳代謝が悪くなり、古い角質が固まります。
また、肌で作られ皮膚を支えるコラーゲンやエラスチンも作られなくなるため、シワ・シミ・たるみ・くすみなど肌荒れの原因となります。
認知症
脳に酸素や栄養を送るのも毛細血管の役目です。
ゴースト血管が増え、脳細胞への血流が減ると、酸素や栄養が不足し、脳の中で情報をやりとりする「ニューロン」が作られなくなり、神経細胞同士を結び付ける「シナプス」の働きを弱らせます。
これらは、記憶力や思考力などに大きな影響を与えて、脳自体の機能を低下させ、認知症へ繋がります。
骨粗鬆症
毛細血管は、骨にも栄養を運んでおり、ゴースト血管が増えると骨への栄養が不足し、骨を作る「骨芽細胞」の働きを弱らせます。
骨芽細胞が弱ると骨が作れなくなり、骨粗鬆症へと繋がります。
内臓疾患
毛細血管は内臓にも分布して、肺には酸素を、肝臓には栄養素を運ぶ、腎臓では血液をろ過するなど、各臓器によって様々な役割りを持っています。
ゴースト血管が増えると、内臓への酸素や栄養の供給が少なくなり内臓疾患の原因になります。
ゴースト血管を防ぐ生活習慣
ゴースト血管を防ぐ生活習慣は、
・食事
・入浴
・ストレス解消
が挙げられます。
食事
ゴースト血管を防ぐには、血が血管の中を流れやすいようにする事がポイントです。
血が血管の中を流れやすくするには、動脈硬化を防がなければいけません。
動脈硬化を防ぐためには、
・脂質
・糖質
の摂り過ぎに気を付け、バランスの良い食生活が重要です。
食べ方も、
・野菜から食べる
・よく噛む
・大食いをしない
などを心掛けましょう。
入浴
入浴は体を温め全身の血行を良くしてくれます。
ただし、寒い時にシャワーだけ浴びるような入り方は逆効果で、必ず湯舟につかり体を温めて下さい。
身体が温まると、血管を拡張させる副交感神経が優位になるため、
お湯の温度はぬるめにして、リラックスを心掛けて下さい。
ストレス解消
ストレスは、血管を収縮させる「交感神経」を優位にしてしまいます。
ストレスを受け続け、血管が収縮した状態が続くと、毛細血管の血流が悪くなり、ゴースト血管が増えてしまいます。
ゴースト血管を防ぐには、ストレスを解消できる方法を確立させておく事が重要です。
ゴースト血管を防ぐ1日3回のアレ?
ゴースト血管を防ぐには血流を増やす事が重要です。
血流を増やすのに大事なもので、1日3回のアレとは「運動」の事です。
血行が良くなればウォーキングなどの軽い運動でも良いのですが、
自宅で時間をかけずに毎日できる運動として、
「大きな筋肉を効率よく動かす」
事で、血行を良くする事ができます。
筋肉として、
・身体の中で最大の筋肉「大殿筋」
・大殿筋に次ぐ大きな筋肉「大腿四頭筋」
・「第二の心臓」と呼ばれている「下腿三頭筋」
を動かすと効率良く血行を良くする事ができます。
それぞれの筋肉を3回の運動に分けて、朝・昼・晩でひとつずつ運動します。
朝 大腿四頭筋の運動
①椅子の後ろで、背もたれを持って立ちます。
②そのままゆっくり腰を落とします。
③膝が80度ほど曲がるぐらい腰を落としたら、ゆっくり元に戻します。
これを10回×1セット行います。
昼 下腿三頭筋の運動
①椅子の後ろで、背もたれを持って立ちます。
②そのままゆっくり踵を上げ背伸びをします。
③背伸びしきったら、ゆっくり踵を下ろし元に戻ります。
これを10回×1セット行います。
夕 大殿筋の運動
①椅子の後ろで、背もたれを持って立ちます。
②膝を伸ばしたままゆっくり脚を後ろに挙げます。
③45度ほど挙げたら、ゆっくり脚を下ろして元に戻ります。
これを片方5回ずつ×1セット行います。
この3つの運動は、一度にやってしまうと交感神経を優位にして血管を収縮させてしまい逆効果になりかねません。
できるだけ、一日3回に分けて、毎日行って下さい。
ゴースト血管の対策はできていますか?対策のカギは生活習慣と1日3回のアレとは? まとめ
1 ゴースト血管とは?
末梢循環障害で血液が通っていない毛細血管の事で、血液が通わず消えてしまうように見える事から「ゴースト血管」と呼ばれています。
2 ゴースト血管はどんな病気に繋がる?
血液の通っていないゴースト血管が増えると、全身の細胞に酸素や栄養を届けられなくなるので、全身の細胞自体が弱ります。
病気としても、免疫力の低下、肌荒れ、認知症、骨粗鬆症、内臓疾患などにつながります。
3 ゴースト血管を防ぐ生活習慣
ゴースト血管を防ぐ生活習慣は、食事、入浴、ストレス解消が挙げられます。
4 ゴースト血管を防ぐ1日3回のアレ?
血流を増やすのに大事なもので、1日3回のアレとは「運動」の事です。
※実際の運動方法は記事本文をご参照下さい。
毛細血管の減少は40代から始まり、歳をとるごとにどんどん減っていきます。
40代以降は、他の病気のリスクも急激に高くなる年齢です。
食事、入浴、ストレス解消は、ゴースト血管を防ぐだけでなく、他の病気も防ぐ大事な生活習慣です。
病気を抱えて大変な事になる前に、この記事を見た「今から」始められる事をオススメします♪