趣味で車椅子マラソンをされている方との会話の中で、
「オリンピック選手の紹介はテレビでよくやってるけど、パラリンピック選手にこそスゴイ選手がいるんだけどね…」
という話が出てきました。
パラリンピックには、本当にスゴイ選手が居るんです!
今回は、平昌パラリンピックで注目されている、
世界で活躍している選手を5人ご紹介します!
目次
平昌パラリンピックにも出場!世界のスーパーアスリートたち
ストロングハートと革命精神の男! ロマン・ラブル選手
種目:アルペンスキー座位
出展:日本財団パラリンピックサポートセンター
ラブル 選手は、1991年6月11日、オーストリア・チロル州生まれで、
2007年、17歳のときにスキー滑走中の事故で脊髄を損傷します。
この事故後、不屈の精神でリハビリに取り組み、
翌年からはチェアスキーを始め、その1年後にはレースに出場します。
2013年には、ワールドカップで初優勝を収め、2014年のソチパラリンピックでは、回転、大回転、スーパーコンビの3種目で銅メダルを獲得しています。
ラブル選手のスゴイところは、
普通、パラリンピックに初出場する選手は、
プレッシャーでメダルを獲得するどころか、普段の力も出せないと言われている中、
初出場で、銅メダルを3つも取る“ストロングハート”と、
オーストリア出身の選手は、オーストリア製のチェアスキーを使うのが当たり前という伝統を打ち破り、
勝つ為だけに日本製のチェアスキーに乗り換える“革命精神”です。
初出場でメダル3個も勝ち取ったラブル選手が、4年間の経験を積んで、
どこまで成長しているのか?!
今度こそは、金メダルを獲得できるのか?!
最大のライバル、森井選手とのメダル争いも楽しみです!
出展:日本財団パラリンピックサポートセンター
3月11日 BS1 9:20~
アルペンスキー 男子スーパー大回転 ほか
3月13日 NHK総合 13:05~
アルペンスキー 男子・スーパー複合 スーパー大回転 回転 ほか
3月14日 NHK総合 13:05~
アルペンスキー 男子・回転 ほか
3月17日 NHK総合 12:15~
アルペンスキー 男子・大回転 ほか
ハワイ育ちの超イケメンスノーボーダー! エヴァン・ストロング 選手
種目:スノーボードクロス
出展:Wikipedia
エヴァン・ストロング選手は、1986年11月13日カリフォルニア州 サンフランシスコ生まれで、1995年に9歳でハワイの マウイ島に移り住みました。
2004年11月3日、17歳の時に、オートバイの事故で左足を切断するケガを負いましたが、
切断した足に義足を付けた身体で、スケートボード、自転車に取り組み、
2007年からスノーボードをはじめ、2008年からは世界選手権に出場。
2011年には、ワールドカップで初優勝し、2014年のソチパラリンピックでは正式種目では無いながらも金メダルを獲得しました。
このストロング 選手のスゴイところは、
スノーボード以外にも、ダウンヒルマウンテンバイクやスケートボードの国際的レースにも出場しており、
趣味でロッククライミングやアーチェリーなどもこなす、
障害を持つ身体とは思えないアクティブさです。
障害を持ちながらもこのアクティブさは、強靭な肉体と併せてバケモノじみたスタミナや精神力が無いと保つ事ができません。
この体力と精神力が、アスリートとしての能力の高さを証明しています。
平昌パラリンピックで正式競技として初お目見えするパラスノーボードで、
2016-2017のワールドカップ年間チャンピオンであり、ソチ大会の優勝者として、
金メダル最有力候補のストロング選手がどんな滑りを見せてくれるか?
2017年に本番と同じ平昌で行なわれたワールドカップで優勝し、
金メダル候補に名乗りを上げた日本の新星、
成田緑夢選手と、どんな戦いをみせてくれるか?
非常に楽しみですね!
3月12日 NHK総合 12:20~
スノーボード 男子クロス ほか
夏でも冬でもオールマイティー!無冠の最強女子 オクサナ・マスターズ選手
種目:クロスカントリー、バイアスロン
出展:日本財団パラリンピックサポートセンター
オクサナ・マスターズ選手は1989年、ウクライナ西部の町に生まれました。
先天的に腓骨がなく両脚の長さも異なり、手や足の指にも奇形があり、内臓にも一部、障がいが見られました。
その原因は、生まれる3年前に出身地近くで発生したチェルノブイリ原発事故による放射線被害の影響だろうといわれています。
孤児院で育ったマスターズ選手は、養子縁組で7歳の時にアメリカに移住しましたが、
孤児院での栄養失調の影響で、左右両方の脚を切断しなければいけなくなりました。
高校生からボート競技に打ち込み、
2012年のロンドンパラリンピック(夏季)に出場し、銅メダルを獲得。
出展:朝日新聞
2014年のソチパラリンピック(冬季)では、クロスカントリーの12kmと5kmで銅メダルを獲得し、
さらに2016年のリオパラリンピック(夏季)では自転車競技で4位に入賞するという、
夏季・冬季両方での活躍という快挙を成し遂げました。
このマスターズ選手のスゴイところは、言うまでも無く、何でもできるオールマイティーさです。
何でもできるというのは、体力やセンスはもちろんですが、メンタルの強さが必要です
ただし、マスターズ選手の場合の強さは、メンタルの強さというより、新しい事に挑戦する事を楽しんでいるところにあります。
本人もインタビューの中で
「私は人と競うことが大好き。人生が終わるその日まで、自分の限界に挑戦し続ける毎日を送りたい。1日も欠かさずに。」
と語っています。
この「挑戦を楽しむ」というメンタルが競技の中でも活かされていて、
アグレッシブに攻める姿勢は、見ている方が気持ちよくなるほどです。
まだパラリンピックでは金メダルを取っていない“無冠”女子ですが、
今期は、IPCワールドカップで3連続総合優勝と、調子も最高潮に達しており、
今回の平昌パラリンピックこそは、金メダルを獲得できるか?どうかが見どころです。
3月10日 NHK総合 13:05~
バイアスロン 女子 6km ほか
3月10日 NHK総合 12:15~
クロスカントリー ほか
世界に負けていない!日本人選手にもすごいアスリートが!
信念で最新技術を勝ち取った男! 森井 大輝 選手
種目:アルペンスキー座位
出展:paraphoto
森井選手は、1980年7月9日東京都で生まれ、4歳からスキーを始めました。
1997年、高校2年生の時にオートバイ事故により脊髄を損傷し、車椅子の生活が始まり、
1998年の長野パラリンピックを病室で見て、チェアスキーを始めました。
それからわずか4年後の2002年にはソルトレイクシティパラリンピックに出場し、回転、大回転で8位となりました。
2006年のトリノパラリンピックでは男子座位大回転で銀メダル、
2010年のバンクーバーパラリンピックでは男子座位滑降で銀メダル、男子座位スーパー大回転で銅メダルを獲得しました。
2012年には、2011-2012シーズンの障害者アルペンスキーワールドカップの男子座位で総合優勝を達成しました。
出展:gazoosports
世界でもトップレベルで活躍している森井選手が、まだ手に入れていないものが、
パラリンピックの金メダルです。
金メダルを手に入れるためには、誰よりも速いチェアスキーが必要だと、自動車会社のトヨタに入社し、
形振り構わず
「チェアスキーの開発がしたいんです!」
と周りにお願いし続け、
やっと、トヨタの自動車開発陣とタッグを組む事ができ、
金メダルを取るための開発チームが発足されたのです。
今回の平昌パラリンピックでは、
空力や軽量化など、自動車開発の技術が集約された、
“森井モデル”
のチェアスキーを駆り、今度こそ金メダルを獲得できるのでしょうか?
同じく、チェアスキーの開発に情熱を傾けているロマン・ラブル選手との闘いも楽しみですね!
3月11日 BS1 9:20~
アルペンスキー 男子スーパー大回転 ほか
3月13日 NHK総合 13:05~
アルペンスキー 男子・スーパー複合 スーパー大回転 回転 ほか
3月14日 NHK総合 13:05~
アルペンスキー 男子・回転 ほか
3月17日 NHK総合 12:15~
アルペンスキー 男子・大回転 ほか
活躍が約束されたDNA! 天才 成田緑夢 選手
種目:スノーボードクロス
出展:TheBORDERLESS
成田選手は、1994年2月1日大阪に生まれ、
兄と姉はトリノオリンピックにスノーボードで日本代表として出場している、成田童夢選手と今井メロ選手です。
1998年の長野オリンピックでは、わずか4歳でスノーボードのデモンストレーターを務め、小学校時代から国際大会に出場するほどの才能を持ち、
2010年の時点で、バンクーバーオリンピック金メダリストのショーン・ホワイトが見せた新技「ダブルマックツイスト1260。」を一発で決める技術を持っていたほどです。
2012年11月からフリースタイルスキー・ハーフパイプに取り組み始め、
2013年1月、2月のFISワールドカップに3回出場した後、
2013年フリースタイルスキー世界選手権の日本代表に選出されて出場しています。
スノーボードと平行して、トランポリン競技もこなし、
上宮高等学校2年時の2010年8月、全国高校選手権の男子個人で
歴代最高得点16.3点で最高難度賞を受賞するなど、輝かしい経歴があります。
しかし2013年4月、トランポリンの練習中の事故により左足の腓骨神経麻痺の重傷を負って、再起不能かと思われましたが、
障害を克服し、スノーボードハープパイプ競技に復帰を果たしました。
成田選手のスゴイところは、
兄の成田童夢選手や姉の今井メロ選手と同じDNAを持つ、運動能力の高さと、
父親のスノーボードコーチ成田隆史氏に小さな頃から英才教育を受けてきた、
まさにスノーボードをするために生まれてきたような天才だというところです。
さらに、成田選手のスゴイところは、スノーボードだけではなく、
陸上競技の走り高跳びにも挑戦しており、
日本パラ陸上選手権では2位の成績を収め、
夢は「パラリンピックとオリンピックでのダブル金メダル」という
障害に負けないメンタルの持ち主だというところです。
昨年の2017年には、本番と同じ平昌で行なわれたワールドカップで優勝して調子を上げており、
兄も姉も成しえなかった、金メダルを獲得できるかどうか?
強敵エヴァン・ストロング選手との金メダル争いも、非常に楽しみなところです。
3月12日 NHK総合 12:20~
スノーボード 男子クロス ほか
オリンピックより絶対面白い 平昌パラリンピック 世界で注目の選手はこの5人! まとめ
1 平昌パラリンピックにも出場!世界のスーパーアスリートたち
1.1 ストロングハートと革命精神の男! ロマン・ラブル選手
初出場で、銅メダルを3つも取る“ストロングハート”と、オーストリア製のチェアスキーを使うのが当たり前という伝統を打ち破り、勝つ為に日本製のチェアスキーに乗り換える“革命精神”が魅力。
初出場でメダル3個も勝ち取ったラブル選手が、4年間の経験を積んで、どこまで成長しているのか?!今度こそは、金メダルを獲得できるのか?!に注目。
1.2 ハワイ育ちの超イケメンスノーボーダー! エヴァン・ストロング 選手
障害を持つ身体とは思えないアクティブさを持つ、体力と精神力が、アスリートとしての能力の高さを証明している。
2016-2017のワールドカップ年間チャンピオンであり、ソチ大会の優勝者として、金メダル最有力候補のストロング選手がどんな滑りを見せてくれるか?に注目。
1.3 夏でも冬でもオールマイティー!無冠の最強女子 オクサナ・マスターズ選手
何でもできるオールマイティーさ、新しい事に挑戦する事を楽しんでいるところに強さがあり、アグレッシブに攻める姿勢は、見ている方が気持ちよくなるほど。
今期は、IPCワールドカップで3連続総合優勝と、調子も最高潮に達しており、今回の平昌パラリンピックこそは、金メダルを獲得できるかどうかが見どころ。
2 世界に負けていない!日本人選手にもすごいアスリートが!
2.1 信念で最新技術を勝ち取った男! 森井 大輝 選手
金メダルを手に入れるためには、誰よりも速いチェアスキーが必要だとトヨタ自動車に入社し、「チェアスキーの開発がしたいんです!」と訴え続け、金メダルを取るための開発チームが発足された。
空力や軽量化など、自動車開発の技術が集約された、“森井モデル”のチェアスキーを駆り、今度こそ金メダルを獲得できるのか?に注目。
2.2 活躍が約束されたDNA! 天才 成田緑夢 選手
兄の成田童夢選手や姉の今井メロ選手と同じDNAを持つ、運動能力の高さと、父親のスノーボードコーチ成田隆史氏に小さい頃から英才教育を受けてきたまさにスノーボードをするために生まれてきたような天才。
昨年の2017年には、本番と同じ平昌で行なわれたワールドカップで優勝して調子を上げており、兄も姉も成しえなかった、金メダルを獲得できるかどうか?に注目。
パラリンピックは、障害者のスポーツとして
「痛々しい…」
なんて言う方もいらっしゃいますが、
とんでもない話です。
ドイツのマルクス・レーム選手のように、
障害者世界陸上の走り幅跳びで、ロンドンオリンピックの金メダル記録を抜く大記録を打ち立てる選手も出てきています。
肉体のみで戦うオリンピックと比べて、装具や器具を使うパラリンピックは、
カーレースなどのように、器具の技術が勝敗を左右し、
4年に一度のパラリンピックでは、器具の進化も楽しめる要素のひとつです。
病気やケガで負った障害を、メンタルで乗り越えて、
活き々と競技をしている姿が、
一般の障害者の方々の勇気にも繋がれば最高です。
なかなか話題に上らないパラリンピックですが、
今回、紹介した選手の競技だけでも見てみて下さい。
絶対!パラリンピックのファンになるはずですよ♪