その体臭は怖い病気の症状かもしれません!特徴的な体臭が出る12の病気とは?

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暑くなってきて、体臭が気になる時期になりましたね。

私が担当していた患者さんも、この時期になると体臭を気にされ始めます。

体臭は、病気の兆候を判断するのに大事な症状で、

我々も患者さんの体調を判断する材料として、常に気を付けています。

その体臭は、暑さだけが原因ではなく病気かもしれません。

特徴的な体臭が出るのは、どんな病気があるのでしょうか?

もし異常な体臭を感じたら、何科を受診すれば良いのでしょうか?

普通の体臭の原因

一般的に体臭の原因となっているものは、

・ワキガ
・足臭
・加齢臭
・口臭
・疲労臭
・ストレス汗臭
・便秘臭
・嗜好品臭(酒・タバコなど)

が挙げられます。

これらの体臭とは別で、病気特有の体臭があるのです。

特徴的な体臭が出る病気とは?

ヨーロッパでは、紀元前から1700年代頃までは、体臭や尿臭で判断する「臭診」が病気の診断法として大きな位置を占めていて、

日本でも明治時代には体臭で病気の診断を下していました。

現代でも、臭いで癌を見付ける「探知犬」が活躍していて、判定の確率はほぼ100%に近い成果を出しています。

我々も、在宅の現場で患者さんの異常な体臭に気付いた時は、次項のような病気の可能性を説明して病院受診をお願いします。

NIKKEI STYLEに掲載されている病気特有の臭いには、

病気による体臭の変化
病名 体臭の特徴
糖尿病 甘いにおい、甘酸っぱいにおい
胃の障害 酸っぱいにおい、卵の腐ったにおい
腎機能の障害 アンモニアのにおい
肝機能の障害 ネズミ臭、ドブのようなにおい
痛風 古いビールのにおい
ひどい便秘 便のにおい
慢性副鼻腔炎
(ちくのう症)
腐ったにおい
メープルシロップ
尿症
メープルシロップの甘いにおい
トリメチルアミン
尿症

(魚臭症候群)
魚が腐ったにおい
フェニルケトン
尿症
カビのにおい
歯周病 腐ったにおい
ペスト 青りんごの腐ったにおい
(資料提供:Dr外崎肇一さん)

引用:NIKKEI STYLE

が、挙げられています。

このように、それぞれの病気で特徴的な体臭が出ます。

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病気で体臭が出る原因は?病院は何科を受診すればいい?

それでは、なぜ病気で体臭が変わるのか?それぞれの原因と、

体臭に気付いた時に受診する病院の診療科を説明していきます。

糖尿病

健康体の人のエネルギーは、まず糖から作られますが、
糖尿病になると糖からエネルギーを作りにくくなるので、糖の代わりに脂肪やタンパク質を分解してエネルギーとして使おうとします。

この脂肪やタンパク質を分解する際にできるのが「ケトン体」という物質です。

このケトン体には「アセトン」という物質が含まれていて、このアセトンが息や汗から出てくる事で甘いにおい、甘酸っぱいにおいの体臭を発します。

この体臭をなくすには、糖の代謝を改善するしかありません。
糖尿病を扱っている内科、できれば糖尿病を専門としている糖尿病内科を受診して治療して下さい。

胃の障害

胃に障害があると、食べたものが未消化を起こし、消化しきれなかった食べ物が胃の中に留まり発酵します。

この発酵で硫化水素が発生して、口臭として出て来ます。

腐敗臭が「酸っぱいにおい」、硫化水素が「卵の腐ったにおい」を発します。

この臭いを改善するためには、胃の調子を整える事が大事ですので、胃の病気を治す事が大事です。

胃の病気を治すためには内科か、できれば胃腸科を受診して下さい。

腎機能の障害

健康な尿は、用を足したばかりのときはわずかな臭いがあるのみで、ほとんど臭いがありません。

健康な状態であれば体内で分解されるはずのアンモニアが、腎臓が悪いときちんと分解されずに残るためアンモニアのにおいがします。

本来は腎臓内科を受診した方が確実ですが、腎臓内科はかなり少ないので、まずは泌尿器科を受診して下さい。

腎臓の病気は、人工透析を受ける必要があるかもしれませんので、人工透析を行っている泌尿器科を受診しておいた方が良いと思います。

肝機能の障害

肝臓はいろいろな物質を分解してくれますが、肝臓が悪いと分解が上手くできず、分解できなかった物質が臭いを発します。

この臭いを発している物質が血液に混ざり、汗など体液として分泌されてドブのような体臭になります。

肝臓の病気は、できれば消化器内科が良いのですが、近くに消化器内科が無ければとりあえず内科を受診して、ドクターの指示を仰いで下さい。

痛風

痛風は、肉や魚に多く含まれる「プリン体」という物質を多く摂り過ぎる事で起こる病気です。

このプリン体がビールのような臭いを発する事で、古いビールのような体臭となります。

痛風が悪化すると腎臓の機能が低下して、尿臭を発する事もあります。

痛風は痛みが強いので、整形外科などを受診される方も多いのですが、必ず内科を受診して下さい。

できれば、痛風外来など専門的に治療しているところがベストです。

ひどい便秘

便秘で便が大腸に長期間留まると、大腸の中で腐敗や発酵が進んで臭い物質が多くなります。

この臭い物質は、血液に混じって肝臓と大腸を行ったり来たりしますが、血液に混じった臭い物質が汗や体液として出て来るため、便のにおいの体臭になります。

便秘は、胃腸科を受診すれば良いです。

ただし、便秘の原因は食生活だけではなく、ストレスや運動不足など様々な原因がありますし、他の病気の症状として便秘が出ている可能性もあります。

受診したドクターにセカンドオピニオンの相談をすると良いです。

慢性副鼻腔炎

慢性副鼻腔炎は、鼻の奥の副鼻腔というところに膿が溜まる病気です。

この膿が腐ったような臭いを発する事で、ずっと自分の鼻の中が臭いのが続きます。

さらに悪化すると、この臭いが呼吸で鼻から出て、臭いを他人も感じさせることがあります。

慢性副鼻腔炎は、耳鼻咽喉科を受診して下さい。

軽ければ服薬や洗浄で治りますが、ひどくなると手術をしなければいけなくなる事もありますので、早めの受診をオススメします。

メープルシロップ尿症

メープルシロップ尿症は、先天性の病気で尿や汗がメープルシロップの臭いがする事でこの名前が付いています。

治療が遅れると重篤な神経後遺症を残し、死亡する場合もある恐ろしい病気です。

先天性の病気なので、乳幼児に症状が出て、成人になっても服薬や食事療法などの治療を続けなければいけませんが、経過が良ければ食事にだけ気を付ければよくなります。

この病気は先天性で、患者は赤ちゃんですので、小児科に行って下さい。

小児科で天代謝異常検査(ガスリー検査)を受けて下さい。

トリメチルアミン尿症

食べ物に含まれる

・コリン
・レシチン
・トリメチルアミンオキシド

などの成分が体内で分解されると、トリメチルアミンという成分になります。

トリメチルアミンは、魚が腐ったような臭いがしますが、身体の分解酵素で分解されて臭いは無くなります。

ただし、この分解酵素が出なくなるとトリメチルアミンが汗や体液に混ざり魚が腐ったような体臭になります。

検査は、普通の病院では保険適応されなく、昭和薬科大学だけが研究のために検査を行っています。

検査したい時は、昭和薬科大学のWebサイトから個人的に検査申し込みを行います。

治療法は今のところ無いため、トリメチルアミンが出ないような食事にするよう気を付けるしかありません。

フェニルケトン尿症

食べ物に含まれるフェニルアラニンというアミノ酸を分解する酵素の働きが生まれつき弱い病気です。

このフェニルアラニンが身体の中に蓄積するとフェニルケトン体として体液に混ざりカビのような体臭となります。

悪化すると、知能の遅延や発達障害、神経症状などの症状が出る怖い病気です。

生まれつきの病気なので、まずは小児科を受診して下さい。

治療は、薬の治療以外にも食事療法としてタンパク質の摂取を抑えたりします。

フェニルケトン尿症用の食べ物として、フェニルアラニンを少なくしている食べ物も市販されています。

歯周病

歯周病は歯槽膿漏とも呼ばれ、細菌が歯垢を分解したときの臭いや、歯と歯の間や歯茎に詰まった食べカスが腐敗して腐ったにおいを出します。

歯周病は、歯科で治療できますが、治療しても一時的に良くなるだけです。
歯科で治療した後も、口の中を清潔に保つ努力をする事や定期的に歯科に通う必要があります。

ペスト

ペストは黒死病とも呼ばれ、ネズミが媒介するペスト菌で広がる伝染病で、

・頭痛
・嘔吐
・高熱
・呼吸困難
・血痰

などの症状が出て、発症から24時間以内に死亡する疫病で、

感染者は青りんごの腐ったにおいがするのが特徴です。

過去にはヨーロッパなどで大流行し、特に14世紀の大流行は、世界人口を4億5000万人から3億5000万人にまで減少させたと言われています。

現在でも、全世界で1万人程度が感染していますが、抗生物質での治療が確立されているため死亡者は800人ほどに抑えられています。

現在、ペスト患者が毎年報告されてるた国は、

・コンゴ
・マダガスカル
・ペルー
・アメリカ

の4か国だけです。

ペストが疑われる症状がみられたら、とりあえず内科を受診しますが、

もし、ペストに感染しているのが確定したら、感染症指定医療機関に隔離されますので覚悟や準備が必要です。

感染力の強い病気ですので、ペストが疑われる場合は、他人に感染させないように接触を避けて下さい。

特に上記のペスト患者が毎年報告されている国へ旅行した後で症状が出た時は、病院受診する際にドクターに報告して下さい。

  

その身体の臭いの原因は怖い病気かもしれません!特徴的な体臭が出る12の病気とは? まとめ

まとめ

1 普通の体臭の原因
一般的に体臭の原因となっているものは、
・ワキガ
・足臭
・加齢臭
・口臭
・疲労臭
・ストレス汗臭
・便秘臭
・嗜好品臭(酒・タバコなど)
が挙げられます。

2 特徴的な体臭が出る病気とは?
糖尿病 → 甘いにおい、甘酸っぱいにおい
胃の障害 → 酸っぱいにおい、卵の腐ったにおい
腎機能の障害 → アンモニアのにおい
肝機能の障害 → ネズミ臭、ドブのようなにおい
痛風 → 古いビールのにおい
ひどい便秘 → 便のにおい
慢性副鼻腔炎 → 腐ったにおい
メープルシロップ尿症 → メープルシロップの甘いにおい
トリメチルアミン尿症 → 魚が腐ったにおい
フェニルケトン尿症 → カビのにおい
歯周病 → 腐ったにおい
ペスト → 青りんごの腐ったにおい

3 病気で体臭が出る原因は?病院は何科を受診すればいい?

糖尿病
ケトン体が原因 → 糖尿病内科

胃の障害
消化しきれなかった食べ物の発酵 → 胃腸科

腎機能の障害
分解されずに体内に残ったアンモニア → 泌尿器科

肝機能の障害
分解できなかった物質が臭いを発する → 消化器内科

痛風
体内にプリン体が溜まる → 内科

ひどい便秘
大腸の中での腐敗や発酵 → 胃腸科

慢性副鼻腔炎
副鼻腔に膿が溜まる → 耳鼻咽喉科

メープルシロップ尿症
先天性の病気 → 小児科

トリメチルアミン尿症
食べ物が分解されたトリメチルアミン → 昭和薬科大学だけで検査可能

フェニルケトン尿症
フェニルアラニンが身体の中に蓄積 → 小児科

歯周病
歯の間や歯茎に詰まった食べカスが腐敗 → 歯科

ペスト
感染者は青りんごの腐ったにおいがするのが特徴 → 内科

体臭は、健康状態や行動を如実に表す大事なものです。

お酒を飲んではいけないはずの患者さんからお酒の体臭がしたり、

タバコを吸ってはいけないはずの患者さんからタバコの体臭がして、

ご注意を差し上げる事も多々あります。

特徴的な体臭を感じて、新たな病気を疑い病院受診をしてもらったところ、新たな病気が発見されたケースを何件も経験しています。

自分やご家族に、普段と違う体臭を感じた時は、まず身近な医療関係者に相談してみて、

出来るだけ早く受診される事をオススメします。

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