60歳代から介護への再就職が急増?!実際に再就職した方々の感想も聞いてみました!

スポンサーリンク

厚生労働省の発表では、

60歳以上で、医療・介護業界へ再就職した人数は、

2005年から65万人も増えており、

近年では特に急増しているようです。

60代といえば、定年を迎える年齢です。

いったい何故、定年後の60代から介護職への再就職を目指すのでしょうか?

実際に60歳以上で、介護職に再就職した方々の感想も聞いてきました!

スポンサーリンク

介護職員の不足は深刻…

高齢化率がピークに達する2025年の問題は、

以前から大きな問題として取り上げられており、

その受け皿となる介護業界での人手不足は、ますます深刻になっています。

厚生労働省の発表では、

2025年には全国で介護職員が

約38万人不足するという予測を出しています。

現在でも、全国で12万人ほど不足しているとの発表もあります。

むかしむかし、働きたくない仕事として

3K「キツい・汚い・危険」

という言葉が流行した事があります。

しかし、介護職は3Kどころか

「キツい・汚い・危険・給料が安い」の

4Kだと言われています。

とは言っても、以前は離職率がダントツに高かった介護職も、

近年は経営者側の待遇改善の努力もあって、

他の業界と大差が無いレベルにはなってきているようですが、

まだまだ

「きつくて割の合わない」

職業の代表格には変わりないわけです。

だからこそ、若者には人気がなく、

深刻な人手不足に繋がっているのです。

私も施設運営に経営者側として関わったり、

職員の指導としてもあちこちの施設に出入りしていますが、

介護職員の人手不足はどこも深刻で、

介護業界全体の大きな問題となっています。

60代以上の介護への再就職を国が推奨している?

高齢化により、高齢者を支える世代が減少している事の解決策として、

国も、中高年以上の労働力に目を向け始めました。

介護職員が不足している中で、

政府は、中高年齢者(50~64歳の男女)を

介護人材として活用するため、

介護に関する入門的研修を実施するような努力もしている事もあり、

厚生労働省の発表では、

60歳以上で、医療・介護業界へ就職した人数は、

2005年から65万人も増えているそうです。

国は、これからも60歳以上の方々を介護人材として活用しようと活発に動いています。

なぜ60歳から介護への再就職を目指す?

現在の定年制では、

ほとんどの場合60歳で定年ですから、

60歳になると仕事が無くなり、収入も無くなるわけです。

しかし、年金を満額で受け取るためには、65歳から受け取る必要があり、

定年の60歳から65歳の5年間は、何か収入源を確保する必要があります。

企業側も不足した人員の補充を新たに外部から採用するより、

内部で調達する事を推進しはじめており、

定年延長や再雇用での対策を強化していますし、

定年する方々も、

慣れた職場で慣れた仕事を継続する方が良いので、

定年延長や再雇用の方が、雇う側にも雇われる側にも、

双方にとって嬉しい事ばかりのはずなのですが・・・

賃金の問題で、そう上手くはいかない状況です。

定年延長や再雇用では、

今までの役職は外れ、賃金も下がります。

雇われる側からすると、

「どうせ賃金が下がるなら・・・」

と、他の仕事への再就職を考えます。

となると、再就職先を選ぶのに、

賃金以外に、何に重点を置いて選ぶか?

という事になります。

私は仕事の関係で、

中高年になってから介護職に就職された方とも

お付き合いがあり、

今回、この記事を書くにあたってお話しを聞いています。

その方々が何故、介護職を選ばれたのか?

というと、

「やりがいのありそうな仕事だったから」

というものと、

「親の介護をしなければいけない歳だから、介護をマスターしておきたかった」

というのが、皆さんの統一した意見でした。

実際の統計でも、

中高年が介護職に再就職する理由として、

「生きがいを見付ける」

という理由が多いようです。

確かに、介護職なら

元々勤めていた職場で再雇用されて賃金が下がった時と

同じぐらいの収入は確保できると思いますし、

やりがいもありそうですし、

介護技術もマスターできますし、

再就職先として選ばれるのも

「なるほど!」

という感じですね。

スポンサーリンク



実際、介護職員になってみてどうだった?

今回、お話しをお聞きした方々は、

いずれも60歳代から再就職して、介護職になって3年以上働いている方々ですが、

ぶっちゃけた話、

やりがい、生きがい、なんて感じている余裕は無いそうです。

再就職したばかりの頃は、

憶えなければいけない事ばっかりですし、

仕事にも慣れていない事で、

やりがいなんて感じている余裕はもちろん無く、

「仕事を憶えて慣れてくれば、やりがいも感じるはず・・・」

と思いながら日々の仕事を続けられていたそうですが、

いくら仕事を憶えても、慣れてきても

忙し過ぎて、やりがいを感じる余裕は

未だに無いそうです。

正直、

介護職になる前は、

「おむつ交換も食事の介助も、自分の子供で経験しているので何とかなる。」

お年寄りとのコミュニケーションも

「自分の親と同じくらいの方々だし、若い世代の職員よりお年寄りに近い世代だから、話も合うだろう。」

どうせ、再就職する前に必要な資格も取るんだから

「資格を取る勉強をする過程で仕事の内容も把握できるから、現場に出てもそんなに苦労はしないだろう。」

と、思っていたそうです。

しかし、いざ現場に入ってみたら、

資格を取る段階で勉強した事は、あくまでも基本的な事ばかりで、

実際の現場では、ほぼゼロからのスタート…

おむつ交換も食事介助も思うようにいかない…

入浴介助では利用者さんに怒られ…

コミュニケーションにしても、

中途半端に年齢が近いよりも、孫ほどの若い職員の方がウケがいい…

年齢的に体力も落ちていて、

若い職員と同じペースで作業すると、次の日が筋肉痛で大変…

自分よりもずっと若い主任から偉そうに指導される…

20歳ほどの若い職員から

「しっかりして下さいね」

なんてバカにされる…

夜勤が入ると生活のリズムが崩れて、

食欲が無くなったり、眠れなくなる…

毎日、心身共にボロボロになりながら、

「仕事を憶えて慣れてしまえば楽になる…」

と思いながら頑張っていたそうです。

しかし、仕事を憶えれば憶えるほど、

他の仕事が増えて、ぜんぜん楽にならない…。

やりがいなんて感じている余裕は無く、

毎日の仕事をこなすだけでいっぱいいっぱい。

という日々が続いているそうです。

介護職に転職して夢見ていた事と比べて

現実は厳しい…という感想でした。

これから60歳を過ぎて介護職を始めようという方に

「何かアドバイスはありますか?」

とお聞きしたら、

「世間でキツい仕事だと言われていますが、

実際の現場に出て、確かにそうだと思いました。

毎日、忙しくてやりがいを感じている余裕すらありません。

ただ、介護の技術は確実に身に付いています。

これからも介護職は不足するそうですから、

就職には困らないと思いますし、

家族の介護にも役に立つと思います。

理想と現実のギャップをしっかり調べてから

再就職を考えると良いと思います。」

というお言葉をいただきました。

新しい事をするというのは、何でも大変なものですね(泣)

60歳代から介護への再就職が急増?!実際に再就職した方々の感想も聞いてみました! まとめ

まとめ

1、介護職員の不足は深刻…
2025年には全国で介護職員が38万人不足するとの予測あり。
「キツい・汚い・危険・給料が安い」の4Kで、キツい職業というイメージが強いため、入ってくる人材も少ない。
介護職員の人手不足はどこも深刻で、介護業界全体の大きな問題となっている。

2、60代以上の介護への再就職を国が推奨している?
政府は、中高年齢者を介護人材として活用するため努力もしている。
60歳以上で、介護業界へ就職した人数は65万人も増えている。

3、なぜ60歳から介護への再就職を目指す?

介護への再就職を目指した理由として「やりがいのありそうな仕事だったから」「親の介護が見えてくる歳だから、介護をマスターしておきたかった」という意見がある。
実際の統計でも、「生きがいを見付ける」という理由が多い。

4、実際、介護職員になってみてどうだった?
やりがいを求めて就職したが、忙しくて、生きがい・やりがいなんて感じている余裕は無い。現実は厳しい。

国が推進している高齢者の人材活用は、

介護職員の不足を埋める事と、高齢者を支える世代を増やす事を同時に解決するためには、

非常に有効な方針だと思います。

しかし、介護の仕事もそんなに甘いものではなく、

理想と現実のギャップは大きいようです。

私もサラリーマンからこの業界に入ってきたひとりですから、

理想と現実のギャップはよく分かりますし、

新しい環境に順応する能力は若い頃に比べて、驚くほど落ちているという

現実に向き合う事も体験しました。

いくつになっても夢に向かって頑張る事は、すごく素晴らしい事だと思いますが、

現実も頭におきながら、冷静に再就職を考える事をおススメします♪

スポンサーリンク

フォローする