自分が認知症でも介護しなければならない現実 老老介護を超えた認認介護とは?

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深刻な高齢化が進み、

高齢者が高齢者を介護する、

老老介護という言葉はよく聞かれると思いますが、

もっと深刻な問題として、

認認介護というものが取り沙汰されています。

我々が関わらせて頂いているケースでも、認認介護で困っている方がいらっしゃいます。

この認認介護とは何でしょうか?

認認介護にはどんな問題があるのでしょうか?

どう解決していけば良いのでしょうか?

増え続けている老老介護

内閣府の発表では、

在宅で介護を受けていらっしゃる方の約6割は、同居している人が介護を行っています。


出展:内閣府

その内訳は、
配偶者が26.2%、子が21.8%、子の配偶者が11.2%となっており、

同居している主な介護者の年齢については60歳以上で、

男性が69.0%、女性が68.5%となっています。

この中で「老老介護」と呼ばれるケースはかなり存在していると思われます。

認認介護とは?

65歳以上の高齢者の認知症患者数は、

平成24年は認知症患者数が462万人と、65歳以上の高齢者の7人に1人が認知症の診断を受けていらっしゃる事になります。

出展:内閣府

また、要介護認定を申請していない認知症の予備軍は、約800万人以上だと予想されていて、
介護が必要になった原因でも、認知症は1位となっています。

この中で、

介護を受ける側も介護をする側も認知症である。

という問題が、認認介護と呼ばれるものです。

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認知症の症状は?

認認介護の問題点は、認知症の症状と直結していますので、
まずは、認知症の症状を説明します。

認知症の症状は、まず大きく
「中核症状」と「周辺症状」の2つに分けられます。

認知症の症状

中核症状
認知症は、加齢や病気・ケガによって、脳の細胞が壊れる事で起こります。
脳が壊れる事で出る症状を中核症状と言います。

周辺症状
中核症状が元で、二次的に行動や心理面に出て来る症状です。
中核障害を持った個人々の性格・環境・心理状況でいろいろな形で出現するため、個人差が大きいです。

では、それぞれの症状を細かく説明します。

「中核症状」の主な症状

記憶障害
記憶として憶えられない、思い出せない。

・朝ご飯を食べたかどうかがわからない
・トイレの場所がわからなくなった
・さっき話した事を憶えていない
など

見当識障害
年月日や時間、季節、場所、人との関係性が分からなくなる。

・今が夏なのか?冬なのか?わからない
・今、自分がどこにいるのかがわからない
・娘や息子を他人だと言う
など

理解・判断力の障害
物事の理解に時間がかかったり、複数のことの理解が難しくなる。いつもと違う出来事に混乱する。 曖昧さや推測するような表現は理解しにくくなる。

・トイレが間に合わず漏らす
・簡単な料理の手順がわからなくなる
・「あの人が…」「それを…」と言われても何を指すのかわからない
など

実行機能障害
物事に計画を立てて実行することができなくなる。予想外の出来事に対応できない。

・夕飯のメニューを決めていても、スーパーで何の材料を買っていいか分からない
・洗濯をしながら掃除ができない
・ 家族がいつも来る時間に来ないとパニックになる
など

失語
言葉を司る脳の部分の損傷で、言葉がうまく使えなくなる。
失語には、運動性失語(ブローカ失語)と感覚性失語(ウェルニッケ失語)がある。

運動性失語(ブローカ失語)
相手の話は理解ができるが、言葉が出にくくなったり、考えている事と違う事を言ってしまう。文字を書くことも難しくなる。

・「テレビ」と言われたらテレビだと分かっているが、どうしても「自動車」と言ってしまう
・質問に対してなかなか言葉が出てこない
・簡単な文章が書けない
など

感覚性失語(ウェルニッケ失語)
言葉は流暢に出てくるが、相手の言葉の意味を理解することが難しくなる。

・ 「テレビ」と言われてもテレビが何なのかがわからない
・質問をしても全然関係の無い答えが返ってくる
・簡単な文章が読めない
など

失認
視覚・聴覚・触覚・嗅覚・味覚という感覚を脳が上手く処理できない状態。半分の空間だけが認識できない事もある。

・自分の手足を他人のものと思っている
・ピザを目では見えているが、半分しか無いと思ってしまう
・ケーキを食べていても「ブロックを食わされた」と怒る
など

失行
麻痺ではなく、わかっているはずの動作が行えない状態。

・ズボンの履き方がわからなくなり、頭からかぶる
・ハシやはさみの使い方がわからない
・手を挙げようとしても足を挙げてしまう
など

「周辺症状」の主な症状

不安・抑うつ
・自分の異常を自覚して、不安・焦り・落ち込みなどの感情。
・周囲の対応にイライラ・不機嫌・怒り・興奮する。
・意欲の低下・思考の障害
など

徘徊
・記憶、見当識、判断力の障害により、どこに行けば良いのか?どこに戻れば良いのか?が分からなくなる。
・行方不明、脱水、過労、転倒、交通事故などの危険がある。

盗難被害妄想
・記憶障害により、いつ・どこに・何を持っているかを忘れ、探しても見つからず誰かが盗んだのではないかと家族や介護者に疑いの目を向ける。

せん妄
・幻覚、錯覚、不安、精神運動興奮、失見当識など。
・誰も話し相手が居なくなる夜間に出る事が多い(夜間せん妄)

幻覚と錯覚
・幻視、幻聴、幻触、幻味、幻嗅など、実際には存在しないものを現実と混同する。

暴力・暴言・拒否
脳の障害で、感情が抑えられない状態となり、不満・不安・苛立ちがきっかけで暴力・暴言・拒否が出る。

弄便(ろうべん)
・失禁したりオムツの中の大便を手で触れたり掴む。
・大便を自分の体・寝具・壁などに擦りつける。

失禁
・記憶・見当識の障害でトイレの場所が分からなくなる。
・記憶障害でトイレに行きたかった事を忘れる。
・尿意・便意を感じにくくなり、トイレに行くのが遅れる。
・判断力の障害でトイレにいつ行くかどうかの判断が遅れる。

不眠・睡眠障害・昼夜逆転
・加齢によるホルモン分泌の変化で睡眠のリズムが保ちにくくなる。
・日中の活動量が減り、睡眠・覚醒のリズムが崩れる。
・記憶・見当識の障害が合わさると夜中に家事をしたり外出しようとする。

帰宅願望
・記憶・見当識の障害で、今の家は自分の家じゃないと思い込む。
・女性の場合、家事や子育てをしなければいけばいけないと夕方に出る事が多く「夕暮れ症候群」と呼ばれる。

摂食障害
・嚥下障害が出る事がある。
・逆流性食道炎・胃炎などで不快感があっても伝えられない。
・嚥下障害や病気などがあると食事の意欲が低下する。
・記憶・見当識の障害で食事した事を忘れて食べ過ぎ、嘔吐や食欲減退につながる。

異食
・記憶・見当識・判断力の障害で食べられる物かどうか判断ができなくなる。
・消化できないものや毒物を食べて大きな問題になる事もある。

認認介護の問題点とは?


強弱はあるにせよ、上記で説明しました認知症の症状を持つ方を、
認知症の症状を持つ介護者が介護するわけですから問題が起こらない訳がありません。

認認介護で考えられる問題点として、細かな問題点は数限りなく出て来るでしょうが、

大きな問題としては、命に関わる部分の介護ができなくなってしまう事が一番重要だと思います。


ただでさえ大変な介護なのに、

認知症の症状として意欲の低下が出ると
介護を途中で投げ出してしまう恐れがありますし、

それが原因となって、不安や抑うつが出てしまうと悪循環になります。

また、介護をする側と受ける側が認知症で、

お互いの記憶や理解の障害として、意見がぶつかると、

感情が抑えきれなくなり、暴力や暴言に繋がる事になり、

大きな事件となる可能性もあります。

実際に、ニュースなどで流れる介護疲れで起こったとされる事件の中には、

普通の精神状態では考えられないような事件もありますが、

もしかしたら、この認認介護が関係している事件が含まれているのかもしれません。

認認介護への解決策は?

①公的機関に相談する。

まずは、お住まいの市区町村の介護相談窓口・地域包括支援センター、保健所などに相談する事をおススメします。

また、高齢者総合相談センター(シルバー110番)など電話で相談に乗ってくれます。

※電話番号 ♯8080だけダイヤルすれば繋がります。

②介護サービスを十分に利用する。

介護保険の認定を受けていないのなら、まずは介護保険を受けられるようにして、

介護保険の認定を受けて、介護サービスが受けられるようになったら、

プロの手を借りて、負担を大きく減らす事も可能です。

家族の介護を他人に任せるのに抵抗があるかもしれませんが、

ひとりで頑張らず、任せられるところはプロの手に任せましょう。

③他の家族に頼る。

もし、共倒れになって介護が出来ない状態になれば、
結局、他の家族が介護をしなければならなくなります。

難しい事かもしれませんが、子供や親せきに頼る事も必要です。

④病院を受診する。

今まで出来ていた事が出来なくなったり、
気力が著しく落ちていたり、
何もしたくないぐらい落ち込んでいたら、


一度、病院で診てもらって下さい。

認知症じゃなくても、点滴や飲み薬で改善できるかもしれません。

自分が認知症でも介護しなければならない現実 老老介護を超えた認認介護とは? まとめ

まとめ

1 増え続けている老老介護
在宅で介護を受けていらっしゃる方の約6割は、同居している人が介護を行っている。

2 認認介護とは?
介護を受ける側も介護をする側も認知症だという問題が認認介護と呼ばれるもの。

3 認知症の症状は?
認知症の症状は、まず大きく
「中核症状」と「周辺症状」の2つに分けられる。

「中核症状」の主な症状
・記憶障害
・見当識障害
・理解・判断力の障害
・実行機能障害
・失語
・失認
・失行

「周辺症状」の主な症状
・不安・抑うつ
・徘徊
・盗難被害妄想
・せん妄
・幻覚と錯覚
・暴力・暴言・介護拒否
・弄便(ろうべん)
・失禁
・不眠・睡眠障害・昼夜逆転
・帰宅願望
・摂食障害
・異食

4 認認介護の問題点とは?
認知症の症状を持つ介護者が介護するわけですから問題が起こらない訳がない。
命に関わる部分の介護ができなくなってしまう事が一番重要。

5 認認介護への解決策は?
①公的機関に相談する。
②介護サービスを十分に利用する。
③他の家族に頼る。
④病院を受診する。

これからますます深刻化する高齢者社会の中で、

認知症という病気は切っても切れない問題となります。

今は、介護が必要ない状態でも、

いつ自分が?

いつ家族が?

介護を必要とする状態になるか分かりません。

実際に介護を受けている方々も、
介護をしている方々も、
口々に

「自分がこんな目に合うとは思わなかった」

とおっしゃいます。

現在、介護を受けている方や介護をしている方は、
少しでも負担を少なくできるように。

今は介護なんて他人事だと思っている方は、
明日は我が身だと思って、

しっかり知識を蓄えておく事が大事です。

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