腰痛の治療は特徴や原因で変わる?!まずは自分の腰痛の特徴や原因を知ろう!

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我々が関わっている患者さんとして、腰痛の患者さんは非常に多いです。

しかし、自分の腰痛の事を詳しく知らない方はたくさんいらっしゃいます。

腰痛は、特徴や原因で治療法が変わります。

まずは、自分の腰痛の特徴や原因を知っておいて下さい。

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国民の9割が腰痛を経験している?

厚生労働省が発表した調査結果として、

病気やけが等で何かの自覚症状のある方々の中で、

腰痛は男性の1位と女性の第2位で挙がっています。

割合でいいますと、日本人の9割の方が

「腰が痛くなった事がある」

と回答しており、

3割以上の方々がそのまま腰痛が残り、

1割の方々が生活に支障をきたしています。

腰という字は月(にくづき)に、要(かなめ)と書くだけあって、

体の要ですから、いろいろな要因が腰痛に結び付きます。

腰痛が出るのは力仕事に多い?

私が働いている医療・介護・福祉業界では、

「腰はぜんぜん悪くない」という人を探すのが難しいぐらいで、

中には、

「もう10年も腰が痛いんで・・・もう、あきらめています」

という方がたくさんいらっしゃいます。

私が学生時代から経験してきたアルバイトや、

理学療法士になる前の仕事は肉体労働だったのですが、

腰が悪い人は本当に多かったですね。

介護士さんや看護師さん達の腰痛持ちは有名ですが、

理学療法士になってから勤めた病院や施設では、

介護士さんや看護師さんだけではなく、

事務員さんや送迎のドライバーさんなどにも

腰痛持ちの方が多いです。

腰痛のリスクはどんな人にもある!

腰を悪くするのは、

重いものを持ったり、体を激しく動かすからだと思われがちですが、

じっとしていても、長時間同じ姿勢で過ごしていたり、

動きのある乗り物に乗っていて、

姿勢を保つ必要があるような時にも腰に負担がかかり、

腰痛の原因となります。

これを考えると、肉体労働ではなくても、

「営業で、毎日車に乗って移動している」

「毎日、揺れの強い電車で通勤してる」

「専業主婦で、家事だけに専念している」

「工場で、同じ姿勢で作業している」

こんな方でも、

生活習慣として腰痛を発症する可能性は十分あります。

私が以前担当した患者さんでは、

仕事を持たず、家で毎日ゲームをしているような、

世間では“ニート”と呼ばれる方もいらっしゃいました。

ゲームで何時間も同じ姿勢でいる事が原因でしたので、

生活の改善と、ちょっとした運動を指導させていただいて

3日で治りました。

首を痛めて受診された方が、

数日後に腰痛が出るなんて事も珍しい事ではありません。

これは、首を悪くした事で姿勢が崩れて、

腰に負担がかかって腰痛が出るものですが、

首を治療して姿勢を正しく戻すだけで腰痛は治ります。

これ以外にも、

膝や足をケガしてから腰が痛くなった方や、

腕を骨折してから腰が痛くなった方などもいらっしゃいました。

また、他の病気で入院して動けないまま、

寝たきりで長期間を過ごしている場合でも、

ほとんどの患者さんが腰痛を訴えます。

これらを考えると、

腰を悪くする要因は実に様々あり、

”どんな人でも腰痛になる可能性を持っている”

という事になります。

長年、腰に負担がかかる仕事に就いていた方だけじゃなく、

ちょっとした原因で、腰痛持ちになる可能性は高いという事で、

腰痛を経験した事がある人が、日本人の9割に達するのも頷ける訳です。

腰痛で病院に通院する人は少ない?

腰が痛くなって病院に行くと、

ドクターからは

「休養を取って下さいね」

と、簡単に言われます(泣)

でも、仕事を休むのはなかなか難しいですよね・・・

腰が痛くても何とか誤魔化しながら

仕事をしている人がほとんどではないでしょうか?

「仕事を休んで通院するなんて出来ない・・・」

「それぐらいみんな一緒だと言われる・・・」

「病院に通ってもシップぐらいしかもらえないし・・・」

こんな理由で通院を止めてしまった人は多いと思います。

理学療法士として病院で診てきた患者さんは、

動けなくなるぐらい悪く、

下手すれば入院という様態の悪い方々ばかりですから、

入院や休職などで強制的に休養が取れますし、

病院でしっかり治療ができます。

しかし “我慢すれば働ける”ような軽度の腰痛の方々は、

上に挙げたような理由で、

病院に1・2回行っただけで、

そのまま諦めながら働いている人がほとんどです。

「腰痛は改善したいけど・・・病院には通えない・・・」

そんな方こそ、自分の腰痛の特徴や原因を知っておいて下さい。

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腰痛の原因はいろいろ!腰痛の特徴で治療法が変わる?

腰痛にはたくさんの原因があり、

それぞれに特徴があります。

腰痛の治療は、原因に合わせて適切な治療を行わないとなかなか治りませんし、

最悪、命に関わる病気が原因だという事もありますので、

まずは、自分の腰痛の特徴を知る事で原因を特定する事が先決です。

急性腰痛と慢性腰痛

まず、腰痛は急性腰痛と慢性腰痛の大きく二種類に分けられます。

それぞれ治療法が変わってきますので、

この急性腰痛と慢性腰痛をしっかり判断して下さい。

  • 急性腰痛・・・急に腰が痛くなってから4週間ほどで治るもの
  • 慢性腰痛・・・腰が痛くなってから3ヵ月以上続いているもの

あなたの腰痛は痛み始めてからどれぐらい経過していますか?

まずは、自分の腰痛が急性腰痛か?慢性腰痛か?

判断してみて下さい。

急性腰痛とは?

急性腰痛は、

重い物を持ち上げたり、体をひねった時に

ズキッ!とかグキッ!

っとするような激しい痛みが突然出た腰痛です。

急性腰痛は、痛めた時に強い痛みを伴いますので、

「いつ?」「どこで?」「何をして?」

という発生要因がハッキリしています。

病院に受診した時も迷わず答えられますので、

腰痛の原因が特定しやすい事が特徴です。

急性腰痛は、ヨーロッパでは「魔女の一撃」と

呼ばれるほどの激痛で、

動けなくなるほどの痛みが続きますが、

安静にして、1週間から10日ほどすれば50%ほど、

2週間から1か月ほどで90%の方は完治します。

この90%の方は、筋肉・筋膜・靭帯・皮膚などの

軽い損傷がほとんどですから、

炎症が落ち着いて痛みが取れれば

特に大きな問題は無いのですが、

問題は痛みが取れない残り10%の方で、

この痛みが持続して慢性腰痛に移行します。

慢性腰痛とは?

腰が痛くなってから3ヵ月以上経っても

痛みが取れないものを慢性腰痛と呼びます。

急性腰痛と違い、ズキッ・ビリッっとする鋭い痛みではなく、

ズキズキ・ビリビリ・ジンジンするような

鈍い痛みが特徴で、

痛みが慢性的に続いたり、

痛い時と痛くない時との差があったり、

腰の重ダルさやハリ・コリといった

痛さとは違う不快な感覚が続きます。

動けなくなるほどの痛みではありませんが、

この不快感がずっと続き、

体を動かすのが怖くなったり

仕事に支障をきたす事が多く、

よく言われる「腰痛持ち」とは、

この慢性腰痛の事を指します。

慢性腰痛の場合は、

急性腰痛から慢性腰痛に移行する場合は除いて、

「いつ?」「どこで?」「何をしていて?」

というものがハッキリしていない事が多く、

原因を特定するのを難しくしています。

慢性腰痛は怖い・・・

腰痛で怖いのは、慢性腰痛の方です。

3ヵ月以上経っても良くならないという事は、

骨折や靭帯損傷などの大きなケガの可能性が考えられますし、

中枢神経(脳や脊髄)の病気でも

急に腰痛が出たりする事もあります。

また、慢性腰痛は、

動けないほどの痛みではないため、

無理をして仕事をしたりして悪化する場合も多く、

内臓の病気やストレスからきている事もあるため、

治るまでに非常に時間がかかります。

最悪、治るまでに時間がかかるどころか、

原因を特定する事が難しい上に

原因を特定できても、

治す事が難しい病気やケガが原因なら

ずっと続く可能性もあります。

いずれの場合も、

何とかごまかしながらでも動けるからといって甘くみず、

時間を作って病院受診する事をオススメします。


非特異的腰痛と特異的腰痛

急性腰痛でも慢性腰痛でも、病院を受診した時に

レントゲンやMRIなどを撮ってもらっても、

「特に異常はみられませんね」

と、言われる事が多々あります。

これを

“非特異的腰痛”

と呼び、

腰痛の約8割を占めると言われています。

腰痛の診断名として多い、

ぎっくり腰(腰椎捻挫)や変形性腰椎症なども、

レントゲンやMRIで検査して、

「あー!これが原因か!」

と、原因を特定することが難しいので、

非特異的腰痛 に入ります。

対して、病気など原因がハッキリしている腰痛を

”特異的腰痛”

と呼びます。

この特異的腰痛は、

腰痛が出てから病院を受診して、

腰痛の原因となっている怖い病気が見つかる事も多いので、

注意が必要です。

やっかいなのは、非特異的腰痛・・・

この非特異的腰痛というのが実にやっかいで、

実際に痛みがあるのですから、

痛い部分に何か異常がおきているはずなのですが・・・

レントゲンを撮っても骨の異常は無いし・・・

MRIでみても椎間板にも問題ないし・・・

整形外科学的テストなどの神経の検査でも問題無いし・・・

正直、医者も何が原因で痛みが出ているのかわからないので、

「非特異的腰痛ですね・・・」

なんて胡麻化しているとも言えますが・・・

クレームが怖いので(笑)

あまりつっこまないでおきます(笑)

非特異的腰痛は、

原因が分からない事で、治療が確定できず、治りにくいのです。

医者が病気を見逃していない場合に限りますが、

この非特異的腰痛は筋肉や靭帯などを痛めているだけ場合が多く、

あまり心配する必要はありません。

しかし、非特異的腰痛は、

ストレスが原因であったり、

脳に問題がある事もありますので、

しっかり原因を突き止めておかないと長引く可能性が高くなります。

怖いのは、特異的腰痛・・・

特異的腰痛は、原因がわかっている腰痛だとお話しましたが、

腰痛の原因となっている整形外科的な病気やケガから、

腫瘍(ガン)・循環器科、泌尿器科、婦人科などの

怖い病気が原因で、腰痛が起こっている場合も多々あります。

診察で原因が特定できる腰痛ですので、治療は確定できますが、

腰痛の治療よりも、原因となる病気の治療の方が重要です。

このように、自分の腰痛の特徴から原因をつかむ事で、

「何を?どう?治療していくか?」

が確定できます。

腰痛があるのに病院受診していない方は、

ぜひ1度は病院で診てもらって、自分の腰痛の原因を知って下さい。

腰痛の治療は特徴や原因で変わる?!まずは自分の腰痛の特徴や原因を知ろう! まとめ

まとめ

1 国民の9割が腰痛を経験している?
 日本人の9割の方が「腰が痛くなった事がある」と回答、3割以上の方々がそのまま腰痛が残る。

2 腰痛が出るのは力仕事に多い?
 事務員さんや送迎のドライバーさんなどにも腰痛持ちの方が多い。

3 腰痛のリスクはどんな人にもある!
 どんな方も、生活習慣として腰痛を発症する可能性は十分ある。

4 腰痛で病院に通院する人は少ない?
 仕事を休めない、病院に行っても治らない。という理由で通院する人は少ない。

5 あなたの腰痛に合った改善方法は?
 まず腰痛の事を知って、自分に合った方法を判断する必要がある。

6 腰痛の原因はいろいろ!腰痛の特徴で治療法が変わる?
自分の腰痛の特徴を知る事で原因を特定する事が先決

7 急性腰痛と慢性腰痛
・急性腰痛・・・急に腰が痛くなってから4週間ほどで治るもの

・慢性腰痛・・・腰が痛くなってから3ヵ月以上続いているもの

①急性腰痛とは?
重い物を持ち上げたり、体をひねった時に激しい痛みが突然出た腰痛です。
2週間から1か月ほどで90%の方は完治する。

②慢性腰痛とは?
腰が痛くなってから3ヵ月以上経っても痛みが取れないものが慢性腰痛。

8 慢性腰痛は怖い・・・
3ヵ月以上経っても良くならないという事は、大きな病気がある可能性があります。

9 非特異的腰痛と特異的腰痛
診察しても「特に異常はみられませんね」と、言われるような腰痛を“非特異的腰痛”と呼ぶ。
病気など原因がハッキリしている腰痛を”特異的腰痛”と呼ぶ。

10 やっかいなのは、非特異的腰痛・・・
原因が分からないので、治療が確定できない事で治りにくい。

11 怖いのは、特異的腰痛・・・
原因は分かっているので治療は確定できるが、腰痛の治療ではなく原因となる病気の治療が必要。

腰痛を改善するには、

まず腰痛の事を知って、

自分に合った方法を判断する必要があります。

彼を知り己を知れば百戦殆からず!

まずは、

「腰痛とは何だ?」

というところから理解して下さい。

自分の腰痛が、

急性腰痛か?慢性腰痛か?

非特異的腰痛か?特異的腰痛か?

というのを判断する事で、

原因を突き止める第一歩となります。

原因が特定できれば治療法も確定できますので、

まずは、自分の腰痛がどちらの腰痛なのか?

を考えてみて下さいね。

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