季節も変わり、ファッションが気になる季節になりました。
障害者の方々は着替えも大変で、自由にファッションを楽しむ事すら難しいのですが、
ユナイテッドアローズの障害者用レーベルが立ち上がり、
障害者とコラボしているブランド、tenboとMUKUも頑張っており、
障害者に向けたファッションへの関心が高まっています。
目次
障害者はファッションを楽しめない?
引用:介護のチカラ
ふつうファッションというと、色やデザイン・組み合わせなどに注目しますが、
障害者の場合、まず服の着脱から考えないといけません。
例えば、立てない方はズボンやスカートの着脱が大変ですし、車椅子に乗っていれば背もたれがあるために上着の着脱もスムーズにできません。
手が不自由な方は、袖を通すだけでも苦労しますし、ボタンやジッパーを留めるのも難しくなります。
更に、革ジャンのような固い素材の上着では動きにくかったり、唾液が口から洩れる方にはエプロンも必要になります。
このような問題を解決する洋服は、福祉用具として販売されていますが、
実用性を重視していて、お世辞にもデザインなどを楽しめるようなものではありません。
そんな問題を解決して、障害者でもファッションを楽しめるようにする活動が活発になっています。
ユナイテッドアローズが障害者のレーベルをスタート
「ひとりを起点に、新しいファッションを作る。」という新たなビジネスモデルとして、
プロダクトやサービスを開発する「041(オールフォーワン)」プロジェクトを基に、
電通、日本テレビ、一般財団法人ジャストギビングの社員有志によって運営されている、社会課題と向き合うソーシャルユニット「Social WEnnovators」とコラボして、
有名セレクトショップである株式会社ユナイテッドアローズが、新しい服のレーベル「UNITED CREATION 041 with UNITED ARROWS LTD.」をスタートさせました。
このレーベルは、障がい者とその家族が主体となった「一般社団法人障害攻略課」が協力し、
ストレスフリーなライダースジャケットやフレアにもタイトにもなるジップスカートなど、障がい者一人ひとりの声に応える6アイテムを製作し、販売しています。
ユナイテッドアローズは、「障がい者が抱える服の課題を解決し、多くの人が欲しいと思える服を提案することで、誰もが生き生きと暮らせる社会の実現を目指す」との思いでこのレーベルを立ち上げました。
現在、「041(オーフォアワン)FASHION」のウェブサイトで受注が始まっているアイテムは、以下の7点です。
後ろが外せる2wayコート
アイテム紹介
・撥水素材を用いた晴雨兼用仕様
・車いすの方が座っても快適に着用できるように背中の下半分が取り外し可能
・取り外した背中下半分の生地は足元を覆うフットカバーにも使える仕様
・背中下半分を取り外しても車いすが濡れないようにヨークの丈は長めに設定
・着脱のボタンはスナップボタンを使用
・ウエストに絞りをかけるドローコード付き
・フードを巾着のようにして、コート本体をしまうことが可能モデル着用サイズ(ネイビー) M H183cm B83 W76 H90
車いすモデル着用サイズ(ターコイズ) L
フルオープンな3ZIPパンツ
アイテム紹介
・前身頃のサイドシーム上の二本のZIPを開ければ開口部が広くなり座ったままでも穿きやすい仕様
・シームのもも部分に隠しポケット
・通常のパンツより後ろの股上が深くベルトが下がりにくい仕様
・ヒップ側のベルトループ内側にシャツインしてもシャツが出づらい滑り止め付き
・座った状態でも前側が短くならない前後で異なる裾の長さ
・表地・裏地ともにストレッチ素材モデル着用サイズ(オリーブ) M H183cm B83 W76 H90
車いすモデル着用サイズ( ブラック)XS
ストレスフリーなライダースジャケット
アイテム紹介
・前身頃は本革仕様
・後ろ身頃は寝たきりや車いすの方でも背中に不快感が少ないストレッチ素材
・両サイドの腰から袖先に開けることで腕が上がらない人で着脱しやすくなるサイドZIP付き画像商品サイズ S
車いすモデル着用サイズ S
スタイにもなるエプロンドレス(モックネック)
アイテム紹介
・アウターやトップスとスタイリングがしやすいように一般的なスタイ(よだれかけ)よりも丈が長い仕様
・スタイとして実用性の高い吸水速乾素材を上部表側・下部裏側に使用
・他アイテムとスタイリングがしやすいモックネックのデザインモデル着用サイズ 100-130cm H130cm
着席モデル着用サイズ 100-130cm
スタイにもなるエプロンドレス(肩フリル)
アイテム紹介
・アウターやトップスとスタイリングがしやすいように一般的なスタイ(よだれかけ)よりも丈が長い仕様
・スタイとして実用性の高い吸水速乾素材を上部表側・下部裏側に使用
・かわいらしいデザインを楽しめるショルダーフリルのデザインモデル着用サイズ 100-130cm H130cm
着席モデル着用サイズ 100-130cm
気分を選べるレイヤードラップスカート
アイテム紹介
・レース生地とチェック生地を重ねており気分に合わせてリバーシブルで着用可能
・ウエストの留め具は車いすに座ったままでも着脱しやすいテープ仕様
・ウエストはフラットな留め具仕様の為、座ったり寝たきりのままでも、跡になりにくい
・裾内側に、スカートと車椅子を留めるタブが2箇所付き、スカートが捲れ上がりにくい仕様
・ギンガムのウエストリボンと肩紐は簡単に取り外せて、リボンスカートやジャンパースカートとしても、気分に合わせて着用可能。モデル着用サイズ FREE H169cm B83 W58 H87
車いすモデル着用サイズ FREE
フレアにもタイトにもなるZIPスカート
アイテム紹介
・しわになりくにいストレッチの効いた素材を使用
・前身頃はプリーツスカート、後ろ身頃は車いすの方が座って着用してもシルエットがくずれないゆとりのあるデザイン
・プリーツにはZIPが付いており開閉でシルエットをフレアスカートとタイトスカートどちらにもシルエット切り替えが可能
・ウエストの両サイドのZIPを開ければ寝たままでも着脱しやすい仕様
・前後をずらしてアシンメトリーなデザインのスカートとしても着用可能モデル着用サイズ(レッド) S/ロング丈 (ブラック)M/ショート丈 H169cm B83 W58 H87
車いすモデル着用サイズ (レッド) S/ロング丈
ちなみに、筋ジストロフィーという病気を持つ、加藤真心(まこ)ちゃんが、
大きくなってもよだれかけをしている事に周囲の視線を感じ、
「全くよだれかけに見えないものが欲しい」
というお母さんの希望によるエプロンドレスが誕生した事を起点に、このプロジェクトが始まったのですが、
上記の「スタイにもなるエプロンドレス」のモデルを務めているのが、その加藤真心ちゃんです。
障害や難病に注目したファッションブランド「tenbo」
tenboは、ファッションデザイナーの鶴田能史氏が2015年に立ち上げたファッションブランドです。
tenboは、年齢、国籍、性別、障がいを問わず誰でも楽しめることを意識し、「機能性」と「デザイン性」を両立することに努めています。
tenboは、疾患や障害別にデザインを展開しています。
筋ジストロフィー
ダウン症候群
脳性麻痺
義足
車椅子ファッション
視覚障害
ムコ多糖症
これらは、ファッションショーなどの様子ですが、
tenboはラフォーレ原宿・223雑貨店・ヴィレッジヴァンガードなどの店舗や、オンラインショップで商品を展開しています。
tenbo ONLINE SHOP http://tenbo.thebase.in/
障害者アートをデザインに商品を作った「MUKU」
MUKUは、「MUKU PROJECT」として、知的障がい者の方々が産み出すアート作品をデザインに採用して、商品化しているブランドです。
MUKU PROJECTでは、知的障がい者の方々のアート作品をデザインに取り入れた、ネクタイ・洋傘・ブックカバー・ボールペンなどを発表しています。
引用:Soar NEWS
引用:Soar NEWS
引用:Soar NEWS
最後に
障害者の方々もおしゃれに関心のある人は多いのですが、希望する洋服はなかなか着られないのが現状です。
しかし、アパレル業界の障害者に対する関心が高まってきた事で、障害者もファッションを楽しめるようになってきました。
これからも、この波がもっともっと盛り上がるよう、我々も応援していきたいと思います!