看護師として、訪問看護ステーションに興味があるけど、
訪問看護ステーションって、どんな人が向いているのかな・・・
訪問看護ステーションって、どんな人を求めているのかな・・・
なんて悩んでいませんか?
看護師不足が深刻な中、訪問看護ステーションはどこも看護師さんを探している状況です。
それは私が以前、訪問看護ステーションを経営していた頃から、看護師不足の状況は変わっていません。
どこの訪問看護ステーションの経営者と話しても、
「どこか看護師さんは居ないですかね?」
「いや~、うちのステーションも探しているんですよ」
と、合言葉のような会話になってしまいます。
病院や施設など医療・福祉・介護関係では全体的に看護師さんが不足しているんです。
特に訪問看護ステーションは、患者さんのご自宅にひとりで行って看護をするという、病院や施設などとは全く違う特殊な環境で働かなければいけませんので、訪問看護を経験した事の無い看護師さんは尻込みしてしまいます。
経営者としては、看護師さんが来てくれるのは大歓迎なのですが、看護師さんの方が訪問看護ステーションを避けている印象があります。
そこで今回は、訪問看護を目指している看護師さん向けに、経営者の目線からみた、
- 訪問看護ステーションに向いている看護師さん
- 訪問看護ステーションの経営者が求めている人材
をお話したいと思います。
この記事を読むと、訪問看護ステーションに就職しようか?と迷っている看護師さんが、自分が訪問看護ステーションに合っているのか?がわかり、転職へ一歩踏み出す力になれます。
目次
訪問看護に必要な資格は?
訪問看護ステーションで働く上で必要な資格の面からお話しますと、
ぶっちゃけ看護師免許を持っていれば問題なく働けます。
ただし、訪問看護ステーションの経営者からすると、看護師として同じ事ができても、准看護師は事業所に入る報酬が1割減となるので、正看護師を欲しがる事業所の方が多いですね。
訪問看護の認定看護師の資格などを持っていれば、持っているに越した事はありませんが、実際の現場での働きや待遇にはあまり関係がありません。
経営者側が求めるのは知識と経験?
訪問看護は、患者さんの自宅にお伺いして看護をするのが仕事ですが、患者さんの疾患として、
- 内科
- 整形外科
- 脳神経外科
- 神経内科
- 呼吸器科
etc・・・
など、難病も含めた一般的な疾患はもちろん、精神疾患から小児まで、在宅で生活されている全ての疾患の患者さんを扱う事になります。
専門科目に偏ったステーションもありますが、普通の訪問看護ステーションは、いろいろな疾患の患者さんを診ます。
ですので、一部の疾患の深い知識より、浅くてもいいので幅広くいろいろな知識と経験を持っている看護師さんを訪問看護ステーションの経営者側は求めています。
緊急時の対応ができる看護師さんだとベストですが、緊急時には管理者や主治医の指示で動きますので、自分ひとりで判断する事はありません。
看護師として基本的な知識と技術があって、基本的な対応ができればOKです。
まあ、訪問看護あるあるとして、夜間に患者さんから緊急で呼ばれた時に主治医に連絡すると、
主治医が眠っていて連絡がつかない・・・
主治医が晩酌してしまっていて往診に来れない・・・
なんて事もありますから、
基本的な緊急時の対応は学んでおく事をおすすめします。
訪問看護に向いている人材は?
訪問看護ステーションは、病院や施設とは違って、1人だけで患者さんのご自宅へ伺って看護をするという特殊な環境だからこそ、性格的に向き不向きがあります。
では、訪問看護ステーションで勤務するのに、向いている性格はどんなものがあるのでしょうか?
人間力がある看護師さん
ネットなどでは、訪問看護に向いている性格として、
『大らかで人当たりが良く、コミュニケーションが好きな人』
という言葉をよく目にしますが、
『大らかさ』→『大雑把』
『人当たりの良さ』→『八方美人』
なんて、受け取る側の価値観で真逆にとられる事は多々ありますし、コミュニケーションが好き(ただの話好き?)な看護師さんを嫌う患者さんはたくさんいらっしゃいますので、
「いろいろな性格の看護師さんが居ても良い」
と訪問看護ステーションの経営者側は思っています。
ただし、訪問看護は一人で現場に行くので、その場で誰かにフォローしてもらえる事はなく、患者さんに嫌われたら、即クレームになる事も珍しくありません。
性格が暗かろうが・・・、人見知りだろうが・・・、話し下手だろうが・・・、大きな問題ではありません。
しかし、患者さんに信用される”人間力”は必ず必要になります
一番クレームが多いのは、患者さんの希望や気持ちを受け入れられず、自分の価値観を押し付けるような看護師さんですね。
もちろん患者さんの為を思って、厳しい事を言わなければいけない時も多々ありますが、
「患者さんのためを思って厳しくしているんです!」
と言いながら、完全に自分だけの価値観と感情で、患者さんを振り回している看護師さんをよくみかけます。
そんな看護師さんは、患者さんからもステーションからも煙たがられて、居心地が悪くなって辞めていきます。
自分勝手に判断しない看護師さん
訪問看護ステーションの業務は、1人だけで現場に行くからこそ、自分だけの知識や価値観だけで判断すると重大な事故につながります。
自分勝手に判断せず、主治医や責任者に報告・連絡・相談して、指示をキチンと守れる看護師さんを訪問看護ステーションの経営者は求めます。
管理者や主治医に相談せず、自分勝手に行動する看護師さんもいらっしゃいますが・・・
そんな方に限って、
「臨機応変に対応しているんです!」
なんて言われます(泣)
臨機応変と自分勝手を履き違えているような看護師さんは必ず何かトラブルを起こされるので、訪問看護ステーションの経営者は警戒します。
キレイ好き
ネットなどで
「汚い家に行く事もあるので、潔癖症みたいな神経質な人は向かない」
なんていう経験談を目にします。
確かに、汚物の跡だらけの床や、何故かいつもしっとり濡れている畳、ゴミ屋敷のようなお家にも行かなければいけませんが、すぐに慣れます(笑)
慣れた訪問看護師の皆さんは、替えの靴下やスリッパを準備したりして上手く対応しています。
汚くて不潔な環境だからこそ、環境を改善する事も訪問看護の役目です。
ですので、散らかっている事を何とも思わないような性格では、劣悪な環境を改善する事はできませんので、必然的にきれい好きな性格の看護師さんが向いているという事になります。
潔癖症か?どうか?よりも、キレイ好きな性格は、訪問看護に必要だと経営者は考えています。
訪問看護ステーションの経営者が困る労働条件は?
子育てや介護をしながら勤務する
訪問看護は、普通の病院や施設とは違って、個人で担当を持っていて、その日その日で個人のスケジュールが決まっています。
子育て支援や介護休業を前面に押し出しているステーションでも、子育て支援や介護休業のためにスタッフを余分に雇っているわけではないので、子供さんが急に熱を出したり親が急に体調が悪くなって休んだ時には、自分のスケジュールを他の看護師さんが代行する事になります。
看護師さんがたくさん居る大きなステーションや、スケジュールに余裕のある暇なステーションなら、他の看護師さん達にそんなに迷惑はかかりません。
しかし、普通の規模のステーションや、1日のスケジュールが詰まっているステーションなら、1人分のスケジュールを皆で振り分けても、結構なハードスケジュールになりますし、担当者の変更や時間の変更などで、患者さんにもご迷惑をかける場合もあるので、それを考えると、ステーション側としては急に休まれると困る事になります。
さらに、夜間の電話当番もありますので、当番の時は深夜に緊急出動する事もよくあるので、小さいお子さんや夜間に目が離せない高齢者などがいらっしゃって、いつ休むかわからない方や、家庭の都合で緊急に動けない方は、訪問看護ステーションの経営者側も好みませんし、自分も気を使って苦労する事になります。
夜勤はしたくない
一般的な訪問看護ステーションでは、夜勤はありませんが、夜間の電話当番はありますので、夜間に時間を取りたくないと希望がある方は、訪問看護ステーションの経営者側も困ります。
どうしても、夜間に時間が取れない方は、賃金は少なくなりますが、非常勤で勤務するという手もありますので、求人を探す場合は非常勤でも募集しているか?を注意しておくと良いですね。
まとめ
経営側として、訪問看護ステーションが望む看護師さんの資質を挙げてきましたが、
これは経営者側の”本音”という事であって、
ステーション側も看護師不足で贅沢は言っていられない状況ですので、
よっぽど訪問看護に向いていない看護師さんじゃなければ、どんな状況でも何とか対応してくれますから、安心して下さい。
ただ、自分が”働きやすい職場”を求めて訪問看護に就きたいのであれば、
良い部分だけを考えず、これまで語ってきた厳しい部分の内容もよく考えて、
『自分の希望に合う職種なのか?』
を判断して下さいね。