高齢者や障害者の方々は、
ご病気を抱えている事で何かと出費が多くなり、金銭的に厳しい方が多いのが現実です。
そんな中で、
在宅で介護を受けておられる利用者さんや子供達も含めた障害者の方々の
生活環境を整えるのも我々の大事な仕事です。
高齢者や障害者の方々や障害を持った子供達が安全で生活しやすくなるように、
いろいろ道具を使って生活環境を整える事も多くあります。
福祉用具はとにかく高いので、
何とか家にあるものや安いもので代用したいと、いろいろ探すのですが…
そんな時、頼りになるのが100均です。
今回は、在宅介護の現場でよく使う100均グッズを9つ選んでみました。
目次
現場でよく使う100均アイテム達!
① 滑り止めマット
出展:ポジ熊の人生記
この滑り止めマットはある意味万能ですので、
使う頻度がかなり高いです。
今までで活用したところは、
・車椅子の座面クッションの下
脳卒中などで身体が伸びてしまう方や長時間車椅子座る必要のある方は、
お尻が前に滑ってしまいます。
こんな場合は滑り止めマットをクッションの下に敷いて、お尻の滑り止めにします。
・ベッドから立ち上がる時の足元
立ち上がりが上手くできない方は、床の素材によっては滑る危険性があります。
こんな時にベッドから立ち上がる足元の床に滑り止めマットを敷いて、
足元の滑り止めにします。
・食器が滑らないように
脳卒中や脊椎のケガなどで片手しか使えない方は、
片手で茶碗やお椀を手で支えながら、もう片方の手でハシやスプーンを使えないので、
ランチョンマット代わりにして茶碗やお椀が滑らないようにします。
・手すり・壁・テーブルに立てかけた杖が倒れないように
家の中で杖を使っている方は、両手を使わなければいけない場面では
手すりや壁やテーブルに杖を立てかけますが、この時に杖が滑って倒れる事が多いので、
滑り止めマットで滑らないようにして杖が倒れないようにします。
②-1 ジョイントマット
出展:くらべてMITAI
このジョイントマットは、クッション性があるので、床に敷いて、転倒した時などの緩衝材として使います。
障害を持った子供で、バランスが悪い子などは、
転倒した時に床に倒れてケガをする危険性が高いのです。
その子達が遊ぶ場所に敷き詰める事が多いですね。
フローリングに敷くと意外に暖かいので、這って生活している子供達にも使う事があります。
②-2 カラークッションバー
出展:わくわく通販
これも、転倒した時のケガ防止に使いますが、
杖をテーブルなどに立てかける時の滑り止めにも使っています。
③-1 つまみやすいお箸
出展:ディーコレ
③-2 介護スプーン
出展:GONIo. リハビリテーション family’s Blog
③-3 U字スプーン
出展:GONIo. リハビリテーション family’s Blog
これらは、見たままですね(笑)
手や指が上手く使えず、ハシやスプーンが使い辛い方用の介護用品です。
福祉用具などで買うと結構なお値段なんですが、100均にも売っています。
もちろん、福祉用具で個人々の手や指の状態に合わせた物を使った方が本当は良いのですが、
とりあえず試してみる時や、練習用によく使いますね。
④ ストローコップ
出展:ふくぎ治療院
ベッドの上で起き上がれない方は、横になったまま水分を摂らなければいけません。
また、手が震えたりして上手く使えない方も水分を摂るのに苦労します。
普通のコップでは、もちろん飲みにくいですし、ストローで飲んでも普通のコップじゃこぼれます。
これならストローで飲めますし、少しぐらい傾けてもこぼれません。
さらに、最初から飲み口が付いているタイプと違って、
ストローが替えられますから、衛生的にも良いと思います。
出展:アラサー女の珍ライフ
これは、ペットボトルに直接付けるタイプですので、
お茶やジュースなど、味の違うものにそれぞれ装着して使うと便利です。
⑤ 身体障害者マーク
障害者用マークも100均に売っています。
これを、車などに貼っておけば、
駐車場が無い場所や駐車場が遠い場所などでも
駐車場の係員が誘導してくれて、
目的の場所に近いところに停めさせてくれる事があります。
よく、スーパーなどで
障害者でもないのに、障害者用の駐車場に停めている
ガラの悪い方がいらっしゃいますが、
あんな人と一緒にされないようにする為にも役に立ちます。
この障害者マークと似たようなマークで
視覚障害者マークというものもありますが、
出展:ユニバーサルマインド
これは、まだ100均には売っていません。
これらのマークで勘違いが多いのは、
このマークを付けていたら駐車禁止の場所でも停められる
と思っておられる方が多いです。
障害者が駐車禁止の場所に停めるためには、
こういった、警察署の公安委員会から発行される
「駐車禁止等除外標章」
が無いと、駐車禁止の違反切符を切られますからご注意下さい。
一番、勘違いしている方が多いのは、
障害者マークと車椅子マークを混同しているパターンです。
この車椅子マークには、法的に何の効力もありません。
よく見る
「赤ちゃんが乗ってます!」
というマークと同じです。
このマークは、ただ単に、
「車椅子を使用する人が乗ってますよ」
というのを周囲の車に伝える意味しかありませんので、ご注意下さい。
⑥ 蛇口レバー
出展:NAVERまとめ
これは、手や指が不自由で蛇口が回せない方に使うものです。
リウマチの方は蛇口を捻るような動きで痛みが出るのでこれを使う事が多いですね。
最近の新しい家での水道は、だいたい蛇口がレバー式になっていますが、
古い住宅では、まだまだ回すタイプの蛇口が多いのと、
新しい家でも、お風呂で
回すタイプの蛇口が使われている事がよくありますので、
まだまだ利用する頻度の多いアイテムです。
⑦ 大人のぬりえ
出展:NAVERまとめ
手が不自由になっている方が、手指の細かい動きをリハビリするために使う事が多いですね。
私が昔、担当させていただいた患者さんは右手が悪く、
大人の塗り絵で細かい動きをリハビリしていましたが、
この大人の塗り絵にハマられて、趣味として続けられ、
その後、ステップアップとして水彩画を始められました。
リハビリが始まった当初は、ご病気で鬱的な状態になっておられ、
家から一歩も出ない方でしたが、
今では奥様と二人で写生旅行にあとこち出掛けられていらっしゃいます。
⑧ ファスナーテープ
手指が不自由な方はボタンを留めるなど細かい動きが苦手で、
ボタンのある洋服は自分だけでは着れなくて、介助が必要になる事が多いのですが、
このファスナーテープをボタンの代わりにする事で、介助が少なくて済むようになったり、
カーペットの端をファスナーテープで固定して足が引っかかるのを防いで転倒予防に使ったりもします。
他の使い方として、
電動ベッドの頭の方を起こした時に、
ベッドの上に置いてあるものが全部下に滑り落ちるのですが、
このファスナーテープでくっつけておくと滑り落ちる事を防げるというような使い方をした事もあります。
⑨-1 ケーブルの長いイヤホン
出展:ニッパンオンライン
高齢者の方は耳が遠くなる事が多く、テレビの音が聞こえにくくなるので
イヤホンは必須アイテムです。
ベッドから動けない方だと、テレビとベッドが離れている事が多く、
普通の1mのものでは届かないので、長いものを使います。
今は、100均でもコードが5mのものまで売っていますが、
あまり長すぎるとすぐに絡みますので、
必要な長さを測ってから買いに行かれた方が良いですね。
⑨-2 耳にかけるイヤホン
出展:遠近両用
あと、一日中テレビを見ている方はイヤホンで耳が痛くなります。
そんな時は、耳の穴につっこむタイプではなく、
耳にひっかけるタイプもありますので、これを選ばれると良いと思います。
100均は介護の宝石箱やぁ!
100均のアイテムを利用するのに、失敗しても傷が浅いので、
「使うか?止めるか?」
「どんなものが使いやすいのか?」
という時に、お試しとして使う事が多いです。
また、アイデア商品も多く、商品の回転も早いので、
「こんなのがあったらいいのにな…」
と思っていると、
次に行った時には考えていた商品が置いてあったりします。
更に、商品の種類が多いので、
全く関係の無い商品を組み合わせると、すごく便利なアイテムになったりもします。
まさに100均は
「介護の宝石箱やぁ!」
ですね(笑)