話題のベーシックインカムは高齢者や障害者にとって善か悪か 年金は?生活は?どうなる?

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患者さんのご家族から、

「ベーシックインカムってどう思う?」

という話題が出ました。

希望の党が2017年衆議院選挙の公約で導入を掲げた事で一気に広まったベーシックインカム。

このベーシックインカムという社会保障制度は、高齢者や障害者の方々にとって
良い事なんでしょうか?悪い事なんでしょうか?

もし導入されたら、

年金はどうなるのでしょうか?

生活は維持していけるのでしょうか?

ベーシックインカムとは?

働いているか?財産があるか?などには関係なく、
国民全員すべての人に、生活に必要な最低限のお金が無条件に支払われるという制度です。

年金や失業保険・生活保護などは、受けるための条件や申請が必要ですが、
ベーシックインカムは国民であれば条件や申請は必要なく無条件に支給されます。

国民全員ですから、0歳から高齢者まで、どんな人にも支給されます。

生活に必要な最低限の現金を無条件にもらえますが、
その代わりに年金や生活保護や助成金、税金の控除などの制度は無くなるという事です。

希望の党が2017年衆議院選挙の公約でベーシックインカムの導入を掲げた事で話題に火が点きましたが、

北欧のフィンランドでは、2017年1月から実証実験が始まっており、

カナダのオンタリオ州でも3年間の期限付きで4000人を対象に開始されたベーシック・インカムの試験導入が実施されています。

アメリカ合衆国のカリフォルニア州ストックトンでは、住民を対象としたベーシックインカム制度を、実験的に2018年から導入することが予定されています。

しかし、スイスでは2016年6月に国民投票が行われ、75%を超える反対で否決されました。

このベーシックインカムの考え方自体は日本でも昔からあり、カナダでも1970年代に実験的に行われましたが、いずれも財政の問題で消滅してしまいました。

ベーシックインカムの利点と欠点

利点

貧困への対策となる

働いていても生活保護の支給額より低い収入しか得られないワーキングプアのような生活保護の恩恵を受けられない方々にも支給されるため、貧困への対策が打てますし、審査や申請なども無いため、年金や助成金などを受けられない微妙な立場の方々にも恩恵があります。

0歳児から支給される事で、子供が多いほど世帯収入が増えることになり、少子化に歯止めがかかることが期待されています。

労働意欲の向上に結び付く

生活保護のように、一定の収入以上での打ち切りがないので、働く事で得られる収入はベーシックインカムの上乗せになり、
自由に使える収入が欲しければ欲しいほど働けばよく、
生活のために働くのではなく自分の楽しみのために働く事ができ、労働意欲が向上する事が期待されています。

また、これにより労働意欲の無い方々が社会に参加することで労働者不足の解消もできます。

労働環境の改善ができる

生活に必要な最低限の収入が得られるため、不満がありながらも生活のために無理に働く必要がなくなります。

これにより売り手市場となり、企業側の努力として労働環境の改善が期待されます。

社会保障制度を簡素化できる

全員一律で支給されるため、従来の社会保障制度で手続きに要していた人員や手間を簡素化することができ、結果的に大幅なコストの削減につながります。

欠点

財源の確保が難しい

現在の社会保障費は、総額で約110兆円、そのうち医療費を除く75兆円が、年金や生活保護などの社会保障にあてられています。
この金額から計算すると、一人あたりの支給額は月額支給額は約6万円ほどとなり、現状では生活に十分な支給額は期待できません。
ベーシックインカムを実現させるためには、消費税やその他の税収を大幅に増額する必要があります。

個人への負担が増大する

消費税やその他の税金の増税で、個人々の負担が増大する事や、ベーシックインカムで得た収入の使い道は個人に委ねられますので、使い切って借金などを作らざるを得ないようになってしまった人はどうすれば良いか?という問題があります。

労働意欲が低下する

利点と相反しますが、最低限の生活が保障されるため、働かなければ働かなくてもよくなるため、労働人口の低下を招く可能性もあります。
また、働きたい人と働きたくない人との間で、嫉妬や不公平感などの問題が大きくなる可能性があります。

 

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高齢者や障害者の収入はどうなる?

高齢者の年金支給額は現状で、

国民年金(老齢基礎年金) 年額 780,100円 (月額 65,008円)
厚生年金(老齢厚生年金) 年額 1,201,983円 (月額 100,165円)
公的年金支給額 合計 年額 1,982,083円 (月額 165,174円)

となっています。

ベーシックインカムが導入されるとしたら、上記でも挙げましたように月額が6万円ほどが妥当な金額となるでしょうから、

国民年金の金額と同じくらいになりますが、もし厚生年金が廃止されれば厚生年金の受給分は受け取れなくなります。

障害者の場合は、障害基礎年金で

1級 年額 974,125円 (月額 約81,177円)
2級 年額 779,300円 (月額 約64,941円)

と、なります。

障害者1級の場合では、この他に助成金を併せて月に10万円程度は収入がありますから、

助成金が廃止になり、ベーシックインカムの支給額が6万円ほどだとしたら、かなりの減収になります。

高齢者や障害者はそんなに困らない?

高齢者の場合、国民年金の支給額だけでは生活が厳しいですが、

国民年金だけ受け取っている方は、農業など自営業の方々が中心です。

自営業には定年が無いので、働きながら年金を受け取って生活している方がほとんどで、
80歳になっても農業を現役で続けていらっしゃる方も珍しくありません。

そんな方が働く理由は

「年金だけでは自由に物が買えないから」

という意見が多く、

ベーシックインカムの”労働意欲の向上”という部分を既に実践しているようなものですから、そんなに心配はいらないかと思います。

ただ、厚生年金受給者の場合は、
サラリーマンとして働いてきて、定年後の収入としてベーシックインカムの収入だけしかないのであれば生活がかなり厳しいので、

定年までに、貯蓄や民間の保険などで定年後の生活費を確保しておく必要が出てきますし、場合によっては定年後の再就職も重要になりますが、

心がけ次第で何とかなる範囲ではあると思います。

それは、障害者の方々も同じで、働ける障害者の方々は積極的に働く必要は出てきますが、
ベーシックインカムの導入で、企業側の人材確保は今より厳しくなるでしょうから、
障害者の方々も就労のチャンスが広がる可能性も十分あります。

働けない高齢者や障害者はどうすればいい?

ベーシックインカムが導入されれば、

「別に、住む所があってご飯が食べられれば他に何もいらないよ」

という無欲な方は、働かなくても良いですし、

「いやいや、欲しいものがたくさんあるからお金は必要よ!」

という方は、自分が望む生活に見合った分働けば良いだけ

という、ある意味、自由で平等な働き方にはなると思います。

ここで問題なのは、重い障害を負って働けない高齢者や障害者の方々がどうなるか?です。

病気やケガなどで障害を負っている方は、健康な方とは異なり、
働けないどころか、医療費や介護のための金銭的負担もかかります。

ベーシックインカムが導入されても、働けずに収入がギリギリの中で医療費などの負担がかかれば生活自体が成り立たなくなります。

この「働けない方々」に対しての保証として、現段階ではまだ何も解決策が出されていません。

ここを国や行政として、何らかの救済措置を置くのか?突き放すのか?今はまだ分かりません。

ただ、日本という国は、アメリカなどの「個人主義」の社会とは違い、
「相互扶助」という”助け合い”の精神で成り立ってきた国ですから、
突き放される事は無いと思います。

ただ、今はうやむやになっている

「働けない」と「働かない」の区別が明確になる事は必須ですので、

今のうちから、何らかの準備をしておく事が大事になると思います。

話題のベーシックインカムは高齢者や障害者にとって善か悪か 年金は?生活は?どうなる? まとめ

まとめ

1 ベーシックインカムとは?
働いているか?財産があるか?などには関係なく、
国民全員すべての人に生活に必要な最低限のお金が無条件に振り込まれるという制度。

2 ベーシックインカムの利点と欠点
2.1 利点
・貧困への対策となる
・労働意欲の向上に結び付く
・労働環境の改善ができる
・社会保障制度を簡素化できる
2.2 欠点
・財源の確保が難しい
・個人への負担が増大する
・労働意欲が低下する

3 高齢者や障害者の収入はどうなる?
国民年金の金額と同じくらいになるが、もし厚生年金が廃止されれば厚生年金の受給分は受け取れなくなる。
障害者1級の場合では、この他に助成金を併せて月に10万円程度は収入があるので、ベーシックインカムの支給額が6~7万円だとしたら、かなりの減収になる。

4 高齢者や障害者はそんなに困らない?
国民年金だけの受給者は、現状でもベーシックインカムの”労働意欲の向上”という部分を既に実践しているようなもので、そんなに心配はいらない。
厚生年金受給者の場合は、心がけ次第で何とかなる範囲ではある。
障害者の方々も同じで、働ける障害者の方々は積極的に働く必要は出てくるが、就労のチャンスが広がる可能性も十分ある。

5 働けない高齢者や障害者はどうすればいい?
重い障害を負って働けない高齢者や障害者の方々がどうなるか?という問題に対しては何の解決策も出ていない。
今はうやむやになっている「働けない」と「働かない」の区別が明確になる事は必須なので、今のうちから何らかの準備をしておく事が大事。

これから超高齢化を迎える日本として、ベーシックインカムは、

救世主となるのか?それとも破壊者となるのか?

今はまだ議論が激しく行われている状態で、世界としてみても、まだ試行錯誤をしているレベルです。

ただ、AIなどのテクノロジーが凄い勢いで進歩している事も含めて、

ベーシックインカムのような社会保障制度で、生活が大きく変わっていく事は避けられません。

その時になって慌てないように、しっかり準備をしておいて下さい。

我々も、出来る限りのサポートをしていきます♪

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