ゴールデンウイークなど、連休が続いた時には旅行にでも行きたいですよね?
しかし、私の周りの障害者の方々は、旅行先での不都合や介助の問題で旅行を躊躇される方が多いんです。
確かに、健常者の方のように、
「必要なものは旅行先で買えばいい」
なんて、気軽にはいかないのが現実です。
障害者が旅行に行くのに必要なものは何でしょう?
障害者の旅行の注意点にはどんな事があるのでしょうか?
目次
障害者の旅行に必要なもの
障害者の旅行には、健常者の旅行では思いつかないものが必要です。
障害者の旅行に必要なものを、場面別に取り上げていきます。
食事
自助具
お箸・スプーン・フォーク
いつも使っている介護用のお箸・スプーン・フォークがあれば持って行きましょう。
食事用エプロン
医薬品
お薬を飲むのに器具を使っている方は器具も忘れずに。食事と服薬の関係の説明が必要な方は、お薬の説明書も必要です。
排せつ
ポータブルトイレ
車椅子がトイレに入れない場合に必要です。
組み立て式の簡易的なポータブルトイレもありますので、お付き合いのある福祉用具会社にご相談されると良いですね。
防水シート
紙おむつ
普段は紙おむつを使っていない方でも、急な体調不良(下痢など)用に備えておくと安心です。
尿とりパッド
ジッパー式ビニールバッグ
排泄物で汚れた紙おむつや下着などを捨てる場所は思ったより少ないです。
ジッパー式のビニールバックがあれば、匂いを出さずに持ち帰る事ができます。
入浴
タオル類
露天風呂や大浴場の中での移動用にバスタオルが必要な場合があります。
旅館やホテルに据え置きのタオルでは足りないかもしれませんので、何枚か持っていくと便利です。
シャワーキャップ
シャンプーハット
旅館やホテルにはあまり置いてありません。
普段使っているものを持っていきましょう。
耳栓
旅館やホテルには普通は常備してありません。
小さいものだと無くす可能性もありますので、いくつか持っていくと安心です。
シャワーキャリー(入浴用の車いす)
シャワーキャリーが使えるか旅館やホテルにも確認しておきましょう。
シャワーチェア(入浴用の椅子)
シャワーチェアーが使えるか旅館やホテルにも確認しておきましょう。
移動
杖
出先で無くす方が意外に多いです。
緊急用に折り畳み式の杖を準備しておくと良いでしょう。
車いす
装具
常に着けている装具なら忘れないでしょうが、食事や歩行時など特定の場面だけ着けるような装具は忘れがちです。
特定の場面だけ使う装具があれば忘れずに持っていきましょう。
更衣
室内履き
旅館やホテルには簡易的なスリッパしかありません。
かかとがあるスリッパや、滑り止めが付いている方が使いやすければ、持っていく事をオススメします。
靴下
市販の靴下が窮屈な方も、普段使っている靴下を持っていきましょう。
就寝
寝間着・パジャマ
旅館やホテルには、ガウンタイプのものや着物タイプのものしか置いていない場合が多いです。
寝やすい寝間着やパジャマを持っていく方が安心です。
防水シート
ベッド用手すり
旅行先の福祉用具会社でレンタルできる場合もありますので、確認しておくことをオススメします。
貴重品
医師の診断書
旅行先で突然体調が悪くなった場合、旅行先の病院に行く必要があります。
障害によっては、受診する時に診断書が必要な場合があります。
お薬手帳
保険証
原本を持って行くのが心配な場合は、コピーでも大丈夫です。
障害者手帳
駐車場を使用する場合にも、手帳があれば障害者用の駐車場を使わせてもらえます。
パスポート
障害者の旅行での注意点
障害者が旅行をする場合には、注意しておいた方が良い事がいろいろあります。
注意点をそれぞれの場面で挙げていきます。
食事
食べてはいけないもの
疾患として食べてはいけないものがあったり、
キザミやトロミ、ミキサー食が必要な場合は、
旅館やホテルへ食事の対応ができるかどうかを事前に確認しておく必要があります。
食事の場所
料金にもよりますが、旅館やホテルの食事は、通常ホールやレストランになります。
ホールやレストランでの食事が不都合ならば、お願いすればお部屋で食べられるのか?確認しておくと安心です。
排せつ
トイレのつくり
車椅子を使っている方は、トイレに車椅子が入れるのか?を確認しておく必要があります。
トイレの中の動作が不安な方は、手すり設置の有無を確認しておく事も大事です。
パーキングエリアのトイレ
ほとんどのパーキングエリアのトイレは、手すりなどが完備してありますが、できるだけ大きいパーキングエリアの方が間違いありません。
飛行機の中のトイレ
添乗員が、専用の車椅子でトイレまでは連れていってくれますが、トイレの中の介助はできません。
トイレ介助が必要な方は、付き添い者に同行してもらうか、飛行機の中でトイレを使わなくて済むように、事前に済ませておく準備が必要です。
入浴
大浴場や露天風呂
旅館やホテルによっては、大浴場や露天風呂への車椅子乗り入れができないところがあります。
また、失禁などが心配される障害者は、大浴場や露天風呂に入れない場合もあります。
お部屋にお風呂があるところや、予約すれば家族風呂として占有できるところもありますので、事前に調べて計画を立てましょう。
お風呂場の広さ
お風呂に入る時に、シャワーキャリーやシャワーチェアが必要な場合、お風呂の広さによっては使えない場合があります。
旅館やホテルに確認しておいた方が良いです。
移動
車椅子が乗せられるレンタカー
最近は車椅子が乗せられる車がおいてあるレンタカー会社も増えていますが、地域によっては無い場合もありますので確認が必要です。
電動車いすの充電
国内であれば、旅館やホテルが許可してくれれば充電できますが、海外では日本と電圧が違う国もありますので確認が必要です。
電圧が違う国で充電するには、変圧器を持っていく必要があります。
車椅子のパンク
地元ならば、車椅子がパンクした時にはお付き合いのある福祉用具会社に連絡すれば修理に来てくれますが、旅行先で福祉用具会社に連絡してもすぐには対応してくれません。
旅行先の自転車屋で修理してもらっても良いですが、自転車屋さんまでの移動が大変です。
パンクした時にタイヤに注入すればパンク修理ができる「パンク修理剤」を準備しておくと便利です。
パンク修理剤は、ホームセンターやカー用品店に売っています。
障害者用割引運賃
国内線の航空運賃では障害者用割引運賃が使えますので、航空券を手配する際には、旅行会社や航空会社へ確認した方がお得です。
ただし、国際線では割引を行っているところはほとんどありませんので注意が必要です。
飛行機の予約
移動に車椅子やストレッチャーなどが必要な方は予約をする際に伝えておきましょう。
また、格安航空券などでは車椅子やストレッチャーへの対応ができない場合がありますので、注意が必要です。
空港での待ち時間
空港での手続きや飛行機に乗り込む際に、何らかの介助が必要な方はけっこう長い時間待たされます。
国内線で1時間、国際線で2時間は覚悟しておきましょう。
盲導犬
盲導犬に限らず介助犬は、タクシー・バス・電車・飛行機などすべての乗り物に一緒に乗る事ができるよう「身体障害者補助犬法」で定められています。
ただし、小型の飛行機などは乗れない事もありますので、予約の際に確認しておく事が必要です。
更衣
更衣の介助
普通の旅館やホテルでは、基本的に着替えの介助はしてくれません。
更衣の介助が必要な方は、介助者の付き添いが必要です。
就寝
布団とベッド
旅館は布団、ホテルはベッドと思われるでしょうが、どちらにも洋室・和室で分けられているところがあります。
また、一般客には布団しか無いところでも、折り畳みベッドを貸し出してくれるところもありますので、事前に確認・予約をしておくと良いでしょう。
貴重品
パスポートなど書類へのサイン
海外旅行の場合は、パスポートに手書きのサインが必要ですし、入出国カードの記入も必要になります。
また、旅行先でクレジットカードを使う場合もサインが必要になります。
頑張れば自分で書ける方は練習しておいた方が良いですし、書けない方は、家族や友人などに代筆者を頼む事もできますが、届け出がいる場合もありますので、確認が必要です。
旅行保険
旅行保険は、障害者でも健常者と基本的に同じ内容ですので、トラブルがおきた時でも障害者だからといって特別に扱われる事はありません。
特に海外では、障害者手帳も効力が無い国が多いので、盗難やケガ・病気に備えて、旅行保険には必ず入っておく事をオススメします。
障害者が旅行に行くとき知らないと損をする?持って行くもの28種類と、注意点18項目とは? まとめ
1 障害者の旅行に必要なもの
食事
自助具・お箸・スプーン・フォーク・食事用エプロン・医薬品
排せつ
ポータブルトイレ・防水シート・紙おむつ・尿とりパッド・ジッパー式ビニールバッグ
入浴
タオル類・シャワーキャップ・シャンプーハット・耳栓・シャワーキャリー(入浴用の車いす)・シャワーチェア(入浴用の椅子)
移動
杖・車いす・装具
更衣
室内履き・靴下
就寝
寝間着・パジャマ・ 防水シート・ベッド用手すり
貴重品
医師の診断書・お薬手帳・保険証・障害者手帳・パスポート
2 障害者の旅行での注意点
食事
食べてはいけないもの・食事の場所
排せつ
トイレのつくり・ パーキングエリアのトイレ・飛行機の中のトイレ
入浴
大浴場や露天風呂・お風呂場の広さ
移動
車椅子が乗せられるレンタカー・電動車いすの充電・車椅子のパンク
・障害者用割引運賃・飛行機の予約・空港での待ち時間・盲導犬
更衣
更衣の介助・就寝・布団とベッド
貴重品
パスポートなど書類へのサイン・旅行保険
障害者の方々の旅行は、意外に大変で、躊躇される方が多いのですが、
今は、障害者向けのツアーを組んでいる旅行会社も増え、
中には、毎年のように夫婦で海外旅行に出掛けられる障害者の方もいらっしゃいます。
私自身、あまり旅行に行くことは少ないのですが、
辛い日々を送っている障害者の方々こそ、ぜひ旅行に行ってストレス発散して頂きたいと思っています♪