我々が関わっている患者さんは、
様々なケガや病気を負っていらっしゃいます。
腰痛は、怖い病気の症状である場合があります。
腰痛の原因が、怖い病気かもしれない”特異的腰痛”とは?
特異的腰痛の原因は?
特異的腰痛の原因を判断するには?
特異的腰痛の治療は?
具体的に説明致します!
目次
特異的腰痛とは?
腰痛の中でも原因がわかっているものを総称して、
”特異的腰痛”
と呼びます。
特異的腰痛なら、原因となる病気やケガがハッキリしているという事ですから、
病院でしっかり治療をすれば治りますが、
腰痛の原因が、怖い病気の場合もありますので注意が必要です。
特異的腰痛の原因は?
特異的腰痛の原因は、
運動器(骨・筋肉・関節・神経など)や内科的な問題として
以下の病気が挙げられます。
筋肉や骨の問題
・筋膜性腰痛
・腰痛症
・腰椎圧迫骨折
・ぎっくり腰(腰椎捻挫)
・脊柱管狭窄症
・椎間板ヘルニア
・椎間板症
・脊椎や骨盤周囲の骨肉腫(がん)
・腰椎分離症
・腰椎すべり症
・変形性腰椎症
・変形性股関節症
・脊椎側弯症
・強直性脊椎炎
・リウマチ性多発筋痛症
・化膿性脊椎炎
・脊椎カリエス
・骨粗鬆症(による骨折)
など
神経の問題
・坐骨神経痛
・帯状疱疹神経痛
など
中枢神経の問題
・脳梗塞
・脳出血
・脳腫瘍
・脊髄損傷
・脊髄腫瘍
・膿腫
など
内科的な病気の問題
・悪性腫瘍(がん)
胃がん、肝臓がん、膵臓がん、大腸がん、子宮がん
・胃潰瘍
・胃下垂
・十二指腸潰瘍
・肝硬変
・肝炎
・膵炎
・胆嚢炎
・胆石症
・腎盂腎炎
・腎周囲炎
・腎梗塞
・単純性腎嚢胞
・水腎症
・腎静脈血栓症
・腎下垂
・遊走腎
・尿路結石
・腹部大動脈瘤
など
女性特有の問題
・月経痛
・月経困難症
・月経不順
・子宮内膜症
・子宮頸管炎
・子宮筋腫
など
と、非常に多岐にわたります。
特異的腰痛の原因を判断するには?
これらを大まかに判断する方法として、以下の特徴に注目して下さい。
筋肉や骨の問題がある場合
- 転倒や転落などの事故の後にズキズキ痛んで動けない・・・
- 力仕事など体に負担がかかる動きの後に痛みが強くなる
- 中腰や前かがみの姿勢を長い時間とると体を起こせないほど痛みが出る
- 動くと痛いが、安静にしていると楽になる
などの特徴がみられます。
抹消神経に問題がある場合
- 痛みだけじゃなく痺れもある
- 肛門や性器の周囲が熱くなる
- 尿が出にくい
- ひどい尿漏れがある
などの特徴がみられます。
中枢神経に問題がある場合
- 手足に力が入りにくい
- 歩いている時や立っている時にバランスを崩しやすい
- 呂律がまわらない
などの特徴がみられます。
内科的な病気で問題がある場合
- じっとしていても動いても痛みが変わらない・・・
- 痛み止めを飲んでもぜんぜん効かない
- 黄疸、尿が出にくい、頻繁に尿意があるなど他の内科的な症状がある
などの特徴がみられます。
女性特有の問題
- 年齢が40~50代
- めまい、火照り、多量に汗をかくなど更年期障害の症状がある
- 閉経している
- 月経が不順
- 肌荒れがひどい
などの特徴がみられます。
これらの病気やケガは、
腰が痛くなって病院を受診したら発見された・・・
という事が非常に多いです。
私が担当した患者様の娘さんが、
ゴルフをしていて腰が痛くなり、1か月経っても治らない・・・
とおっしゃっておられたので、
病院受診をおすすめしたところ
大腿骨頸部(股の付け根)の骨肉腫(骨の癌)だった・・・
という事がありました。
特異的腰痛の治療は?
特異的腰痛の治療として、まずは病気の診断が何よりも先決です。
診断が出て、原因となっている病気がハッキリすれば、
その病気の治療をすれば良いだけです。
原因となっている病気が治れば、
自然に腰痛の方も治りますので、
ケガや病気を治す事に専念して下さい。
原因がハッキリしていると言っても、
悪性腫瘍(ガン)や難病の場合は、
簡単に治る病気ではありませんが、
腰痛があったからこそ見つかったと考えて、
とにかく少しでも早く病気の治療して下さい。
その腰痛は恐ろしい病気かもしれません・・・病気が原因かもしれない特異的腰痛とは? まとめ
1 特異的腰痛とは?
原因がわかった腰痛を総称して”特異的腰痛”と呼ぶ。
2 特異的腰痛の原因は?
以下の①~⑤の原因が挙げられる。
①筋肉や骨の問題
・筋膜性腰痛 ・腰痛症 ・腰椎圧迫骨折 ・ぎっくり腰(腰椎捻挫)・・・など
②神経の問題
・坐骨神経痛 ・帯状疱疹神経痛・・・など
③中枢神経の問題
・脳梗塞 ・脳出血 ・脳腫瘍 ・脊髄損傷・・・など
④内科的な病気の問題
・悪性腫瘍(がん) ・胃潰瘍 ・胃下垂 ・十二指腸潰瘍・・・など
⑤女性特有の問題
・月経痛 ・月経困難症 ・月経不順 ・子宮内膜症・・・など
3 特異的腰痛の原因を判断する特徴
以下の①~⑤の特徴が挙げられる。
①筋肉や骨の問題がある場合
・転倒や転落などの事故の後にズキズキ痛んで動けない ・力仕事など体に負担がかかる動きの後に痛みが強くなる・・・など
②抹消神経に問題がある場合
・痛みだけじゃなく痺れもある ・肛門や性器の周囲が熱くなる・・・など
③中枢神経に問題がある場合
・手足に力が入りにくい ・呂律がまわらない・・・など
④内科的な病気で問題がある場合
・じっとしていても動いても痛みが変わらない ・痛み止めを飲んでもぜんぜん効かない・・・など
⑤女性特有の問題
・年齢が40~50代 ・めまい、火照り、多量に汗をかくなど更年期障害の症状がある・・・など
4 特異的腰痛の治療は?
病気の診断が何よりも先決で、とにかく少しでも早く病気の治療して下さい。
ご自分の腰痛に当てはまる特徴はありましたか?
もし当てはまるものがあれば、
なるべく早い受診をおススメします。
病気が発見されるのを怖がって受診が遅れれば
悪化して、治療もそれだけ長引きます。
勇気を出して、とにかく受診してみて下さいね!